神霊の儀。
狙いを聞いたサラの考えは……
「オレ達の狙いは……」
内容を纏めるまでもなく、大召喚師ローレライ様が遺した書物とセシルさんが所有している「宝玉」が狙いだったわ。
最初は宝玉を狙っていたけど、途中から上の命令で書物の方も奪ってくるように言われたみたいね。
とりあえず、所持品も所持金も纏めて没収したから、ヤーマ達が行ける最北端に襲撃犯を捨てて来て貰った。
黒幕の事は、勿論、聞いて無いわ。
聞けたとしても、向こうは尻尾を掴ませないだろうし、こんな前線に大物が来る訳が無いわ。
知らなかったとして、何かが発動して死なれちゃあ敵わないもの。
そういう訳で、聞きたい事は聞いたから放逐ね。
生き残れるかは別でけど……
さて、2日後にゴミ掃除と復旧が終わって、いよいよ、大召喚師ローレライ様の書物が手に入るわ。
「はい。コレが大召喚師ローレライの遺した書物よ。」
「約束通りに、貰っても良いのよね?」
「ええ。どうぞ。」
「セシルさん、ありがとう。」
私は中身をざっとみたけど、内容は条件が厳しいけど、これは召喚士にとって秘奥義と云えるモノだったわ!
……まあ、実は私は既に条件を満たしているのよね。
そこら辺はのんびりするとして、そろそろ帰らないといけない。
私達は、セシルさん達に押し切られて宴会を開く事になった。
宴会が盛り上がる中、暗闇の中からシンが訪れた。
「守り切れたようだな。」
「ええ。私達の勝利よ。」
「それなら、頑張ったサラには褒美を与えよう。」
「え!? 本当に?」
「ああ。セシル。」
「……はい。サラさん。確かにコレは褒美と言えますが、同時に試練でも有ります。それでも受けますか?」
「勿論よ。試練だと言うのなら、乗り越えれば良いだけだわ。」
「分かったわ。でも、試練に参加出来るのはサラとアークだけよ。それでも?」
「ええ。受けるわ。」
「それならば、試練『神霊の儀』を始めます。」
セシルさんが宣言した瞬間に、魔法陣が現れ、中からアデラのお母さん以上の大きなウルフ系のモンスターが現れた。
……けど、額には大きな赤い宝玉が埋め込められていて、両目はまぶたを何かが書き込まれた紐で封じられていた。
そして、その巨大なウルフ系が遠吠えの様に吠えた時、禍々しい門が召喚された。
「2人でこの門を潜り、中に居る『神霊』を倒してください。そうすれば、あの方『シン』様が褒美と云えるモノを手に入れる事が出来ます。」
「分かったわ。行きましょう、アーク。」
「おう! サラ。」
私達は開かれた門を潜り、中に入った。
中に入ってみると、寒くは無いけど、吹雪いていた。
「寒くは無いけど、周りが見え難いわね。」
「そうだな。サラ。」
「ええ。」
私、アークが差し出した右手を私は左手で結んだ。
それから、どれくらい進んだか分からないけど、多分1時間くらいは歩いた所で、小屋が有ったから少し休憩する事にしたわ。
「アーク。あそこで少し休むわよ。」
「ああ、分かった。」
私達が小屋に入ると先客が居たわ。
そして、紅茶を2つ用意している。
「休憩するのでしょう。どうぞ。この紅茶で喉の渇きを潤わしてくたざい。」
「ありがとう。頂くわ。」
私は軽く紅茶を飲んだ後に先客に質問をした。
「貴女は誰なの?」
「私は貴女達の此所から出る為に必要な一言を伝えるために設置された者です。」
「……設置?」
「はい。私は謂わば会話が出来るゴーレムの様な存在です。」
「そうなの。分かったわ。その『一言』を教えて頂戴。」
「はい。『諦めてはならない。』……以上です。」
「……それだけ?」
「はい。」
「えらく、抽象的ね。」
「そうですね。でも、これは『試練』ですから。」
「そうね。ありがとう。」
「貴女達が試練を突破する事を祈っています。」
私達は小屋を出て、宛ても無く進んでいると、この吹雪の中心部みたいな場所に到達したわ。
中心部には、吹雪を起こしている全身を鎧に包んだ騎士が居た。
「アーク。」
「おう!」
私達は進むと途中、見えない壁に阻まれて私だけが進む事が出来なかった。
「アークー!」
「サラ!?」
この壁は私の魔法も、アークを封印解放して、鬼角を顕現してからの覚醒した緋桜の一撃でも壊れなかった。
大召喚師ローレライ様の書物から手に入れた知識を使っても駄目だったわ。
……万策尽きたわ。
それでも私は諦めない!
私はあの時みたいに護られるだけの足手まといじゃないわ!!
私は落ち着く為に、「召喚の儀式」の時みたいに深く意識を沈めた。
……そうすると、まるで、両親に引っ張られている様な感覚で私の意識は何処かを目指していた。
到着した場所に有る光り輝く何かが存在した。
それに触れた瞬間に、シンの声が聞こえたわ。
「それは、私の義妹であり妻である『フェリシア』の剣『戦乙女の聖剣』だ。」
私は意識を浮上させ、光に触れた時に頭に浮かんだ言の葉を紡ぐ。
「戦慄と絶望を打ち砕き、差し伸べられた手を繋ぐ勇気を!」
そう言葉は発した瞬間、私の目の前に朱い大剣が顕れた。
私がその大剣を手に取ると、大剣から私が何時も使っている大きさの刀になった。
「サラ。それは結界等のあらゆる壁を破壊する事が出来る。それを振るい壁を斬れ!」
「はい!」
私は刀を大上段に構え、一気に上から下へ振った。
キン……、ピシッ……、ピシッビシッ……ビキッ……
……パリン!
私の一撃は目の前の壁を破壊した。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




