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3人目の仲間。

セレスは仲間になるのか?

「なるほどね。納得したわ。」

「どうかしら? 私達の仲間に入らない?」

「……もう、探していた剣も見付かったし良いよね、セレディアス……」

「……セレス。」

「いいわ。私セレスは召喚士サラの従魔になるわ!」

「本当に?」

「ええ。」

「なら、セレスの本来の姿を見せて!」

「私の名はセレスティア。遥か(いにしえ)の悠久の時より、天地を見定めし、誇り高き覇天竜(バハムート)末裔(すえ)なり!!」

「え!?」


 セレスが無視出来ない名乗りを上げた後、属性竜の青竜(ブルードラゴン)とは比べられない程の深い蒼色の鱗を持つ、強靭な四肢と尻尾。偉大な翼を羽ばたく蒼き竜が居た。


「セレス。従魔の契約を行うわ。顔に触れさせて。」


 セレスは私の指示に従い頭を下げる。

 私は親指を軽く切って、私の血で眉間に「(しるし)」を書く。 


「私の名は召喚士サラディアナ=レイアース。我が血に因って契約は為された。古き誓約に従い魂に誓う。

 我が従魔となれ!」

「グゥオオオーーー!」


 私の従魔契約に因って、お互いに光り出し、そして光が繋がった時、眩しく光り輝き次第に収まり、私とセレスの従魔契約は為された。

 セレスは従魔契約が終わると、再び人型の姿に戻って、


「ご主人様。これからはご主人様の従魔として忠誠を誓います。」

「セレス。『ご主人様』なんて呼ばなくても良いわ。サラと呼んで。そして、お互いに信頼する仲間として、これから宜しくね。それと、この指輪にセレスの血を垂らして。」

「分かったわ、サラ。」


 セレスに最後の3つ目の指輪に血を垂らして貰って、セレスもリンと同じように出来る様になった。

 そして、従魔が3人目だというのに、何とも無かった。


「さて、セレス。色々と仲間になった以上は吐いて貰うわよ。」 

「……笑顔のまま、怖い空気出して、どうしたのサラ?」

「セレスが本来の姿に戻る時に言った言葉はどういう意味なの?」

「ああ。私は覇天竜(バハムート)の一族なだけよ。それがどうかしたの?」

「私が聞いた話では、この世界最強種と云われるのが『竜種』で。 更に、その『竜種』の頂点に君臨するのが『覇天竜(バハムート)』だと聞いたんだけど……」

「そうらしいわね。たまに帰ると、いつも酔いどれているから、そんな自覚なんて持てないわ。しかも、未だに子供扱いだし、それに……」

「帰ってきて、セレス!」

「はっ!?」

「兎に角、そういう訳だから世間一般的に云われる様な自覚は持てないのよね。」

「次に、その細剣は切れないけど、どう使うの?」

「先ず、この細剣の名前だけど、『蒼宝玉乃薔薇(ロゼ・サフィーロ)』と言って、一定以上の素質を持つ者が水属性魔法の魔力を流すと水の刃が発生して、その状態で振るのよ。

 それに、これが有れば、私の力はこの姿の時でも十全に振るえるわ。」

「あ、本当に剣身の回りを包んで、刃が発生しているわ。」

「次はサラ達の番よ。」


 私は両親の死因をボカシて、今までの事を話した。


「結構な波瀾万丈な人生ね、サラも。そして、討伐の殲滅具合は、同じ冒険者として、引くわね。」

「そんなぁ。ちょっと頑張っただけじゃない。」

「いいえ。そんなの『ちょっと』とは言わないわ。はあ。そろそろ行きましょう。ミックが待っているわ。」

「今更だけど、ミックとはサヨナラになるのよ?」

「大丈夫よ。ミックなら分かってくれるわ。」

「セレスの気持ちが決まっているのなら良いわ。行きましょう。」




 私達にセレスが加わり、通常のダンジョンモンスターも、セオリーを無視する別ルートのダンジョンモンスターも、関係無く無人の野を行くが如くサクサクと進み、都市レザニールに到着した私達は、セレスがご贔屓にしている薬り屋に行き、月光花を使い調合して貰い、その薬を持ってミックの下に向かう。


 ミックの家に到着した私達は、家に入りミックの部屋に入る。


「ミック、ただいま。」

「お帰り、セレス。今日は大勢だね。どうしたの?」

「とりあえず、ミック。必要だった『月光花』が手に入って薬を調合して貰ったんだ。飲んで。」

「ありがとう、セレス。」


 飲んだ後のミックは、飲む前に比べてだいぶ血色が良くなっている。

 このまま薬を定期的に飲めば、きっと完治するわ。


「それでね、……ミック。……そのぅ」

「分かっているよ、セレス。やっとセレスにとって信頼する仲間が出来たんだね。おめでとう。」

「……ミック。」

「だから、私の事は気にせずに、信頼する仲間と旅立ちなよ。」

「私はミックの事だって……」

「うん。それは分かっているわ。……でも、私だと、セレスの行きたい所に付いて行けない。私では冒険者として、セレスの足手まといだわ。だから……」

「分かったわ。今までありがとう。私は旅立つわ、ミック。」

「後ろの……」

「サラよ。」

「アークだ。」

「リンですわ。」

「サラさん。アークさん。リンさん。セレスをお願いします。」

「分かったわ。セレスは大切な仲間よ。大事にするわ。」

「良かったわ。セレス、元気でね。」

「ミック。今までありがとう。」

「ミック。少ないけど数枚置いていくわ。生活の足しに使って。」

「そんなの受け取れないよ。」

「いいから受け取って欲しいわ。私達からの気持ちだから。」

「分かったわ。ありがたく頂くわ。」

「此所に置いとくわね。」


 私は数枚の硬貨を入れた袋をミックの手が届く所に置いた。


「ミック。またね。」

「セレス。またね。」


 私達はミックの家から出ると、ミックの叫び声が木霊する。


「サラ。幾ら置いたの?」

「ん。大金貨5枚。」

「ぶうっ!?」

「汚いわね、セレス。」

「な、な、な!?」

「……サラ。」

「……サラ様。」

「流れの冒険者から聞いて、1度はやりたかったのよね~。」

「悪趣味だな。」

「思った以上に気持ち良いわ。また出来る時が有ればやるわよ。」

「……はあ。」

「……はあですわ。」

「ミック、ごめんなさい。」

「所で、セレスは宿屋?」

「ええ。そうよ。」

「それなら、私達の宿屋に変更よ。」

「分かったわ。」



 こうして、セレスは仲間になった。



 

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