大国になら有るよね~。
サラの前に広げた物とは?
「……これは、周辺の地図!?」
「ええ。そうです。」
「まさか、地図を見せて貰えるとは思ってもいなかったわ。せいぜい、地名を伝えて、それに近い都市や街等を教えて頂けると思っていたのに……」
国にとって、周辺の地図というのは国家機密と言っても言い過ぎにならない物よ。
まさか、そんな重要な物を使うとは思ってもいなかったわ。
だから……
「これはどういう事ですか?」
「はて。サラ殿の要望に応えただけですが。」
「宰相という職に就く者が、高が王女や自身の娘を助けた程度で出して良いモノじゃないわ! 何を企んでいるの?」
「……サラ殿には参りました。とぼけても時間が無駄に過ぎるだけみたいなので、お話します。」
「やっぱり。私達に何をさせるつもりよ?」
「実は……」
話を纏めると、
2週間後にセリア王女が、この国に有る「王立学園」という所に通う事になっているのだけど、護衛がまだ決まっていないらしい。
そこに、セリア王女と同じ年でCランク冒険者の私を正式な護衛が決まるまでの繋ぎにしたいみたい。
しかし、それでは幾ら護衛料を弾んでも私には旨みが無い為に周辺の地図を見せるという大盤振る舞いを敢行したらしい。
因みに、この護衛を受ける場合は、私はセリア王女の通う学園に生徒として通う事になって、最も近い位置での護衛だとか。
そして、アーク達は形式上はセリア王女の護衛で私に命令権を持っているという形にするみたい。
後、リンとセレスは授業中は教室の外に出ての護衛になるとか。
それと、急に生徒を増やして問題ないかというと、この学園は「王立」だから問題無いらしい。
最も、入学扱いの為に座学の試験は受けて欲しいと言われたわ。
……と言われたので、周辺の地図見放題を条件にセリア王女の護衛を引き受ける事にしたわ。
勿論、依頼料(現金)もきちんと支払って貰う。
依頼の期間は最短で3ヶ月で、最長で1年間。
長い人生の中で1年くらいのんびりするのも良いかな。
ただ、流石に周辺の地図を使って悪用しないという事と他言無用を誓約書に書く羽目になったけど。
……この後、宰相の愚痴が始まった。
内容は、今回のセリア王女の護衛が切っ掛けで、色々と思惑が絡み合って大変だったらしい。
王妃様達のもふもふの禁断症状は思っていた以上に重く、今回の護衛で強行に通して来た為に、他の調整で結果として護衛の最有力候補が落ちたりと、もし、私が護衛を受けなければ五徹は確定だったとか。
それ以外にも色々と愚痴を溢したわ。
最後に私が護衛を受けた事で、王妃様とセリア王女の中間辺りの部屋が護衛を受けている間の私達の一時的な住居になったわ。
王宮で暮らす事での問題点として、未婚のセリア王女を含む女性の近くに国王や王子以外の男性が居る問題も、アークは私の従魔という事で大丈夫みたい。
最も、アークが私の従魔である事は重要関係者以外には話していないらしい。
そこら辺の意見は表と裏の両方使って黙らしたらしいわ。
後、この位置なのは、本人達は隠しているつもりらしいけど、もふもふが目当てなのは周知の事実らしい。
そんな訳で最長1年間の暮らしに必要なアレコレを済ませて、今日は王立学園の一室で、「歴史」、「算数」、「国語」、「魔法基礎」の試験を受けている。
正直な所、自信は有るわ。
召喚の儀式を少しでも成功に繋げる為に必死に勉強したのよ。
「それまで。」
「終わったわ。」
「ご苦労様です。試験結果はディエゴ宰相に渡す事になっていますので、試験結果はそちらで確認してください。」
「分かったわ。」
学園の本校舎の正面玄関口でアーク達が待っていた。
「サラ、お疲れ。」
「サラ様、お疲れ様ですわ。」
「サラ、お疲れ様。」
《サラお姉ちゃん、待ちくたびれたー。》
「久しぶりに肩が凝ったわ。気分転換に何か食べる?」
「おう!」
「はいですわ。」
「賛成よ。」
《お肉ー!》
こうして、サラ達がお肉を美味しく頂いている時に王立学園の学園長室ではこんな事が!
「何だ、これは!?」
「はい。全教科満点です。」
「待て。満点という事は、各教科の最後の問題もか?」
「はい。最後の問題は敢えて満点を取れない様にする為に用意したモノです。」
「ディエゴ宰相様の指示で試験を行ったが、なんという逸材だ。直ぐに、ディエゴ宰相様に試験結果をお知らせしてこい。」
「はい!」
サラ達が美味しいお肉を食べて満たされた気分で王宮に向かっている頃、王宮の宰相専用の執務室では……
「……もう1度言ってくれませんか?」
「はい。サラ様の試験結果は全教科満点です。」
「分かりました。それでは予定通りにサラ殿はエルセリア王女殿下と同じ教室の席は隣同士になるように。」
「はい、畏まりました。しかし、素晴らしい逸材です。是非、このまま生徒として通って頂きたいです。」
「それはサラ殿の仕事を優先した上で、期間が済んだ後にサラ殿に聞いてください。サラ殿がそれで承知したのなら、此方も文句を言うつもりは有りませんから。」
「重重承知しております。それでは失礼します。」
訪問者が居なくなった後の執務室では……
「まさか、全教科満点を取るとは思ってもいませんでした。
良くて平均よりやや上ぐらいだろうと思っていましたが、それならば……」
ちょうど王城に到着したサラ達は……
「きゃああああーーー!?」
「サラ、どうした!?」
「サラ様!?」
「サラ!?」
《サラお姉ちゃん!?》
「大丈夫よ。何か今、凄い寒気がしたの。」
「サラ、大丈夫か?」
「大丈夫よ。……今の寒気は何だったのかしら?」
「とりあえず、部屋に戻ろう。」
「そうね。」
こうして、意味不明の寒気に襲われたサラだが、その後は何も無かった為、いつしか忘れ、サラ達は王立学園の入学式を迎えた。
王立学園の入学式前日のとある場所のとある建物の中では……
「駒の準備は出来ているな?」
「はい。駒は充分に送り込む事が出来ました。」
「それならば、計画は予定通りに行う。各自、計画実行日まで気取られない様にしろ!」
「はっ!」
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