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終わらない  作者: 遠星
3/8

先客

重々しい外見とは裏腹にキイィー…と軽い音をたてて扉は動く。

私は15cmほど開いた隙間からこっそりと屋内を覗き込んだ。

結果:玄関ホールにいた10数人の男女全てに凝視されていた。

……こっそり覗いた分余計に恥ずかしい。逃げだしたい。


屋内は洋灯がキラキラと輝きヨーロッパの高級なホテルのような様相だった。

広いホールにテーブルセット、立派なソファーが置かれている。

そしてそこに、青年、中年、女性、男性、幼い子供連れまでがおり、しかも服装の統一感もなくなんの集まりかさっぱりわからない。


「君も招待客かね」


実は屋内を観察する間、私は入ることも、かと言って実際逃げることも出来ずに扉に張り付いていた。

先客らしい中年の男から声をかけられやっと扉から離れ、屋内に入る。

ゆっくりと扉は閉まった。開けた時の軽い音とは違い、バタンン…と重々しい音を響かせて。



「いえ、その…」


私が羞恥と人見知り故にしどろもどろとなっていると、威圧的に男は続けた。


「違うのかね?では君は一体何をしにここに来たんだ!」


50台位のなにか偉そうな男だ。身なりも良く、だいぶ裕福そうに見えるし、社会的な地位もあるのだろう。その割には短気な…

脳内の住人である私は、この親父はどの程度の人間か?などと評価し、いっそ扱き下ろしたりもしているのだが

表層での私は、男に気圧されまともに返答も出来ない。

それでも、なんとかモゴモゴと答えようとする。


「あの、その…私はここに招待されたのではなくて、」


「ここの住人なのかね!?」


さらにいきり立つ男に、人の話を折るな、最後まで聞け。生き急ぐなら、勝手にさっさとくたばってしまえ!

罵詈雑言を心の中で投げ付けながら、うつむき私は事情を吐き出した。


「…どうやら、私は迷子のようなのです」


この年になって迷子も何もないだろうと、罵られるか、呆れられるかすると思ったのだが、

場全てがしんっ…と静まり返った。

前段なんでもっと省略したほうがいいのだろうか。

主人公は内向的だけれど攻撃性は人一倍高いです。臆病なせいです。

英雄的思考ではなく過剰な自己防衛。オチの行動の理由だと思っていただければ。

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