02.バレンタインデー
「ルンルーン♪」
私は、今、ごきげん最高!
なぜかと言うと・・・今、バレンタイン用のクッキー作ってます!
実は私・・・本命できました!
「龍牙へ♡」
「きも・・・」
なんて・・・そんなの冗談ですが・・・
「う、うるさーい!」
ゴツッ
私が龍牙を投げ飛ばした
「いってえな・・・」
「う、うるさい!そもそも全部、龍牙達のせいでしょ!」
「んでだよ・・・」
「はあ!何言ってるのよ!」
「っていうか、それ、優に言えよ・・・」
「もう!」
実は、あの後・・・
『なあ、こんなゴテゴテじゃだめじゃね?』
『・・・え?』
『よし!じゃあ、美緒係は龍牙で、詩緒里係は晴樹な?』
『『『『はあ⁉じゃあ優は⁈』』』』
『試食係!』
『お前(優)もちゃんとやれ!(やってよ!)』
『じゃ、じゃあ、回るから!怒るなって!』
というわけで・・・今クッキーを頑張ってるという所・・・
「とにかく食べてみてよ!作れって言ったの龍牙でしょ⁉」
「はあ⁉意味わかんねえ。ってか優は?」
「え⁈知らないよ!詩緒里係じゃない?」
「あっそ」
*
「詩、詩緒里・・・それ・・・」
「あ・・・」
「何やってんだよ⁉砂糖と塩間違えるとか、漫画チックすぎだろ⁈」
「だってー!」
「てか普通、冷凍するの忘れるか⁉」
「う、うるさい!だって・・・優が早く来いとかいうから・・・」
「あー!もう分かったから!ってか・・・優は・・・?」
「知らなーい!美緒の所じゃない?」
「ふーん・・・」
「ねえ、ちょっと美緒達の所行かない?・・・」
「いや、それ、逃げるためだろ?」
「ち、違うよ!」
「・・・好きにすればー」
「好きにしますー!」
詩緒里はベランダにでて、優の部屋まで叫んだ
「「優ー!」」
・・・あれ?今、声が重なったような・・・
気のせい?
*
「あれ?今、声が重なんなかった?」
「そうか?」
「ていうか、それよりクッキー味見してみてー!」
「・・・ああ・・・」
龍牙はクッキーを一枚食べた
「・・・どう・・・」
美緒は息をのみ龍牙に聞いた
「・・・あ、意外にいける」
「ほ、本当⁉」
「・・・」
「龍牙・・・?」
「あと・・・もう一つ・・・はっきり言っていいか?・・・」
「え・・・う、うん・・・」
「これ・・・美味しいっていうか・・・何か・・・」
「・・・?」
「なんていうか・・・普通っていうか・・・」
「へ・・・?・・・っていうか・・・バレンタイン・・・クッキー・・・どうせ渡す人もいないし!今年も詩緒里達と食べるか・・・」
「・・・じゃあそれ、俺にちょうだい」
「・・・え?別にいいけど・・・いつもあげてないっけ?詩緒里達と一緒に?」
「今年は、俺だけにちょうだい。」
「・・・え・・・」