まだ何か有る?
頭が痛くなる報告会が始まる。
この場には、国王とエスリア王女殿下とカナマリア宰相が居る。
まあ、見られた部分は話すしかないかな。
「先ず、私の本当の召喚士としての従魔はアークです。」
「え!? どういう事ですかな?」
「カナマリア宰相様。私達の国の召喚士の従魔が人型の場合の常套手段なんです。パッと見では仲間の冒険者に見えますから。」
「なるほど。召喚士としての戦略の1つという訳ですね?」
「はい。」
「それでは、あのアデラと言うウルフ系は?」
「アデラは傷付いていたので、助けてお肉を上げたら懐かれました。」
「そうなの、サラさん?」
「はい。エスリア王女殿下。」
「マナラータ学園長達が言っていたダークエルフの事を知っているのなら、教えて欲しいのですが。」
「その前に質問させてください。」
「うむ。良いぞ。」
「いいわよ。」
「どうぞ。」
「では、ダークエルフをどう思いですか?」
「人族の敵だ。」
「私もそう思うわ。」
「私もです。」
「それでは話せません。」
「それは何故だ?」
「では、お伺いますが、何故、ダークエルフは邪神と呼ばれる側に就いたのですか? そもそも、邪神も最初はこの世界を治めていたのに、人族に対して謂わば敵対行為を何故したのですか?」
「それはだな……」
「え~と……」
「……確かに。」
「王族や政治に関わる人の前で言う事ではありませんが、人の歴史は当時の勝利者や王族が作る物です。何処かで歪められ、それが正史になった可能性もあります。」
「そうであるな。確かに数が激減しているとはいえ、儂の知る限りでダークエルフから何らかの集団的な攻撃を受けていないな。」
「そういえば……」
「……確かにそうですな。」
「それでは、『ダークエルフは敵だ!』を頭から離す事は出来ますか?」
「ああ。」
「分かりましたわ。」
「そうします。」
「それならば、お話しします。私達はある場所に閉じ込められていたダークエルフを助け出しました。恐らくは、マナラータ学園長が利用する為に捕らえていたのだと思います。序に小道具も回収しているので、後で提出します。」
「そういう事じゃったか。」
「そういう事だったのね。」
「そういう事ですか。」
その後は、私達はダークエルフの牢屋で回収した小道具を提出して、王宮の一室でのんびりしている。
ただ、アデラだけは王族の女性達の所に行って働いているわ。
私達はマナラータ元学園長からの情報待ちの状態なのよね。
アークは私の横で大人しくしている。
そして、アークは以前よりも人族っぽくなっているわ。
リンは私達付きのメイドさんから、色々と話を聞いているわ。
セレスは、用意して貰った刺繍道具で何か作っているわ。
3日後
やっとマナラータ元学園長は吐いたみたいで、出身地はソイルグランで、捕らえたダークエルフは、上位悪魔を召喚する為の代償に使うつもりだったみたいね。
次に黒幕の事を吐かせようとしたら、いきなり苦しみだし、そのまま死んだらしい。
マナラータ元学園長が吐いたソイルグランと言う国は西方面では支配下に置く領地等は小さいがかなりの強国で、この国としても迂闊には動けないらしいわ。
後、私とアデラが倒した小物はマナラータ元学園長の裏の部下で、それ以外の関係者を吐かせようとしたけど、居ない事しか分からないという結果になったわ。
私達は今、マナラータ元学園長の屋敷の地下室に来ている。
何故かというと、どうやら、宮廷魔術師も高ランク冒険者も開けれない部屋が地下室に有るみたいで、私達が呼び出された。
「此所がその部屋です。」
「何か、『鍵』とか、参考になる資料は有りませんか?」
「残念ながら見つかりませんでした。」
「そうなの。」
まあ、そんなモノが有れば、私達が呼ばれる事はないわよね。
そういえば、大召喚師ローレライ様の縁の地で手に入れた資料の中に、妄執に囚われた召喚士の名前が確か……
「シウカ=イードウ」
パキン!
私の前に有る扉から何かが壊れた音がしたわね?
あら、扉が開いたわ。
私はそのまま部屋に入ると、人の頭程も有る卵が存在していたわ。
でも、ほぼ全て割れていて中身が無かった。
たった1つだけが割れずに残っている。
これ、どうしようかしら?
まあ、この国の判断に任せましょう。
私達は扉が開いたという事で王宮に戻る事になった。
2日後
カナマリア宰相が作成した報告書が完成したという事で私達はアスティリアに帰る事になり、報告書は私の「倉庫」に仕舞い、別れの挨拶の時に最後に面倒くさいモノを押し付けられたわ。
「はい。これが私からの報酬よ。」
「……これはあの時の卵よね?」
「ええ。調べた所、魔獣の卵みたいよ。サラなら、大丈夫よ。」
「そういうのを『厄介事を他人に押し付ける。』と言わないかしら?」
「……そ、そんな事ある訳ないじゃない。純粋な私からの報酬よ。それに、アデラも1匹だと寂しいだろうしね。」
「はあ。分かったわ。」
「流石はサラだわ。じゃあ、またね。サラなら何時でも歓迎するわ。」
「ありがとう。この国に寄った時は必ず行くわ。またね。」
こうして、私達はレインザードを後にして、関所だけは通過して5日でアスティリアに到着したわ。
報告は明日にして、屋敷に帰る事にしたわ。
「ただいま。」
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