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2つ名は「鬼姫」

あの時かぁ~!?

「お帰りなさいませ。サラ様、アーク様、リン様、セレス様にアデラ。」

「此方からの報告は明日しますと伝えといてね。」

「畏まりました。……その大きな卵は?」

「多分、魔獣の卵よ。向こうの人に押し付けられたわ。」

「……そうですか。」

「後はよろしく。」


 私達は、その日はのんびりして、翌日の朝には馬車が来ていた。

 私達は御者にお願いして朝食を食べ終わるまで、紅茶を飲みながら待って貰った。



 こうして、王宮の何時もの応接室でレインザードでの報告会を始めた。

 今回も、リンとセレスには前回同様に別室にて待機して貰っている。

 そして、アデラはモフに飢えた獣3匹の相手をして貰っている。

 お勤め御苦労様です。

 美味しいお肉の為だから頑張ってね。


 キャイ~ン! キャイ~ン!! キャイ~ン!!!


 ひと通りの報告と今後の予定を話し合い、それが終わった後はセリア達と昼食を頂き、その後はクリス達の所に行って武器や装備品の補修をお願いすると直ぐに終わったわ。


 とりあえず、冒険者ギルドに顔を出す事にしたんだけど……

 ギルド内の雰囲気が何時もと何か違っていたわ。


「ねえ、何かギルド内の雰囲気が何時もと違うけどどうしたの?」

「サラさん達、久しぶりですね。何でも、北西にある都市レザニールで怖い女冒険者が現れたそうよ。それで、その話が此所まで来たと言う訳ね。」

「なあ、それってアレだよな。」

「多分、……ですわ。」

「そうよねぇ。」

「何、こそこそ話しているのよ。」

「まあ、サラ。頑張れ。」

「サラ様には私達が居ますわ。」

「私達はサラの味方よ。」

「それ、どういう意味よ?」


 私がアーク達を見る為に後ろを振り向いた時、場の重い空気が弾けた。


「……あ、あれ、アレは『鬼姫』だー!」

「おい。マジかよ。」

「アレが本当に『鬼姫』なのか?」

「本当だ! オレはあの時に、あの場所に居たんだからな!」

「マジかよ……」

「あの時、あの場に居た全員が恐怖に染まって、壁に張り付いて死を覚悟していた!」

「信じられないぜ。」

「鬼姫がポーションでギリギリ治る傷を、泣き入るまで与えて、いたぶり続けたらしいぞ。」

「何でも、鬼姫に挨拶しなかった奴は、速攻でボゴられて、未だに治療空しく、生死の境を彷徨っているらしい。」

「オレの聞いた話じゃあ、鉱山送りの奴を買って、鬼姫に従わなかった冒険者に見せたらしいぜ。鉱山送りの奴をモンスターに襲わせて、『私に従わないとああなるのよ。』って言ってたらしいぜ。」

「……サラさん。今の話は本当ですか?」

「そんな訳、無いじゃない。」

「そうですよね。」

「ただ、私は、私のお尻を触った奴と、私の胸を見て『貧乳』と言った奴を少し親切(・・)注意(・・)しただけよ。」

「……そういう事ですか。まあ、経過は兎も角、サラさん。2つ名、おめでとうございます。」

「え、そんなの嬉しく無いわよ。どうにか出来ないの?」

「無理よ。1度広がるともう手遅れよ。」

「貴方達。私の事を『鬼姫』と呼ぶのは止めなさい。いいわね!」

「イエス・サー、マム!」

「そんなのは良いから、普通にしなさいよ!」

「イエ……」

「んん!」

「……分かった。」

「よろしい。ねえ、良い依頼、何か有る?」

「そうね。時間もあれだから、特に無いわね。」

「無いなら仕方無いわ。またお願いね。」

「ええ。またね。」

「皆、ギルドを出るわよ。」


 私達は冒険者ギルドを出て、散策する事にした。

 暫く、のんびりしていると、前方から私達に向かって近付いて来た。


「お願いします。助けてください!」

「どうかされましたか?」

「友達が怖い人達に絡まれて、私は抜け出せたから、誰かに助けて貰おうと思って……」

「とりあえず、そこに案内して。」

「はい!」


 ちょっと良い服を着ている少女に案内されて、到着した場所では、荒事が仕事な悪党と、何とか持ち堪えている少女達という光景だった。


「お嬢さんにぶつけられた腕の骨が折れたって言っているだろうが! だから、治療費を払えよ!」

「あれは、貴方達が自分から近付いて来たではありませんか!」

「そうだ! それに本当に骨が折れたのなら、どうして、そんな風に居られるのですか?」


 何ていうか、見事なありふれた脅迫ね。

 さて、どういう風に処理しようかしら?


「こう見えてもオレ達はメトリアヌ公爵様に仕えているんだぜ。」

「そうそう。オレ達に何か有れば、メトリアヌ公爵様に報告しないといけないんだがなぁ。」

「うっ!」


 チンピラさん、ありがとう。

 その言葉で、私達は貴方達を処理出来るわ!


「待ちなさい!」

「なんだぁ。関係ねぇ奴は引っ込んでいろ!」

「そういう訳にはいかないわよ。『メトリアヌ公爵』様の御名前を出した以上はね。」

「そ、そうだぜ。オレ達に何か有れば、メトリアヌ公爵様に連絡が行く事になるんだぞ。」

「アーク。悪いけどお願いね。」

「おう。」

「なんだぁ、てめえ?」


 2分後、剥ぎ取りと回収を終わらせて、縄で身動き取れない様に縛っているアークがそこに居た。


「危ない所を助けて頂いてありがとうございます。」

「いいのよ。」

「でも、良いのですか?」

「何が?」

「本当にメトリアヌ公爵様に関係が有る人達だったら……」

「大丈夫よ。所で貴女達の身分とかは?」

「私達は、子爵や男爵の次女や三女です。」

「それなら、実際にメトリアヌ公爵様の御屋敷は知っているかしら?」

「はい。」

「それなら、そこに行ってきちんとしましょう。」



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