防衛戦。
セシルが話す内容とは?
移動した部屋の中でセシルさんは話し始めた。
「わたしは人の姿をしていますが、本来は『精霊』や『神霊』の類いです。私が神霊で、ヤーマ達が精霊です。
サラさんの従魔達と同じですね。」
「あら。バレた?」
「ええ。鬼人族系のアークさん。不死鳥系のリンさん。覇天竜系のセレスさん。序でに言えば、氷神狼のアデラですよね。」
「正解よ。それで何が有ったの?」
「はい。実は……」
話を纏めるとこうだった。
千年前から少しずつ「地」の力が弱まっていて、最近では、存続の維持すら不安な状態が続いていた。
そんな時、この地の守り手が原因不明で亡くなっていた所に、正体不明のモンスターが攻めて来た。
今、思えば、この地の守り手が亡くなったのも、攻めて来ている奴らが原因だと考えている。
そこで、最後の手段的にヤーマ達に人族の協力者を探す為に王立学園に入ったが、戦力になりそうな人が居ないと諦めかけていた時に、私達と出会い戦う姿を見て、戦力に成ると判断して私達を招待した。
との事。
「ちょっと質問。」
「どうぞ。」
「この地は、私達の世界の何処に近いの?」
「そうですね。サラさん達が居た王都から見て、北東で3日程で到着出来る場所ですね。今では薄汚い盗賊達が根城にしていますが、千年前はとても穏やかな人達が住んでいたのです。
ですが、何かに巻き込まれたのでしょう。ある日、其処に住む人達は皆殺しにされて、最後は其処に帰って来たのであろう若い2人組の恋人が、誰にも会える事無く殺されました。」
「ねえ、サラ様。」
「コレってサラ達よねぇ?」
「……そうみたいね。」
「セシルさん。哀しむ事は無いわ。その2人組の恋人は今はそれなりに幸せに生きているわよ。」
「サラさん。どういう事ですか?」
「その2人組の恋人は、千年の時を超えて再び出会い、記憶と想いを取り戻しているわよ。」
「……まさか!?」
「ええ。セシルさんが知る、その2人組の恋人は私とアークの事よ。」
「あの時、殺され死に別れて終わった訳じゃないのね?」
「そうよ。私もアークも絶対に諦めなかった。だから、今回も諦める気は無いわ。だから、この地を守り抜きましょう。」
「ええ。サラさん。」
「とりあえず、攻めて来たモンスターを全滅させるわよ。そうすれば向こうも動く筈よ。その後も大丈夫。
まだ種族的には若輩とは言え、此方には不死鳥のリンや、覇天竜のセレス。アークだって、2人に負けない強さを持っているわ。
それに私だってまだ召喚士になって1年も経過してないけど、熟練の召喚士に負けない知識と技術を持っているわ。」
「そうですね。サラさん達が諦めて無いのに、私達が諦める訳にはいきませんよね。」
「そうよ。その意気よ。それで、何か分かった事や判明した事は有る?」
「そうですね。先ずは、向こうは大召喚士ローレライの遺した書物を狙っています。向こうが攻めて来た時に家屋に入ると1番荒れていたのが書庫や書物でしたから。この地に価値の有る物は、其れしか有りません。」
「やはりそうなのね。それで、その書物はどこに有るの?」
「それは……」
「あ、良いわ。奴らから守り切ったら教えてね。」
「勿論です。その時はサラさんに約束通りに差し上げます。」
「ありがとう。それじゃあ、奴らをプチっと倒して終わらすわよ!」
セシルさんと、作戦を考えたり、その準備をしたり、千年前に何が有ったのかを話したりしながら過ごして、2日後に奴らが攻めて来た。
「作戦通りにやるのよ。直接戦う者は絶対に1人にならないで、3人以上で戦うのよ!」
「行けー。セシル以外は皆殺しにしろ!」
「アーク! 封印解除!」
「おう!」
「アーク、作戦通りにお願いね。」
「分かっている。サラ。」
「何?」
チュッ。
「……アーク!?」
「勝利の女神の祝福だよ。」
「……アーク~!」
「不死鳥にも出せない熱さですわ。」
「覇天竜も真っ青な手際の良さね。」
「宜しかったですわね、サラ様。」
「ご馳走さま、サラ。」
「~!」
「それでは、私達も行きますわ。」
「……リンもセレスも作戦通りにね。」
「アデラ、しっかりサラ様を守るのですよ。」
《うん。頑張るー。》
「リン、行くわよ。」
「ええ。セレス。」
まあ、作戦と言っても基本的には戦力にならない彼らが先ずは戦い、適当な所で敗走した振りをして奥に逃げる。
奴らがある程度、中に来たらリンとセレスがモンスターを全滅させて、アークはその隙に指揮官を捕らえるという作戦よ。準備と言っても若干の落とし穴に、敗走先の家屋の補強ね。
私は全体を見ながら、アデラに乗って魔法で補助をする。
さて、戦況はどうなっているかな。
作戦通りだと、リンやセレスが戦っている筈。
「この胸焼け解消の犠牲になって貰いますわ!」
「私だって、昔は居たんだから。八つ当たりしてやるわ!」
……聞かなかった事にするわ。
リンやセレスが本来の姿になって大暴れする事、約1時間後
「さあ、全て白状して貰うわよ!」
「はん! 誰が喋るものか!」
「そう。私も長く付き合う気は無いから、いきなり最終通告よ。」
「ふん! 何が『いきなり最終通告』だ!」
「喋らないのなら、アレを切り落として、薬で強制的にサカらせたゴブリンかオークの群れに放り込むわよ。」
「ひぃっ! 分かった!」
「何が分かったの?」
「全て白状する!」
「それなら、直ぐに白状しなさいよ。」
「オレ達の狙いは……」
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