闘技場。
一悶着有った後での闘技場。
何か有るかも?
ダンスホールを後にした私達は、色々回った後、闘技場に案内された。
「此所は闘技場ですか?」
「はい。そうです。」
私達がある程度、中まで入ると先程の家が高位の貴族の娘達が出て来た。
「待っていたわ。よくも、私達に恥を掻かせてくれたわね。」
「そうよそうよ。平民のクセに!」
「自分の立場を弁えるべきよ!」
「平民は私達貴族に従っていれば良いのよ!」
「君達、止めなさい!」
「いいえ。此所で止めたら、私達だけでなく、この学園自体が馬鹿にされる事になります。」
「それで、何がしたいのかしら?」
「決闘よ! 私達4人と集団戦をやって貰うわ。」
「ルールは?」
「武器は自身が使っている物を使い、攻撃魔法は何でも使って良いわ。此所の模擬戦用の結界を使えば致命傷を負った者は場外に強制的に出されて、致命傷は無かった事にされるわ。片方のどちらかが4人共、場外に出れば終了よ。残った方が勝利者よ。
勿論、集団戦なのだから、誰が誰を狙うも自由で、相手1人を4人で攻めるのも自由よ。マナラータ学園長様、結界の使用許可をお願いします。」
「……分かりました。許可します。」
「ありがとうございます。許可は頂いたわ。結界をお願い。」
声を掛けた方を見ると、誰かが手を振って奥に消えた。
数分後、闘技場が何かに包まれた。
「結界が発動したわ。これで集団戦の準備は整ったわ。其方の準備はよろしいかしら?」
「ええ。何時でも良いわよ。」
「それなら、始めましょうか。マナラータ学園長様。」
「分かった。両者、正々堂々と戦うように。……始め!」
「皆さん。作戦通りに行きますわよ。」
「はい!」×貴族娘3人
う~ん。
向こうの中心人物が「恥を掻かせた。」と言っていたから、ラストは私よね。
そうなると、先に狙われるのは、リンとセレスかな?
まあ、どう転んでも私達が負けようが無いけどね。
でも、私自身が戦えると知らせない方が良いわよね。
場合に因っては此所は敵地だしね。
向こうに悪いけど、私は高みの見物ね。
「リンとセレス、お願いね。」
「はいですわ。」
「分かったわ。」
……当然、私達が勝利したわ。
幾ら、貴族だから。幾ら、小さい頃から学習したから。幾ら、学園で高度な授業を修めたからといって、結果は分かり切っていた事だわ。
此方は現役の冒険者で、中身は伝説的なモンスターで、しかも、セレスに至っては本物の戦争経験者よ。
私とアークを残して相手にも成らなかったわ。
「勝者サラさん達。」
「この決闘は無効よ!」
「それは何故かしら?」
「私達が負ける筈が無いわ!」
「そうよそうよ。何か仕掛けたのだわ!」
「あら。高位の貴族様が面白い事を言うのね。先ずは貴女達は『待っていたわ。』と言っていた事から、事前に戦略等の準備が出来ていた。それに、この闘技場は貴女達が普段から使っている場所で私達は初めて使う事になる。
更に、ルールも貴女達の言った内容に従い、ルール違反はしていないわ。ねえ、マナラータ学園長様?」
「そうです。サラさん達は貴女達の言ったルールに違反をしていません。貴族としての誇りが有るのなら、大人しく負けを認めるべきです。」
「しかし……」
「負けを認めなさい!」
「……私達の負けを認めるわ。」
「素晴らしい戦いだったわ。」
闘技場の結界が解かれた後、闘技場の奥から豪華では無いけど高いと判る服を着た若い女性とその直ぐ後ろに若い騎士2人が歩いて来た。
そして、ある程度の所まで来ると私達以外の全員が片膝を付いていた。
まるで臣下の礼の様に。
「マナラータ学園長。久しぶりですね。」
「この様な場に来て頂けるとは光栄の極みです。エスリア王女殿下。」
「初めまして。この国の第1王女エスリア=スミン=レインザードよ。王妃から聞いているわ。」
私達は慌てて片膝を付いて挨拶をした。
「初めまして。アスティリア国所属の冒険者サラと言います。後ろに居る3人が仲間のアーク、リン、セレス、そして、アデラです。」
「後で話したい事があるから、時間を頂けるかしら?」
「畏まりました。」
「良かったわ。それでどうして他国から来た冒険者達と戦う事になったのかしら?」
「……それは」
「発言をよろしいでしょうか?」
「サラさん。どうぞ。」
「ありがとうございます。彼女達は他国から来た私達を歓迎する為に用意していたと説明して頂けました。
見学だけでなく、実際にこの学園を知って欲しいという事でこの闘技場で模擬戦を用意していたと。」
「……そうなの、マナラータ学園長?」
「……はい。どうやら、私にも内緒で準備をしていた様で、内緒で準備をしていた事は後で注意する必要がありますが、他国から来た者達を歓迎しようとした気持ちは誉めて良いかと思います。」
「……そうね。そうであるなら、そうするべきね。」
その時、闘技場の出入口から1人の男性が入って来て、マナラータ学園長に耳打ちする。
「……そうか。準備が出来たか。」
「どうしました、マナラータ学園長?」
「ふははは! 遂にこの時が来た! しかも、この場に第1王女も居る。なんという僥倖だ!」
「マナラータ学園長、エスリア王女殿下に対して不敬であるぞ!」
「ふん! そんな事はもうどうでも良いわ! オレは最強の力を手に入れたのだからな! そして、オレがこの国を支配する!」
「どういう事だ、マナラータ学園長?」
「こういう事だ!」
マナラータ学園長は、懐から何か水晶球を取り出した。
「最強の力を見るが良い!!」
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サラが「アスティリア国所属」と言っていますが、これは単純に何処で冒険者になったか、ホームは何処の国かを提示したもので、別に所属する国が上司や命令権を持っているという意味ではありません。




