自己紹介。からの……
定番ですよね。
「あら、どういう意味かしら?」
「決まっている。此所は本校舎の貴族用の教室だからだ。」
「そうね。誤解や邪魔が有ると困るから、改めて自己紹介をするわ。私はCランク冒険者で、この国の国王陛下に認められ、ディエゴ宰相様に此方の第2王女エルセリア殿下の護衛を依頼された者よ。」
「なら、冒険者風情が何故、制服を来ている?」
「授業等で生徒の足を引っ張る様な事態に成らない為に、貴方達と同じ試験を受けて合格したからよ。」
「そ、それでも認めねえ!」
「それを貴方に認められる必要は無いわ。何よりも、貴方は国王陛下が認め決めた事に意見するのかしら?」
「え、いや、そんな事を言ってねえよ。」
「ああ。後、言っておくけど、私に対して暴言や嫌がらせをするという事は、護衛対象のエルセリア王女殿下に対してすると同義だから気を付けてね。」
「チッ。なら、護衛っていうくらいなら当然強いよな。」
「ええ。勿論よ。」
「それなら、オレと模擬戦をしろ! オレに勝ったら認めてやるよ!」
「貴方、いいか……」
「セリア、大丈夫よ。」
「サラ……」
「その申し出、受けるわ!」
そんな訳で、あっさりと訓練場の使用許可が降りて、クラスメイト全員が行こうとしたので止めた。
護衛として冒険者として、模擬戦の内容を不必要にその他に見せる気は無いと言って。行くのは、タバレス先生と私に噛み付いた生徒とセリアだけになった。
勿論、頑張って空気になっているアークも一緒よ。
「おい! その男はいいのかよ?」
「それこそ、貴方に言われる筋合いは無いわ。それは、護衛という仕事に対しての契約上の話なのだから。」
「チッ。」
先程言った事を忘れているのか、移動中に文句言われながら訓練場に到着した。
到着した私と……名前は……まあ、狂犬で良いか。
狂犬は置いてある訓練や模擬戦に使う武器置き場から武器を選んで対峙した。
「化けの皮を剥がしてやるぜ、おらぁ!」
「待ちなさい。」
「何でだよ。」
「これは喧嘩ではなく、模擬戦だ。きちんと作法に乗っ取りなさい。」
「チッ。分かったよ。オレの名は『ウリセス=ウホア=フリップス』だ!」
「私の名は『サラディアナ=レイアース』よ。」
「模擬戦を始める。開始!」
「おらぁ! どうしたぁ! どんどん行くぜ!」
少し離れた所で、審判をしながら観戦中のタバレス先生とのんびり見ているセリアと一応、タバレス先生を警戒しているアークはこんな会話をしていた。
「エルセリア王女殿下。レイアース君は本当にCランク冒険者ですか?」
「ええ。そうですわ。」
「何か文句が有るのか?」
「いえ。そういう訳では無いがなんという事だ。それにウリセスも酷いモノだな。」
「……ああ。そうだな。」
「……ええ。そうですわね。」
「ウリセスは、ただ武器を振り回しているだけだ。
完全にレイアース君に遊ばれている上に、より痛みを強く感じる所を執拗に小突いている。」
「相手になっていないな。」
「そうですわね、アーク。」
……と、外野が話している間に模擬戦では……
「はっ、岩石弾!」
「ぐ、ぎゃあああーーー!」
「まだ、やるの?」
「ひ、卑怯だぞ!」
「何故かしら?」
「模擬戦に攻撃魔法使うなんて!」
「何を言っているのよ。これは騎士同士の御前試合でもなければ、トーナメント戦の試合でも無いのよ。この模擬戦は、私の護衛としての強さを見せる為のモノで、貴方の自尊心を満足にさせる為のモノじゃないわ。
そして、Cランク冒険者をなめんな!」
「模擬戦を終り……」
「待って!」
「どうした、レイアース君?」
「エルセリア王女殿下。この者は先程の私の警告を無視して、散々、移動中にも文句を言って来ました。どうされますか?」
「そうね。回復魔法を交えて軽く揉んでくださる?」
「分かりました。エルセリア王女殿下。」
「どういう事ですか、エルセリア王女殿下。」
「あの愚か者は、サラから警告を受けていたにも関わらず、暴言を吐き続けた。それは私に直接言っていないだけで、私に言っている事と同じよ。
そう、この国の第2王女にね。」
「浅慮な質問でした。エルセリア王女殿下。」
セリアの許可を貰った私は目の前の馬鹿を魔法も交えて散々、骨折込みで痛め付けて回復魔法を掛けるを繰り返した。
「もう良いわよ、サラ。」
「分かったわ。」
私は回復魔法を掛けた後に愚か者の耳元で囁く。
「いいこと。お前が権力が有って偉い訳じゃないの。権力が有って偉いのはお前の父親で、お前はその父親のお陰で貴族として生きているだけなのよ。そこの所を勘違いしない様にね。只のクラスメイトなだけのウリセス君。」
「は、はい……」
「これでサラが護衛としての強さが分かって貰えたかしら?」
「は、はい!」
「後、サラの迷惑になるから、今日の模擬戦の内容は言いふらさない様にお願いよ。分かっているわね。」
「勿論です。エルセリア王女殿下!」
「タバレス先生。彼の制服が模擬戦で傷んでいる様なので、お手数ですが、新しいのを出して上げてください。代金は王族へ。」
「分かりました、エルセリア王女殿下。」
「それでは、サラの護衛を認めて貰えた様なので失礼しますわ。」
こうして、私達は訓練場を後にして、リン達と合流して帰った訳だけど、馬車の中では……
「セリア。」
「何、サラ?」
「一応、セリアの立場を考えた上での言動だけど、セリアは正直、違うよね?」
「何故かしら?」
「正直に言わないともふもふの時間が……」
「私の、もふもふ時間が減らされた事に苛ついて言いました!」
「やっぱり。」
馬車の中でセリアの欲望を突っつきながら、私達は王城へと帰った。
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