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エルフ
その眼は怖いくらいに黒くて、それ以上に興味をそそり、思わず手を伸ばして、思いとどまり、手を元に戻す。その眼は黒く、失われた樹海の民の血を引く肌は、陶器のように白く、耳は少し尖っている。髪は金でも銀でもないプラチナブロンドとかいう色で、眺めのその其れを後ろで一つに結っている。
嗚呼、なんと美しいのだろう。
涙が頬を何度も伝う。其れを止める方法を私は知らない。彼の体を幼い体で懸命に抱きしめ、冷たい彼に身震いし、もう動くことの無いその黒い眼をもう一度だけ見て、その白い頬に口づけをした。
幼い少女とエルフの話。