招待
心を病んでいたわけでもないけれど昔みた悪夢。夢見がちな子供だったんだよ、たぶん。最後は微グロ。夢なので、トンデモ展開有り。
ある日小さな赤い封筒で招待状が届いた。
招待状なんて言っても、よく行くインテリアの店の
小さなレストランを貸し切ってする7周年記念プチパーティー。
なんで7周年だよ10年までまてよなんて思いながら日付を確認する。
ああ、やっぱりその日にも予定は入っていなかった。
私は車をもっていない。
それにせっかくのパーティーなのだ。
アルコールも少し楽しみたいところである。
だから会場のレストランへはタクシーで行こう。…少し贅沢かな。
いつもより少しよそ行きの服を着て(あまり気合が入ってるのも恥ずかしい気がするんだ)
夕方からのパーティーに、小心者の私でも余裕があると安心できる程度の時間をもってタクシーを呼んだ
同伴者OKのパーティーに一人で行く私は、やっぱり浮いてしまうかな?
なんて不安で少し寝不足です。いやいや、あの人のお店なのだもの大丈夫。
せっかく招待状をくれたのだ。…優しく丁寧な文章で。行かなかったら嫌な気持ちにさせるかもしれない。
タクシーに乗り込み、道中ですらうだうだと私は考えていたが、益体もない思考はいつしか睡魔に溶けていた
バタンっとタクシーのドアが閉まる音で我に帰る。「開く」音でもタクシーの運転手の声でもなく
全てが済んでから気がつくと言うのが情けないが私らしい。
多分寝ぼけたまま運転手に言われるがままに金を出し、会計を済ませたんだろう。
まだいくらかぼんやりと走り去っていくタクシーのエンジン音を遠くに聴きながら、周囲を確認する。
さて、目的地の小さなレストランに着いたはず。
……あれ?目的地についたから降ろされたんだよな?ここはどこだ?
目の前にあるのは小さいが雰囲気の良いレストランではなく、まるでナニカの舞台装置のような山の中の洋館だった。