千年前の故郷。
千年の時を超えて訪れたサラとアークの想いは?
「待っていたわ。」
「やっぱり、抜け駆けしていたか。」
「そうよね。来たのが、1人だけだから怪しいと思ったわ。」
「悪いわね。その代わりに盗賊共は生かして捕らえてあるから、全てを譲るわ。」
「はあ。契約書には書いて無いから、文句も言えんし、此方側には犠牲者も居ないし、それだけの盗賊共を冒険者ギルドに売れば、それなりの金になるしな。仕方無いか。後、身元が分かる物は有ったか?」
「はい。これで全部よ。」
「私達も納得したくないけど。まあ、犯罪者の護送であの依頼料を貰えるなら我慢するわ。」
私はマジックバッグから回収した中から、身元が分かる物をサードラに渡した。
「オレ達はさっさと戻るが、サラ達はどうするんだ?」
「私達は少し疲れたから、休憩してから帰るわ。」
「分かった。なら、オレ達は先に戻る。依頼料は、明後日以降で冒険者ギルドから貰ってくれ。オレの名前で通しておく。」
「分かったわ。」
私達はサードラ達を見えなくなるまで見送ったわ。
「サラ様。何故、一緒に帰らなかったのですか?」
「そうよ、サラ。」
「私はね。これ以上、此所を盗賊共に利用されたくないのよ。だから残ったのよ。」
「どうしますの?」
「リンとセレスにお願いが有るの。」
「サラ様、何をすればよろしいですの?」
「サラ、何をすれば良いの?」
「先ずはリンに廃墟と化した住居を燃やし尽くして欲しい。その後は、セレスにこの辺りの全ての燃やし尽くした住居を、北のあの辺りに流して欲しい。」
「はいですわ。」
「分かったわ。」
私の気持ちを察してくれたリンが繰り出した炎はとても綺麗で見事な「朱色」だった。
そして、セレスの水も光に反射してキラキラ輝いていた。
「サラ、この後はどうしますの?」
「こうするのよ。」
私は両手を地面に付け、意識を集中させる。
5分後
「はあああーーー!」
私が叫ぶと同時に、私の植物に干渉する魔法を放ち、千年前に私とアークが暮らした「世界」を森林に変えた。
「サラ様、凄いですわ。」
「サラ、凄いわ。」
《サラお姉ちゃん、凄いー。》
「そういえば、サラはあの頃は『豊穣の聖女』って呼ばれていたな。」
「そうなのですか、サラ様?」
「そうなの、サラ?」
「もう、昔の事よ。さあ! これで、此所は盗賊共に利用される事は無いわ。」
「素晴らしい魔法だな。マナ。いや、サラ。」
「誰だ!?」
いきなり、私達の前に現れた黒衣の男は、私の前世の名を告げた。
「心配するな。私はお前達と敵対する事は無い。つい、懐かしい魂の声に来ただけだ。」
「貴方は何者なの? それに私は貴方を見た事が有る様な気がするわ。」
「私は旅人で『シン』とでも呼んでくれ。そして、確かにマナの頃に1度会った事がある。」
「憶い出したわ。私が殺された後、ユースが迎えに来るのを待っていた時だわ。」
「そうだ。あのままでは、マナの魂が消失するから、輪廻の輪に戻る様に促した。」
「そうよ! あの時のシンの言葉で、ユースを待つのではなく、ユースを迎えに行く事を知ったのよ!」
「ちょっと待ってくださいですわ。」
「そうよ。ちょっと待って。」
「どうしたの、リン。セレス。」
「今、不自然な言葉が有ったのですわ。」
「そうよ。サラがマナの時に『殺された後に、ユースを待っていた』とはどういう意味なのよ?」
「それは、マナが殺された後、マナの魂はユースと良く遊んだ場所に縛られていた。このままだと、マナの魂が消失する為に、私はマナの自立を促し解放して輪廻の輪に戻したのだ。」
「そういう事ですの。」
「分かったわ。」
「それにしても、サラは私の妹の生まれ変わりである『ローレライ』に似ているな。」
「……ちょっと待って! シン。今、『誰』が『誰』に似ているって!?」
「サラが、私の妹の生まれ変わりである『ローレライ』に似ていると言った。」
「それは『大召喚師ローレライ』の事?」
「そうだ。私は嘗て、とある王国の王だった。妃は義理の妹だった『ユーファリア=レコン=シリエイシオン』。そして、私には弟が1人いた。平和な日々が続いたが、何時からか私と弟の間に争いが始まり、妹ユーファが犠牲になった。そして、ユーファの生まれ変わりがサラ達が知る大召喚師ローレライと呼ばれる様になった。」
「!?」
「サラよ。過去がどうあれ、今を大事にし、今を生きなさい。私はサラの幸せを願っているぞ。」
「ありがとう。その、あの……」
「何だ、サラ?」
「大召喚師ローレライ様の話を聞かせてください!」
「分かった。私の知るローレライを話そう。」
私は少しの間、大召喚師ローレライ様の話を聞いていた。
「私の知るローレライの話は終わった。」
「ありがとうございます。」
私がお礼を言った瞬間に、シンは私達の前から消えた。
私達は王都に戻る事にした。
夕方頃に戻った私達は、また同じ宿屋に泊まり、のんびり過ごした。
翌日
私達は朝食を済ませ、少しのんびりした後、冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドに到着した私達は中に入ると、騒ぎが起こっていた。
「本当に無かったのか!」
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