邪魔されたら、それが善意でも害悪。
心が分からずに押し売りする、善意と言う名の傲慢。
「一体、何の用かしら?」
「先ずは君達が無事で良かった。どんな無茶な依頼を受けたか心配していたぞ。」
「貴方には全く関係ない事だわ。」
「そんな事は無い。冒険者の仕事は命の危険が伴うモノが多い。だから、助け合わないと。」
「冒険者の基本として自己責任よ。そして、私は貴方達に助けを求めていないわ!」
「強がらなくても大丈夫だ。あの2人に無理矢理付き合わされていたのだろう? 君も怖くて助けを求める事が出来なかったのだろう? もう大丈夫だからね。」
「この馬鹿は自分に酔っているのか?」
「私達が悪い人扱いね。不愉快だわ。」
「低身長で悪かったですわね。」
向こうのメンバーも違和感が有ったみたいで……
「何か、何時もと反応が違わないか?」
「そうよね。何時もなら、此所であの2人が高圧的に何か言ってくるものだけど……」
「そうだよな。子供達も変化は無いしな。」
……と言っていた。
「どうしたんだ。君達はもう自由だ。我らが君達を守るから安心して欲しい。」
「だから、私は2人に何もされていないし、何よりもこのパーティーのリーダーは私よ!」
「分かっている。そう言う様に言われているのだろう?」
「もう、我慢出来ない! 練武場に行くわよ!」
「何か考えが有るんだね。」
練武場に行く前に私は職員にギルドマスターを呼ぶようにお願いした。
「それでどうするんだ?」
「ギルドマスターに来て貰うわ。」
「ギルドマスターが居れば、確かに都合が良いな。」
ギルドマスターが職員と一緒に来たようね。
「サラ、何が有った?」
「この男が自己陶酔と善意を勘違いして私達の邪魔をしてくるのよ。」
「何を言っているんだ。君達の事を心配しているからだ。」
「ご覧の通りよ。東の国ヒュペリオンでも、似た様な馬鹿が私達に絡んで来たわ。」
「そいつらはどうなったんだ?」
「全財産没収して、冒険者としての人生を潰してやったわ!」
「潰したのは、君の後ろに居る2人で、君達はそれに付き合わされていただけなんだろ?」
「ギルドマスター。潰した連中は私に対して最も言ってはいけない事を言ったわ。こいつらも、言い出し兼ねない。言ったら、私はこいつらを潰すわ。それが嫌なら説得するのね。」
「……分かった。」
……私達はある程度離れて経過を見守っていたけど、どうやら、ギルドマスターの説得という名の救命活動は失敗に終わったみたいね。
「すまない。説得が出来なかった。」
「それは、私達があいつらを潰しても良いと言う事よね?」
「いや。潰すのは勘弁して欲しい。」
「それなら、自然治癒で数ヶ月の怪我と、全所持金と武器や装備品の没収して換金で我慢してあげるわ。」
「……分かった。あいつらは良い奴等だが、今回はやり過ぎだ。冒険者は1人1人が考えて動くモノだし、基本が自己責任なのだからな。」
あいつらが私達に話し掛けて来た。
「ギルドマスターが言っていた事は本当か?」
「ギルドマスターがどんな事を言ったかは知らないけれど、私は自分の意思で冒険者に成ったし、その時には私の横にはアークが居たわ。信頼する相棒としてね。勿論、リンもセレスも私の信頼する仲間だわ。
……だから、『お前』の言っている事は我慢出来ない。だから、命を奪う以外は何でも『有り』の戦いをしましょう。
お前達が勝ったら私はお前の指示に従うわ。だけど、私達が勝ったら、全所持金と武器や装備品を全て没収して換金する。良いわね?」
「そんな無理な虚勢を張る必要は無いんだ。君達が一言『助けて』と言えば、済む問題なんだ。」
「もう。お前は喋るな! 他の3人はどうなの?」
「まあ、リーダーのお節介は今に始まった訳じゃあないからな。」
「そうだな。」
「私達が選んだリーダーだしね。」
「本当に良いのね? これが最期の警告よ。」
「オレはリーダーを信じる。」
「同じく。」
「答えは変わらないわ。」
「……分かったわ。それでは、チーム戦の戦いを始めるわ。ギルドマスター。一応、開始の合図を。」
「分かった。準備は良いな。……始め!」
「さあ、君達を解放してあげるよ。」
「何度も言わせないで。私はそんな事を望んでいないわ!」
アークもリンもセレスも分かってくれていて、他の3人を相手にしてくれていた。
そして、数分後には参戦出来ない程度のダメージを負わせていた。
「皆!?」
「すまねえ。」
「すまない。」
「負けちゃたわ。」
「後はお前だけだわ。」
「君達を助ける為にも、負ける訳にはいかない! そして、君達をご両親の所に送り届けてみせる!」
「此所にも居たのか、『馬鹿』が!」
「……予定変更。潰す。」
私は全力の雷乃矢をあいつの身体に13本を撃ち込む。
ダメージを受けて追加効果で痺れている所を両肘と両膝の関節を砕き、顎の骨を割り、あばら骨を数本折る。
そして、あいつの左手薬指を切り落して踏み潰す。
相手を理解出来ない奴が愛を語るな!
「ぎっ!? ぎぁ! がっ! ぐぅ! ぎゃあ!」
「ギルドマスター!」
「勝負有り。勝者サラ!」
後は何時もと変わらない作業で換金していった。
そんな中、アークとギルドマスターが何か話していた。
「アーク。サラに何が有ったか知っているか?」
「絶対秘密厳守。サラにもバレないと誓うか?」
「誓う。」
「もし、誓いを破れば、お前の大切な者を殺す。それでもか?」
「ああ、誓う。サラのあの変わり様は異常だからな。」
「……俺を召喚出来てやっと召喚士として一人前に成れて、負担を掛けた両親に恩返しが出来ると幸せな1日を過ごした次の日には、毒殺されて冷たくなった両親を見るという地獄に変わった。犯人の犯行理由が『裏切られた』という自分勝手な言い分とつまらない虚栄心からだ。」
「なっ!?」
「誓いを破るなよ。」
「……ああ。」
……私はアークとギルドマスターの会話を知らない。
その頃、とある国のとある建物の中では……
「次の命令は非常に重要だ。」
「はい。」
「成功すれば、望み得る限りの欲望を叶えてやろう。……だが、失敗すれば、……分かる、な。」
「はっ! 必ずや成功を収めてみせましょう!」
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