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牡丹
赤い牡丹の花びらが、一枚ひらりと落ちてゆく。ひらりひらりと音も無く、まだとけきらぬ雪の上に、一枚赤い牡丹の花が彩りゆたかにひらりと落ちる。
その姿はまるで雪に落ちた血のようだと誰かが言うが、牡丹にそれは聞こえない。ただ、自然の理でひらりはらりと落ちただけ。
日が高くなるにつれ、雪はどんどんとけてゆき、やがて小さな川となる。きらりきらりと太陽できらめく川に牡丹の花びら一枚は、ゆれて水に飲み込まれ、ああもう流れて見えなくなった。
白と赤のコントラストを描きたかった…はず( ̄□ ̄;;)