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特権階級の三姉妹、参上。

誰かの作品を思い出すな。

「はい。昨日の夕方になる頃に帰って来ましたが、その時にお預かりした物の中には、言われた物は御座いませんでした。」

「本当に無かったのだな?」

「はい。」

「……分かった。失礼する。」


 なんか、貴族らしき人が詰め寄っていたけど、帰るみたいね。

 私も貴族らしき人がギルドから出るまで眺めた後に、依頼ボードを見る。

 まあ、朝の混雑を回避する為にこの時間に来たから、美味しいと言える依頼は無いわね。

 さて、どうしようかしら?

 まだ1週間以上先なのよね。

 そう思っていると、私達に話し掛けてくる者達が現れた。


「なあ、君達。良い仕事が有るんだけど、一口乗らないか?」

「誰?」

「オレ達は、このギルドに所属している『深緑の剣』という冒険者パーティーだ。良い依頼を手に入れたんだけど、少し人数に不安が有って、追加を探していたんだ。」

「何故、私達に?」

「こんな時間に依頼ボードを見ているという事は、少なくとも今の所は、金銭的には余裕が有る証拠だろ。それに、仕事の内容上、女性が多い方がすんなり進む。どうだろう? 話だけでも聞かないか?」

「そうね。その依頼は拘束期間はどれくらい?」

「ん? ああ。長くて6日間だ。」

「分かったわ。話を聞いてあげるわ。」

「そうこなくちゃな。向こうで話そう。」


 私達と深緑の剣は、隣接の酒場に移動して、話を聞く事にした。


「さて、改めて自己紹介をしよう。オレはリーダーの『セベク』で、順に『イアス』、『ルイガ』、『タナン』だ。」

「私はリーダーの『サラ』で、順に『アーク』、『リン』、『セレス』、そして、外に居る『アデラ』よ。」

「ヒュー。外のアレは君達の従魔か!」

「それで、話の内容は?」

「ああ。依頼内容は、この国に所属している、とある貴族様の令嬢三姉妹を目的地の街までの往復の護衛だ。片道が馬車で1日掛かるから、必ず夜営しなければならない。

 正直、護衛対象が、ご令嬢3人も居るから、ウチのタナンだけではキツかったんだ。そちらには女性が3人居るから護衛がやり易い。どうだろうか?」

「この依頼を受ける条件は?」

「全員がCランク以上と女性が1人以上。」

「依頼料は?」

「金貨20枚。受けるなら、半分出す。」

「道中で狩ったモンスターは?」

「時間を区切って交代制で護衛する予定だから、その時間の護衛の物だ。ただ、数が多い場合は共同で狩るから、その場合は山分けだ。」

「分かったわ。注意事項は?」

「まあ、相手は貴族様だ。それなりに言葉使いには注意が必要だが、心配無さそうだな。」

「それと、先程の交代制とはどういう意味?」

「ああ。何も時間毎に馬車に入って休憩するという意味じゃない。移動中は外に居るが、予備扱いみたいになるというだけだ。ようするに、外敵排除と要人護衛を交代制でする訳だな。」

「分かったわ。最後に依頼書とかの書類は有る?」

「慎重だな。」

「当たり前の事だと思うけど。」

「有るよ、はい。」


 私はセベクが出した書類を確認した。

 特に問題は無いみたいね。


「書類を返すわ。その依頼、私達も乗るわ。」

「助かるよ。」


 この後、細かい所を話し合い、明日の午前8時までに東門に集合する事になった。

 私達は、受付嬢さんに明日の7時頃にサードラの仕事の依頼料を受け取りに来る事の了解を貰い、ギルドを出て、必要な物を補充しに商店街に向かった。


 翌日


 私達はギルドに寄って依頼料を受け取り、東門に到着した。

 少し待っていると、内容の意味は分からないけど家紋付きの馬車が通常よりも少し大きい馬車が1台と普通の馬車3台がやって来た。

 馬車が止まると、最後尾の馬車から深緑の剣のメンバーが出てきた。


「待たせたな。」

「問題無いわ。」

「雇い主を紹介するから、サラ達は来てくれ。」

「分かったわ。」


 私達は今回の雇い主に紹介された。

 今回も商談で行くらしいんだけど、毎回、三姉妹も一緒に付いて来るみたい。

 どうやら、三姉妹的には息抜きも兼ねてるみたいね。

 ……しかし、三姉妹はそれぞれがアーク達を見ていたのが気になるわね。


 若干、気になる事は有るけど、雇い主を混ぜての細かい話は終わり、出発した。


 道中は、1つの事を除いて問題無く進んだ。

 その1つというのは、私達が護衛の番が来ると、三姉妹それぞれが、指名してくるのよね。

 長女がアークを、次女がリンを、三女がセレスを。

 私は最後尾の見張りを言われた。

 まあ、雇い主の娘の我が儘だけど、一応は問題が無い為に従っているわ。

 さて、三姉妹の狙いは予想出来るけど、どう対処しようかしら。


 本日の夜営場所に到着した私達は、夜営設置をして食事等を済ませ、後は長い夜を待つだけの時に三姉妹が私達の前に来た。


「貴方達に話が有るのだけど、少し良いかしら?」

「どんな話でしょうか?」

「ねえ、この仕事が終わったら私達の専属にならない?」

「嬉しい話だと思います。」

「良かったわ。それなら……」

「ですが、お断りします。」

「何故かしら?」

「私達は、この国の者ではありません。帰る国や家が有るので、他国の専属をする訳にはいきませんので。」

「……そう。無理にとは言わないわ。考えてみて。」

「嬉しい話だとは思いますが、申し訳ございません。」


 三姉妹が去った後、私はため息を吐いた。


「ふう。何とか穏便に断れた、かな?」

「まあ、俺達は何を出されようが断るけどな。」

「はいですわ。」

「その通りよ。」

「ありがとう、皆。」

「一応、角が立たない様にパーティー単位で誘っている(てい)をしているが、魂胆が見え見えだな。」

「そうですわね。」

「そうよね。」

「まあ、どんな手を使ってくるか、分からないから皆、注意してね。」

「おう。」

「はいですわ。」

「分かったわ。」

 《分かったー。》


 この後は特に問題無く進み、目的地の街に到着した。

 そして、雇い主は商談に向かい、本来なら私達は自由時間なのだけど、三姉妹は散策したいと言い出し、追加報酬という形で散策する事になった。


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