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ワイバーンの哀歌。

ワイバーンに生き残る術は有るのか!

 私達は山間の谷の手前に到着した。


「それでどうするつもりだ?」

「誰も居なかったら、先ず、セレスにワイバーン全てを呑み込む水溜まりを作って、そこにアークの軽く雷撃で痺れさせたら、水溜まりを解除して、私の回復魔法で治癒して、綺麗な身体になったワイバーンを水属性魔法で溺死よ。これで追加報酬たんまりの報酬が手に入るわ。」

「……サラ。」

「なんという酷い作戦ですわ。」

「同じ竜種として同情するわ。」

「これが終わって帰ったら好きなモノをお腹一杯食べていいわよ。」

「まあ、これも仕事だしな。」

「美味しい御飯の為なら、仕方無いですわ。」

「人里に近い所に居るワイバーンが悪いわよね。」


 3人の見事な掌返しよね。


 ワイバーン討伐に来た他の冒険者、及び、偶然居合わせた人が居ない事を確認した私達は、行動を開始した。


大水球弾(グランアクアボール)!」

「ギャっ!?」

落雷(ライトニングフォール)!」

「φψιηπαγιθδΞδ!!」

「良し! 動かなくなったわ。セレス、魔法を解いて。」

「次は身体を綺麗にしましょうねぇ。セレスは、綺麗になったヤツから順次、溺死をお願いね。治癒光(ヒール)!」



「やあ~、流石に30匹はキツいわね。」

「サラ。周りのモンスターも狩って来たぞ。」


 見張りはリン1人で大丈夫な為、私のマジックバッグを貸して、周辺のモンスター狩りをして貰っていた。


「ありがとう、アーク。それじゃあ、ワイバーンをマジックバッグに入れましょう。」


 アークが狩ってきたモンスターの内容を聞いて全部入りそうなので、入れてみたら全部入ったわ。


「ちょっと早いけど昼食にするわよ。」


 私達は「倉庫」から調味料とかを出して準備をして、調理に入る。


「良し! 出来たわ。さあ、食べましょう。」

「なあ、サラ。」

「何、アーク。」

「今回のワイバーンの討伐方法って……」

「そっ、流れの冒険者よ。」

「その流れの冒険者って何者だ?」

「さあ、私にも分からないわ。でも、色々と教えてくれたし、何よりも私に優しかったの。」

「……そうか。」

「本当に何者なんでしょうか?」

「そうね。」

「……サラ!?」

「え!?」

「グルルルルル!」

森灰狼(フォレストグレイウルフ)だ!」

「ちっ!」

「待って、アーク!」

「怪我をしているわ。」

「それがどうした?」

「あの位置、あのタイミングなら、充分に私に不意打ち出来たわ。例え、今の怪我の状態でも!」

「しかしだな……」

「とりあえず、皆は何時でも私を守れる様にして。」

「分かった。」

「分かりましたわ。」

「分かったわ。」

「配置に着いたぞ、サラ。」

「じゃあ、いくわね。治癒光(ヒール)!」

「なっ!?」

「良し、怪我が治ったわ。」

「馬鹿、サラ!」

「そんな事をしたら、サラ様を襲って……」

「あら、サラを襲って来ない所か、臥せているわ?」

「とりあえず、オークのステーキよ、食べる?」

「グル……」

「あら、食べたわね。」

「モンスターが人が作ったモノを食べているわ!」

「食べ終わったみたいね。あら、裾を引っ張って来て欲しいの?」

「そうみたいですわ。」

「うん。なら、片付けて行くわよ。」


 私達は昼食のご飯を片付けて、森灰狼(フォレストグレイウルフ)付いて行った。



 かなり、森の奥に進んでいるのにモンスターに遭遇する事もなく、むしろ、若干だけど神聖な感じがしてきたわ。


 私達は更に進むと、天の光が届く拓けた場所に出て、森灰狼(フォレストグレイウルフ)は、その先の出入口がかなり大きな洞窟に入って行った。


「一応、何時でも戦える様にね。」

「おう!」

「はいですわ!」

「分かったわ!」


 警戒しながら、洞窟内を進むと、そこには、怪我をして動けないでいる体毛が灰色では無く、銀色の体毛の森灰狼(フォレストグレイウルフ)が居た。


森灰狼(フォレストグレイウルフ)の亜種かしら?」

「私はこんな亜種を聞いた事が無いわ。」

「私もですわ。」

「サラ、治すのだろ?」

「勿論よ。例えモンスターでも、怪我を負っている者に止めを刺すつもりは無いわ! 但し、ゴブリンとオークは例外とするわ。」

「当然ですわ。」

「当然よね。」

「お前ら……」

「それじゃあ、治すわね。良いわよね?」

「グル。」


 こっちの言葉が分かるかの様に森灰狼(フォレストグレイウルフ)は首を縦に振った。


「は~い。警戒しないで良いからね~。治癒光(ヒール)!」

「サラ、どうだ?」

「あ、起き上がったわ。治ったみたいね。」

 《我と我が仔の治療を感謝する、人の子よ。》

「え!? 何!? 他に誰か居るの?」

「サラ、落ち着け。」

「サラ様。落ち着いてくださいですわ。」

「サラ、その声は最初に治した森灰狼(フォレストグレイウルフ)よ。」

「え、どういう事?」

「サラ様。今の声は『念話』というモノで、対象に対して声を出さずに会話が成立するスキルですわ。」

「此所まで来てやっと気付くなんて私もまだまだね。」

 《生まれてまだ数百年程度の仔娘と我を一緒にするでない。》

「それもそうね。」

「リン、セレス。この2匹の森灰狼(フォレストグレイウルフ)は亜種なの? それとも別種なの?」

「サラ様、別種ですわ。」

「え!?」


 その瞬間、最初の森灰狼(フォレストグレイウルフ)は、光り出して、どんどん身体が大きくなっていき、光りが無くなった後の身体は体長が優に10mを超えていた。

 体毛も灰色からうっすらと輝く銀色に、顔もより精悍になり、爪もより鋭く立派になっていた。


 《人の子よ。改めて自己紹介をしよう。我らは誇り高き森と魔狼の覇者、氷神狼(フェンリル)である!》


「……え、え~!?」



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