表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怖い話をしませんか?  作者: 返歌分式
それぞれのさいご
23/27

『首切り桜』

 私は待っていた。

 どきどきと高鳴る胸を押さえて息を吐く。

 落ち着き無く自身の着ている制服の裾を直し、意味もなく鞄の中に入っている携帯をチェックした。

 まだかな、と小さく呟けば、忙しない私をたしなめるように桜の花びらが私の周りをひらひらと舞う。

 それに目を向け気を取られた私は、一瞬だけだけども時間を忘れることができた。


 入学式があって少し。私は学校の桜の木の下にいた。

 ここで待っていてね、とメールで連絡があったのだ。だから私は待っている。

 あの子は私に優しくしてくれたから。私はあの子のことが好きだから。

 男の人とは違って女の人はきっと私を裏切らない。私はあの子のことを愛しているんだ。


 今まで交際してきた男共を思い浮かべて、それらは全て身体目当てだったことを思い出す。

 最初はそうじゃないのだ。最初はそこらへんにいる男女のように、愛し愛される関係でいられた。なのに、男共の愛はすぐに無くなる。愛は無くなってそこには何も残らなくなる。

 いつもいつもそうだった。

 私は何回も何回も男共に裏切られてきた。


 だけど、彼女は男ではない。

 身体目当てではないだろうから、今度こそきっと永遠に結ばれる。

 私は彼女を待った。桜がひらひら、ひらひらと目の前を舞い――――



「待ったぁー?」


「うーわー! 本当にいるんだ!」


「レズの子って初めて見た私ー! 何? 男に相手されないわけー?」



 私の夢は砕けて散ってしまった。




 その半年後、首と胴体が切断された私の死体が桜の木の下で発見される。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ