ギルドマスターの用件とは?
ギルドマスターは嫌われ易い。
「ギルドマスターがお会いしたいそうです。」
「ええ~。」
「私、初めてギルドマスターに会う人が露骨に嫌そうな顔をするのを見ました。」
「当然、用件は会ってからよね。」
「……はい。」
「仕方無いわね。……会うわ。」
「ありがとうございます。では此方です。」
受付嬢さんの案内で2階の応接室に通された。
少し待っていると、山賊の親分みたいな強面のオッサンと受付嬢さんが入ってきた。
「待たせたな。オレがここのギルドマスターだ。」
「初めまして。サラです。それで用件は何?」
「大した事じゃない。ランクアップする気は?」
「無いわ。」
「今回受けた依頼の討伐方法は?」
「秘密。」
「今回受けた依頼の掛かった時間が余りにも早かったからな。一応聞いてみただけだ。」
「それで本当の用件は何?」
「分かるか?」
「当然よ。幾らこんな山賊の親分をやっている方が似合っている様なオッサンでも、ギルドマスターには変わり無いわ。態態、今回の件は呼び出す程の事ではないもの。」
「……山賊……」
「はいはい。先に進めましょう。」
「……はあ。本当の用件だが、その……、なんだ、盗賊の討伐をして欲しい。」
「盗賊ですか?」
「ああ、そうだ。この都市の北東方面に有る森で目撃したという報告が入った。残念ながら、今、この都市を本拠地にしている冒険者で、今回の件に対応出来る者が居ない。」
「分かったわ。その件を引き受けるわ。明日からでも良いわね。」
「ああ。構わない。」
こうして、明日行く予定だった森に仕事を持ち込む事になったわ。
下に降りて受付嬢さんに今回の依頼の手続きを取って、散策する気になれず、宿屋に帰ってのんびりした。
「さて、明日行く予定だった大召喚師ローレライ様の縁の地に、運が悪いのか都合が良かったのかは分からないけど、盗賊が出現したわ。先に縁の地の方を終わらしてからサクッと盗賊を狩るわよ。」
「おう。」
「はいですわ。」
「分かったわ。」
《分かったー。》
翌日
私達は、北東の森に目的地を探した。
数時間後にそれらしき場所を見つけたけど、盗賊の根城になっていた。
「よくもローレライ様の縁の地を~。殺すなんて慈悲は与えない。生かして捕らえて鉱山送りにして生涯を強制労働で生き地獄を味合わせてやるわ。」
私は派手なだけの殺傷能力の無い魔法を連発して盗賊を根城から誘い出した。
「何だ!?」
「今の音は!?」
「敵襲か!?」
ふむ。20人くらい出て来たわね。
「皆、行くわよ!」
「おう!」
「はいですわ!」
「分かったわ!」
《分かったー!》
この後、一方的な蹂躙の嵐に晒された盗賊は全員が縄で縛られる事になった。
そして、私が土魔法で掘った穴に盗賊全員を縄で縛ったまま落として、その上で壁を作ってモンスターに襲われない様にしてから、ローレライ様の縁の地の古びた家屋の探索を開始したわ。
中は盗賊共に因って荒らされていたわ。
そんな中で地下に壊れていないけど、キズだらけの扉が有った。
鍵穴も無いその扉を調べているとキズだらけで読み難いけど、「足元の花を大事に。」と読めれた。
不意に小さい頃に聞いた召喚士になる為に、最初の方で聞く言葉を思い出した。
意味は古代語で「私を忘れないで」だったかな。
「シ=オン」
私がその言葉を発した途端、そのキズだらけの扉が開いた。
「サラ、開いたな。」
「サラ様、開きましたわ。」
「サラ、凄いじゃない。」
《サラお姉ちゃん、やったー。》
「良し。入るわよ。」
入ってみると、書庫でした。
そして、机の上には一冊の本が。
私はその一冊の本を時間も忘れて一気に読んでいたわ。
アーク達も各々で適当に調べていた様で、此所に有る本は全て召喚に関わる物だろうと。
それと全ての本には「保存」の魔法付与が施されていたわ。
まあ、召喚士の書庫だしね。
私は此所に有る全ての本を「倉庫」に仕舞い、他に無いかを丹念に調べて何も無いと確信した後は、外に出て、ある意味で残念な事に無事だった盗賊共をアークが引き摺り出して、帰った。
勿論、盗賊共が溜め込んでいたお宝は全て没取したわ。
都市に着いて冒険者ギルドに到着した私達は盗賊討伐の報酬と盗賊の買い取りで金貨10枚になったわ。
私達は宿屋に帰り、明日の予定を話した。
「明日には、この都市を出て国境の関所に向かうわよ。」
「おう。」
「はいですわ。」
「分かったわ。」
《分かったー。》
「それで、関所を越えたら、適当な所で森に入って、アデラに乗って移動するから。」
「え!?」×アーク、リン、セレス
「隣りの国も被害者よ。だから、自分達で調査する筈だし、あの対抗戦で若干仲が悪くなったから、まともに協力してくれるか分からないのよね。もしかしたら、私達の国が主導でやった狂言だと思っているかもしれないから。」
「そうだな。」
「それで、アデラですの?」
「リンとセレスには悪いけど、移動中は中で休んでいて欲しいの。」
「分かりましたわ。」
「分かったわ。」
「ありがとう、リン。セレス。」
「アデラはその時が来たら、思いっきり走れるわよ。」
《やったー。》
こうして、この後はのんびり過ごして就寝した。
翌日
私達は国境行きの乗り合い馬車に乗って移動した。
途中で幾つかの村に立ち寄りながら、5日後に国境の関所に到着した。
「国境を越える者は此方に並べ。犯罪の有無と荷物検査。1人銀貨4枚だ。」
「次はお前達か。Cランク冒険者か。その若さで凄いな。……犯罪の有無は無しと。荷物も問題無いな。銀貨16枚だ。……通っても良いぞ。ようこそ、ペルリアンへ。」
無事、関所を越えた私達は、適当な所で森に入って、アデラに乗って移動を開始した。
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