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はちみつれもん
眠れない夜は温めた牛乳を飲むといいらしい。だが、残念なことに丁度牛乳が無くなっていたのであきらめた。かわりに、レモンと蜂蜜をつけたものがあったのでそれを飲むことにした。昔母がよく作ってくれたもので、甘くて大好きだった。
「…」
やかんからお湯をコップに注ぎ、蜂蜜とレモンの蜂蜜だけを何杯が入れて、くるくるとかき混ぜる。透明だった液体が蜂蜜色に変わったところで手を止める。そして、漂う湯気をじいっと見つめる。そこから何も生まれないことは分かりきっているのだけど。考えるのを止めてコップを口元に運んだ。
私は一口飲んで、美味しくないなあと言って笑った。
(眠れないからといって母がこれを作っていたのは何時のことだろう)
凄く、よくある感じです。
母が死んだのか、ただ離れて暮らしているだけなのか。そこは読んだ人にお任せします^^