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sss集  作者: 花浅葱 羽羅
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こわれた

 私のためだけに泣いてください。贅沢でしょうか、でもこれぐらいは許してください。どうせ彼方は私に振り向いてくださらないのでしょう?


 いいから俺にすがらないでくれ、愛さないでくれ。俺はそんなことをしてもらえるほどの善人じゃあない。俺は大嘘つきだ。今だってお前に嘘をついている。


 私に嘘をついていることなど、とうの昔に知っていました。何時だって私の姿が彼方の瞳に映らなかったことだって知っています。それでも私は良かったのです。ほんの短い間だけでも私のそばにさえいてくださいすれば、触れた手の温もりを感じさせていただければ。


 俺を見つめないでくれ、手をつなぐのだって怖いのだ。俺は人殺しだ。汚れた手だ。


 私は知っていました。彼方が人殺しで、私を殺そうとしていることなど。それでも良かったのです僅かでも彼方の温もりを感じさえすればいいのです。たとえ、その幸せがほんの数秒だったとしても良いのです。






こ わ れ た

(女は男に微笑んだ)(男は女を刺した)

 歪みすぎた関係。

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