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sss集  作者: 花浅葱 羽羅
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リンゴ

 その手の内には一つのリンゴがあった。赤くてとても美味しそうに、その手にあった。白い手と赤いリンゴのカラーリングが少しだけ目に痛かった。


「食べてしまおうとは思わないの?」


 向かいに座った女がゆるりと問う。その瞳は針葉樹の様な深い緑で、髪は春に芽吹く真新しくて幼い葉の様だった。ふと、(なに)となく食べたくないと思い、その酷くやわらかな意思を言う前に、リンゴを地面に転がした。


(女は蛇にでもなったつもりなのだろうか。)


イメージはとても有名なあの神話です。

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