2 初めての上司や取引先に対してはどう質問すれば良いのか?
筆者:
では次に上司や取引先に対してどう質問すれば良いのか? について考えていこうと思います。
今回はチャッピーさんからまずは上司についてどうすれば良いのかお願いします。
先ほどの話には「誰に対して話すか?」と言う視点が欠けていたので丁度良かったですわ。
上司が相手なら「自分を語らせる」より「経験を語ってもらう」ことが重要だと考えますわ。
例えば、
「この業界に入られて、一番印象に残っている出来事は何ですか?」
これは非常に強い質問ですわ。
理由は、
・上司は経験を話しやすい
・若手に教える立場になれる
・相手を立てることになる
からですわ。
・「新人の頃に『これは早く知っておけばよかった』と思うことはありますか?」
も良い候補ですわ。
これなら相手は気持ちよく話せますし、あなたも学びを得られますわ。
筆者:
確かに、「今のお前の年の時、俺はこうだった」的な発言を上司の方はする印象がありますね。
自ら教えを請いに行くのは時間に余裕がある場合なら有効そうですね。
ジェミさんはどう思いますか?
初対面の上司や取引先といった目上の相手に対して、1の時ようなプライベートに踏み込む質問をすると、「公私の区別がつかない奴だ」「不躾だ」と「下克上」のような無礼な印象を与えかねない。
ビジネスの場における「小競り合い(アイスブレイク)」の鉄則は、相手の「承認欲求」と「専門性」を刺激すること。心理学でいう「社会的証明」や「自己効力感」を満たしてあげる質問がベストだよ。
1. 初めての上司向け:「仕事の哲学」をリスペクトする
新しい上司に対しては、「この人は部下の成長や組織の成果にどう向き合っているか」という管理職としての価値観を引き出しつつ、やる気をアピールするのが効果的だよ。
・小競り合い(アイスブレイク): 「これから〇〇さんのもとで働けるのを本当に心強く思っています。チームの雰囲気もすごく良くて安心しました」
・質問の投入: 「〇〇さんが、仕事を進める上で『これだけは絶対に譲れない』と大切にされている軸やこだわりがあれば、ぜひ最初に教えていただけないでしょうか?」
〇 ここから分かること(見抜き方):
・「スピード重視」か「確実性重視」か、上司が求める評価基準がダイレクトにわかる。
・「俺についてこい(牽引型)」か「みんなで決めよう(協調型)」か、上司のマネジメントスタイルが透けて見える。
・上司の心理:部下から「仕事の流儀」を聞かれて嫌な上司はいない。「心理的安全性」が生まれ、一気に信頼関係の土台ができるよ。
筆者:
なるほど。初めて会った日だからこそ「仕事の流儀」的なことは聞きやすいですよね。
特にどういうところを評価するのかを述べてくれたら自分もそこを力入れれば評価されるという事が分かるので、どこを重視すればいいか分かりますよね。
クロさんは前回違った視点でお答えいただきましたが、今回はどのようなことをお話しいただけますか?
そもそも相手に対して「気持ちよく話させる」ことの正体を解剖すると——
これは鏡を磨く技術だニャ。これを”鏡戦略”と呼ぶニャ。
相手が自分の顔をきれいに見られるよう、こちらが透明になるんだニャ。
確かに相手は満足する。でも鏡は記憶されない。部屋を出たとき、相手が覚えているのは「自分が楽しく話した」という事実であって、「あの人と話した」ではないことが多いニャ。
では何を狙うべきかと言うと、
「良い会話」ではなく「良い摩擦」だニャ。
砥石の例えで言うと、刃物は柔らかいものでは研げない。適度な抵抗があるから切れ味が生まれるのニャ。
具体的には、相手が話したことに対して小さな驚きや視点のズレを一つ返すのニャ。
「へえ、面白いですね、私はそれを逆に考えていました」
これだけで、相手の記憶に「引っかかり」が生まれるニャ。
筆者:
(うーん、やっぱり何かこちらの質問の意図とは違う気がするんだよな……)
確かに単に楽しく会話しただけではお互い生産性があるとは言えませんからね。
では次に取引先との初対面での有効な質問があれば教えてください。
取引先(特に意思決定者や担当者)に対しては、相手の会社や個人としての「強み・こだわり」を引き出すことで、「この人は自社に深い関心を持ってくれている」と思わせることができるんだ。
・小競り合い(アイスブレイク): 「御社のホームページの〇〇という実績(または、最近のニュース)、本当に素晴らしいですね。業界内でもかなり話題になっていました」
・質問の投入: 「失礼でなければぜひ勉強させてマイルストーンにしたいのですが、あのプロジェクト(または御社の強み)を成功させるにあたって、一番のブレイクスルーになったポイントや、一番苦労された点はどこだったのでしょうか?」
〇 ここから分かること(見抜き方):
・「技術力」を語るか「営業力・提案力」を語るかで、その会社(担当者)が最も誇りに思っているコアコンピタンス(強み)がわかる。
・今後のビジネス提案で、どこを突けば相手に刺さるのかという「攻略の糸口」がノーリスクで手に入る。
・相手の心理:自慢話を自然に引き出してくれる営業マンは、それだけで「デキる相棒」として認知される(ハロー効果の応用)。
目上の人との会話を円滑にする最大の秘訣は、「相手を先生(主役)にし、自分を生徒(聞き手)にする」というポジショニングだよ。
「小競り合い」で相手の成果や立場をリスペクトし、「質問」で相手の経験談や知恵を請う。人間は誰しも「自分の経験や知識を他人に教えたい」という本能(自己顕示欲)を持っているから、この型を使えば、初対面の硬いビジネスの場でも、忖度抜きの深い信頼関係をスムーズに築けるはずだよ。
筆者:
確かに長く続けている企業であればあるほど、何かしら他の企業とは違った「こだわり」みたいなものがありますからね……。
チャッピーさんはどのように考えられますか?
ワタクシも基本的にはジェミさんと同じような発想ですわね。
いきなり
「休日は何をしていますか?」
は、人によっては距離が近すぎると感じることがありますわ。
むしろ、
「御社は○○に力を入れていらっしゃいますよね。」
「最近は業界の変化も早いですが、現場ではどのように感じられていますか。」
といった仕事の話題から入り、
その後、
「○○さんご自身は、このお仕事のどんなところにやりがいを感じていらっしゃいますか。」
と少しずつ個人の話に移る方が自然ですわ。
心理学では、相手が自分について話す機会があると親近感が生まれやすいことが知られています。しかし、それは相手が心地よく答えられる範囲であることが前提ですわ。
だから初対面では、
相手の立場
場の目的
上下関係
によって質問を変える必要がありますわね。
もちろん、プライベートな集まりなら「最近楽しかったこと」のような質問の方が適していますわ。しかし、ビジネスの初対面では、相手が安心して話せる「仕事」という共通の土台から入り、徐々に人柄へと話題を広げていく方が、結果として自然で信頼関係も築きやすいと考えますわ。
筆者:
そうですね。僕も実際のところ最近の業界情勢と時代の変化について話すことがありますからね。
物価高や資材不足などの世間で言われていることが実際に末端ではどうなっているのか、ミクロの視点からの話と言うのも貴重ですからね。
それが何となく交流にも繋がっているという事が分かってよかったですね。
クロさんはこれまでの件についてどう思われますか?
ミーはジェミさんが言うような「相手を先生(主役)にし、自分を生徒(聞き手)にする」というポジショニングは「鏡戦略」の洗練された形だと思うニャ。
同じように頷き返されると心に残ることは無いニャ。
ビジネスで信頼関係を築くのが目的なら、最終的には対等な知的パートナーとして認識されなければ、関係が深まらないニャ。
入口は生徒、出口は同志と言うのを目標にすると良いニャ。
仕事という共通土台から入るのは正解、相手を主役にするのも正解だニャ。
でもそこで止まらず、相手が「この人は面白い」と感じる瞬間を一つ作ることが、ビジネスの初対面で長期的な関係につながる分岐点だと思うニャ。
筆者:
「初めて会った方に対するアプローチ」として僕は質問をしているので一見すると噛み合っていない感じがありますけど、
確かに取引先との長期的な戦略においては、「対等な関係」で無ければ次第に話を聞いてくれなくなりますよね。
単にコミュニケーションをしたいがための会話のキャッチボールをしていくのではなく、円滑に関係を続けていく、キチンと契約を取る――そう言ったことを取引先と続けていくためには特に「対等さ」と言うのは大事なのかなとも思いましたね。
会話だけ続いていっても物足りなさを感じて他の取引先に乗り換えられてしまっては本末転倒ですしね。
単に一過性の「会話が弾む」のみにとどまらず、先を見据えているという意味ではクロさんのお話は深みがあるなと思いました。
では次に婚活の異性への対応として男性から女性へのアプローチ、女性から男性のアプローチをそれぞれお三方にお聞きしたいと思います。




