とある女子高の昼休みの会話 1
ここは聖マリア女学院の1年3組のお昼休み。
春うらら、筒やかな日差しが眠気を誘い、本当に寝てる集団が多いクラスである。ご大層な学校名だろうと女子高なんぞそんなものである。でもそんな中、周りと同調せずに女子トークを繰り広げるトリオがいた。
「私ね、今ふと思ったんだけどタイムマシーンって未来永劫出来なかったんだと思うの」
「どうして~?」
最初に口を開いたのは、突発性会話症候群と周りから言われている日々笑話さん。
腰まですらっと伸びた黒髪に意思の強そうな大きめの瞳が特徴の黙っていれば美人のお嬢様。
次に口を開いたのは、 そんな日々笑話さんの話をゆる~い返事を返しながら聞き役に徹する夢野穂花さん。
生まれつきの少し茶色な髪を綺麗にまとめたショートヘアーにお気に入りの水玉のリボンをつけていつもにこにこしている「赤ちゃんはコウノトリさんが運んでくると信じてる美人さん。
最後にまだ口を開いてないけど一応そこに存在している、たまに喋るが、喋った言葉が突き刺さる北条玲奈さん 。
黒髪のショートボブに一度も表情に変化がないと言われている整ったパーツだけが載っているこれまた美人さん。
そんな三人が織り成すストーリー。なんて大層なものではなくこの三人のお昼休みの日常会話のお話である。
「だって、穂花考えてごらん?」
「うん?」
穂花は何も考えるつもりはないがとりあえずいつもどおり返事をする。
「今や西暦2014年、これほどまでに日本が誇るアニメや漫画が有名になり、オタクという存在も確立したわけじゃない。かの2000年代初頭の超有名人ビルゲイツだって、オタクには優しくしろ、将来オタクの下で働くことになるだろうって言っていたくらいよ」
「うん?」
この時、穂花はビルゲイツを知らなかったために、己の内でビルゲイツという人物が2000年代初頭に活躍した超オタクという風に変換されていた。
「それなのに・・・、それなのによ!なのにいつまでたっても萌え絵の壁画が発見されないのよ!」
笑話は悔しそうな表情をしながら拳を握り締めわなわなと揺らしている。
「なら笑話ちゃんが書けばいいんだよ」
「?」
「萌え絵の壁画が世界にないなら笑話ちゃん自身で壁画を書けばいいんだよ」
この時すでに穂花の頭の中にはタイムマシーンという話は忘れ去られていた。それゆえの発言である。
当然、笑話は頭の上から?マークを出した。
「私が壁画を書いたところでただの落書きにしかならないわよ?」
そう答えながら穂花の返答の本当の意味を考えていたが答えが見つからない笑話である。
そしてこの二人の姿をみて今日も微かに微笑む玲奈さんでした。
そんなこんなで今日も穏やか昼休みは過ぎたのであった。
ちゃんちゃん。