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私と踊って頂けませんか?

実はストーリー上の重要な1話です。

 私達はレインザード王立学園に到着した。


「此所がレインザード王立学園ですね。私達の国とはまた別の歴史と伝統を感じるわ。」

「それはどうも。この王立学園を預かる者として光栄な事だ。それではこのまま玄関に立ったままでいる訳にはいかないから、中を案内しよう。」

「はい。お願いします。」

「サラ、ちょっと良いか?」

「マナラータ学園長、少しよろしいでしょうか?」

「ええ。どうぞ。」


 私達は少し離れた。


「何、アーク?」

「この学園はどうも怪しい。」

「サラ様。私もですわ。」

「サラ、私もよ。」

 《同じくー。》

「そう。それなら、注意する必要が有るわね。状況にも因るけど直ぐに教えてね。話せない様なら、アデラの念話は私達にしか聞こえない筈だから、アデラに伝えるという方法も有るわ。」

「分かった。」

「はいですわ。」

「分かったわ。」

 《分かったー。》


 私達はマナラータ学園長の所に戻った。


「お話し合いは終わりましたかな?」

「はい。待って頂いてありがとうございます。」

「それでは改めて、学園を案内しよう。」


 私達は学園長の案内で色々と回っていると、ダンスホールに着く。

 授業の一環なのでしょうけど、高そうなドレスを着ているわね。

 私の視線に気が付いたのか、生徒の1人が私達に近付いて来て、それに合わせて数人の生徒も近付いて来る。


「学園長、今日はどうされましたか? それに此方の方々は?」

「ああ。ちょっとした付き合いの一環だよ。」

「そうですか。それではその『付き合いの一環』で一曲踊ってみたら如何かしら? そうですね。曲も千年続く伝統ある曲ならば難しく無いと思うわ。」


 何が気に入らないか分からないけど、嫌がらせよね。

 明らかに貴族とは思えない服装をしている者にいきなり踊れと言い出すし。

 しかも、千年前に流行した曲、つまり古臭い曲を踊らせる事で、「時代遅れの私達」と「最新の曲を練習している生徒達」という構図を作って、優越感に浸りたいのかしら?

 程度の低い貴族達ね。


「無理を言うものでは無い。」

「いえ。大丈夫です。踊れるわ。ただ、ダンス用の衣装が有るのですが何処かで着替えをしたいのだけど……」

「なら、誰か。」

「私が案内します。此方です。」

「クスクス。貴族でも無い者が踊れる訳ないわ。」

「そもそも、ダンスに耐えれるドレスを持っているのかしら?」


 ……聞こえているわよ。

 控え室の様な個室で、私はクリスが用意していたあのドレスを着る。

 案内してくれた女生徒が髪を結ってくれている。


「すみません。無理強いをさせてしまって。あの人達は爵位の高い家の所為か、あの様な言動を取ってしまうのです。本当は無理なら私からも言いましょうか?」

「気遣ってくれてありがとう。大丈夫よ。」

「そうですか。……はい。終わりました。綺麗なドレスですね。」

「ありがとう。さて、綺麗に結ってくれたし、あの人達をびっくりさせましょうか。」



 私達が控え室から出て来ると早速ブチブチ言われたわ。


「やっと出て来たわ。」

「クスクス。大したドレスを……!?」

「何で、平民があんなドレスを持っているのよ!」

「納得いかないわ!」

「はいはい。それでは踊って貰うけど、パートナーは誰がやるのかしら?」

「俺がやる。」

「……アーク。」

「サラ、綺麗だな。」

「もう。アークは踊れるの?」

「何故かサラとなら踊れる気がする。」

「……まあ、良いわ。」

「サラ。俺と踊ってくれませんか?」

「ええ。喜んで。」


 アークは何処で覚えたのか、貴族がする様な挨拶をしてくる。

 妙に(さま)になっている。

 そんな私も習っているかの様にアークの差し出した手を取る。

 流れ始めた曲は千年前の曲なのに私の耳には馴染んでいる。

 まるで、ずっとパートナーだったかの様に私とアークは、やった事が無い筈の貴族のダンスを、私とアークはお互いの目を見ながら、大切な時間と言わんばかりに周りの雑音を無視して踊る。


「うそ!?」

「型は古いけど、何て綺麗なダンスなの。」

「これ程のダンス。上位の貴族でも居ないわよ。」

「平民のクセに!」


 曲が終わり、私もアークもダンスを止め、習っていない筈の挨拶のポーズを決める。

 その瞬間、拍手の音でダンスホールは溢れた。


「素晴らしいダンスでした。誰かに師事されましたか?」

「いいえ。私達は誰にも師事していません。」

「謙遜が過ぎますよ。あれ程のダンスは我流では無理です。」

「兎に角、私達はこの学園に通う事は無いので、これ以上の問答は無意味です。それでは着替えて来ますね。」

「私も手伝います。」

「ありがとう。」

「生意気よ、平民のクセに。」

「どうしてくれようかしら?」

「よくも私に恥をかかせてくれたわね。」



 私達は先程の控え室で着替えている。


「凄く綺麗なダンスでした。」

「ありがとう。」

「あんなに綺麗なダンスを踊れるのに、何故、かなり古い型で踊ったのですか?」

「私にも分からないわ。何故、踊れたのか。案外、誰かが私達に乗り移っていたのかもね。」

「もう、冗談が過ぎますよ。それでも、あのダンスはお互いを想いあっている様な素晴らしいダンスでした。」

「……ありがとう。着替え終わったわ。手伝いを買って出てくれて助かったわ。ありがとう。」

「いえ。私は大した事はしていませんよ。」

「さあ、控え室を出ましょう。」

「はい。」


 私は挨拶を済ませ、ダンスホールを後にしたわ。


暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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