05.わからない気持ち
「はあ…でも言うって言ってもな…どうすればいいんだろう…」
だって恋愛なんて…考えてなかったもん…漫画じゃあるまいし…そんな簡単に言えないよ…
「美緒!」
「詩緒里…」
「頑張ってね!私は、優と帰るか…」
「詩緒里ー!帰ろうぜー!」
詩緒里がしゃべろうとした時、優が扉から入って来た
「…じゃあ、頑張ってね!」
「…うん…」
「じゃ!頑張ってね!」
詩緒里は扉へと走って行った
「おー!詩緒里!…」
「おー!じゃないわよ!KY!」
「は?KYってなんだよ!?」
「なんだよじゃないわよ!名に言ってるの…」
…詩緒里行っちゃった…どうしよう…なんか言う言葉が無い…
「おい、美緒」
…あれ…今、龍牙の声が…聞こえた気が…気のせいか…どうしよう…なんて言えば…
「おい!美緒!」
…空耳じゃない…
「龍牙⁉」
「ちょっと来い…」
「なんでいるの⁉」
「…何でって…別に…てかちょっと来い」
「う、うん…」
「…」
美緒は廊下に出て龍牙について行き屋上に来た
「…あのさ」
「ごめんなさい!」
「え…」
「私…龍牙に告白されて、正直嬉しくなんてなかった…泣きそうになって、怖くてしょうがなかった…なんで恋愛感情があるのかとか、元に戻れなくなったらどうしようとか、だから…」
「あの事…」
「…」
「あの事無しにして来れ。あの事はなかった事にして来れ…」
「でも…」
「…ごめん…」
「…」
そういいながら龍牙は出て行った
「…ごめん…って…何よ…それ…」
私はその言葉で安心なんかしなかった
私はその言葉で心が凍ったようだった
「…どうしよう…」