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八話 童歌

 あー。今回も怖かったねぇ……。

 え、いや。だって僕ビビリですし……。

 横坂さんはあまり怖くなかったんですか?

 ……そうですか……。やっぱり僕、ちょっと怖がりすぎなんですかね……?

 

 ……次は僕ですね……。

 では、童歌の話でもしましょう。

 

 皆さん、かごめかごめという歌を知っていますか?

 ……はい、そうですね。大体の人が小さい頃に聞き歌う歌です。

 その歌の歌詞は、「かごめかごめ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に 鶴と亀と滑った 後ろの正面だぁれ?」といったものです。

 これ、よく考えてみれば歌詞の内容がよく分からないですよね。

 いつどこで聞いたのか、無意識に口ずさめるこの童歌を読み解いてみるのが、今回の僕の話です。

 

 まず「かごめかごめ」という部分。

 これはすぐに思いつきますね。

 この歌は一人を中心に輪を作り、歌を歌いながらぐるぐる回った後、歌の終わりと同時に止まります。

 そして中心で蹲り目を覆った子が、自分の後ろにいる人を当てる。

 かごめかごめという歌はそういう遊びですから、「かごめかごめ」は一人を囲むということなんでしょう。

 この流れで「後ろの正面だぁれ?」という歌詞の意味も分かります。

 

 ですが、真ん中の部分。「籠の中の鳥は いついつ出やる」というのはなんでしょうか。

 中心にいる子のことなんでしょうか。

 それに、「夜明けの晩に 鶴と亀と滑った」というのも、折角の、鳥を囲んでその鳥はいつ出るのか、という解釈で進んできた中であまりに突拍子がありません。

 よぉく考えたら繋がりが無いんです。

 まぁ昔の歌は大方がそうなんでしょうけどね。

 

 この童歌のことをふと考えた僕は、気になって調べてみました。

 そうしたらですね。この「かごめかごめ」という歌は色んな意味の解釈が出来る歌なんだとわかりました。

 

 まず一つ。

 この「かごめかごめ」という歌は実は流産の歌だという解釈です。

 「籠の中の鳥」が赤ちゃんで、「いついつ出やる」が出産。そして「夜明けの晩に 鶴と亀が滑った」というのが流産、だそうなんです。

 

 次に二つ。

 儀式の歌という解釈。僕が最初に解釈したように「かごめかごめ」は囲め囲めという意味で、真後ろに来た子供を殺すという儀式の歌。

 

 次に三つ。

 突き落としの歌だという解釈。

 「鶴」は妊婦さんで「亀」が赤ちゃん。後ろにいた、突き落とした人物は誰でしょうというものです。

 

 次に四つ。

 こちらも流産なのですが、こちらの「籠」は遊郭です。

 遊郭に囚われた遊女が「鳥」「鶴」。

 遊女が脱走し、逃げているうちに滑って転んで流産してしまうんです。

 

 最期に五つ。

 罪人を処刑する歌だという解釈です。

 「籠の中の鳥」は罪人。「いついつ出やる」がいつ釈放されるのかという思い。「夜明けの晩は」は、二度と日の目を見ることができないという現実。「鶴と亀が滑った」は長寿の象徴である動物が滑り、意味が逆さまになる「死」という断罪。「後ろの正面」は罪人の首を切る役人。

 ……首が断ち切られてころりと転がった首は、後ろの正面になる……というものです。

 

 

 一つの歌でここまで解釈ができるみたいですね。

 実は、僕は「かごめかごめ」の解釈を五つしか言いませんでしたが、実際はもっとあります。

 その中で五つ。僕の判断でここにあげさせてもらいました。

 さらに知りたいというのでしたら、どうぞ自分で調べてください。

 

 

 さて、皆さんどうですか。

 自分達がいつの間にか覚え、口ずさんでいた歌が、本当はこんなに酷い歌だということを知った感想は。

 僕は是非とも皆さんの思ったことを知りたいです。

 僕はですね、この歌の意味を、解釈を初めて知った時、別にどうとも思いませんでした。

 「へぇー、そうなんだ。そんな意味があったんだ」と、たったそれだけを思ったんです。

 

 ですが、時間が経って考え直してみたら、これ結構怖いことなんですよね。

 だって、どんな解釈であろうと酷い話になってしまう歌をですね、僕達はみぃーんな知ってるんですよ?

 これっておかしくありませんか?

 

 ……そうですか? そんなに、おかしいことではありませんか?

 横坂さんはなんでそう思うんですか?

 ……はい……はい……。

 確かに「かごめかごめ」などの童歌は昔から伝わってきていますからね。

 「昔」の物を後世に伝えるのは当然だろうと、そういうことですね。

 そうです。確かにそうです。「昔」の物は尊重されるべきです。「昔」の物は色んな教訓が織り含まれていますからね。

 

 ……ですが、僕は言いたいのはですね、「なんでこんな残酷な歌を後世に残したのか、歌われ続けたのか」ということです。

 親しみやすいリズム運びなのは分かります。その流れでついついこんな時代にまで流れついてしまったのかもしれません。

 いつ頃歌われ始めたのかもよく分かりません。ただ、「かごめかごめ」という歌は各地方に異なった歌詞で伝わっていたようです。昭和初期に山中直治という人が千葉県の「かごめかごめ」の歌を記録をし、それが全国に広がったと言われていますから、それ以前にはもうすでにあったというわけですね。

 昭和ですから思っていたよりも最近ですね。ですがこれは各地方に伝わり根付いていたものをまとめた、ということなんです。

 根付く、というのは結構の時間をかけないと無理です。

 もっともっと以前にこの歌はあり、そしてこの時まで歌われ続けてきたんです。

 

 

 ……さて、どうですか皆さん。

 もう一度聞きますが、ご感想は。

 

 ……あまり芳しくありませんね。

 もっとですね、こう、「それは~だからなんじゃないか」とか、そういう考察をですね……

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 ……そうですか。無いですか。少し残念です……。

 それじゃあ僕の考えを言いましょうか……。

 

 僕はですね……このような童歌はですね……「呪い」なんだと思っています……。

 「呪い」というのはですね……憎しむ心もそうなんですが、「言葉」を必要とするものだと、僕は思っています……。

 例えば殺したい相手がいるとします。そいつを憎む気持ちと一緒に吐き出すでしょう? 「言葉」を……。衝動的に……あるいは慢性的に……。

 「かごめかごめ」の歌でどうやって「呪う」のかは分かりませんが……、いえ……、やはりこれは「呪う」のを目的としているのではなく歌自体が「呪い」なんだろうなと僕は思うんですよ……。

 別に誰かを呪いたいわけじゃない。ただ、「呪い」という形だけを残していく……。そこにあるだけで誰かがその余波を受け、不幸に陥る……。言ってしまえば、日本にいる人間を「呪う」歌なのだと……僕は思うんです……。

 

 僕のこの考えは間違っているんですかね……?

 いや、間違っているのが正しいんです。

 僕の言ったことが本当だったとしたら、それはとても酷い話なんですから……ね……。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 はい。ではここで僕の話は終わりたいと思います。

 怖い話というよりただの考察になってしまいましたね。

 あぁ、これは僕一個人の考えですので、真に受けないで下さいね。

 では、次の人お願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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