水竜の悲恋物語。
気になる冒険物語の内容は?
「水竜の悲恋物語」を、掻い摘まんでみると、
とある国に幼い王子が居て近くの森を散策している時に、1匹の傷付いた小竜がいた。
追従した者達は反対したが、王子が持ち帰り手厚く看病すると傷が治り、小竜は王子に懐き共に成長した。
王子が皇太子に即位した頃に隣国と戦争する事になった時、皇太子は共に成長した小竜を野に放す。
それは戦争に小竜を巻き込ませない為だった。
そして、戦争が激しくなっていくと、何処からか皇太子に味方する可憐な女騎士が現れた。この女騎士は強く次第に戦況を盛り返していった。
そして、激化する中、女騎士の剣は折れ、代わりにと皇太子の水の魔力を宿した細剣を女騎士に渡した。
女騎士は皇太子から渡された水の魔力を宿した細剣を振るい戦場を駆けた。
しかし、皇太子が自身の細剣を渡した為に悲劇が起こった。
長い戦いの中、敵国の策略によって皇太子から渡された細剣は行方を眩まし、女騎士に細剣が無い故に皇太子は命を落とす。
悲しみに沈む女騎士だが、突然、眩い光を放つと女騎士は消え、そこに居たのは皇太子と共に過ごした小竜だった。
小竜は守るべき者を失った悲しみから、戦場を水で満たし沈めた。
両軍共に生き残りは僅かしか居らず、痛み分けという形で戦争は終結した。
今ではそこは湖になっており、時おり、何処からか悲し気な鳴き声が聞こえるという。
と、こんな物語だったんだけれど、物語に出てくる皇太子の細剣の描写に見覚えが有るのよね。
ちょっと前に銀貨7枚で買った細剣に。
……まさかよね。
「あら、サラも『水竜の悲恋物語』が気にいった。」
「まあ、ね。」
「私のお気に入りなのよ。小竜が人に成れる訳が無いけど、その分、皇太子と小竜の想いはとても強くて綺麗でいいなあと思うのよね。」
「そうなの……。」
「しかもね。その物語のモデルになったという湖も有るのよ。」
「そ、そうなんだぁ。因みに何処に有るの、その湖?」
「この国から北西に馬車で3日の所に有るわよ。」
「ふ~ん。」
「お話し中申し訳ありません。そろそろ夕食の時間になります。」
「分かったわ。サラ達も一緒に食べる?」
「ごめん、セリア。1週間以上も帰ってないから、自宅でゆっくりしたいの。」
「分かったわ。今度、一緒に食べましょうね。」
「ええ。一緒に食べましょう。それでは、失礼するわね。」
「またね、サラ。アークにリン。」
こうして、「水竜の悲恋物語」に出てくる細剣について、モヤモヤしながら屋敷へと帰った。
屋敷に帰るとクリス達から連絡が来ており、私の装備品や武器が完成したらしい。
明日、行ってみよう。
さて、明日の予定が決まった事だし、心にゆとりを持って夕食を食べて、お風呂に入って、少しのんびりしてから就寝したわ。
翌日
朝食を済ました私達は、早速クリス達の店に行く事にした。
「おはよう、クリス。出来たって連絡が入ったから来たわよ。」
「おはよう、サラ。ええ、出来たわよ。このまま地下に行くわよ。そこの貴女、ファネスとレナードに伝えて頂戴。」
「分かりました、クリス店長。」
「さ。行くわよ、サラ。」
私達はクリスと一緒に地下に入ると、直ぐにファネスとレナードも地下に降りて来た。
「お帰りなさい、サラ。」
「ただいま、ファネス。」
「お帰り、サラ。」
「ただいま、レナード。」
「サラ、会心の出来だわ。先ずは服からで2着用意したわ。1着目は普段着よ。でも只の普段着では無いわ。効果は小さいけど、全状態異常耐性(微)を付与してあって勿論、デザインにも拘ったわ。
次は冒険者用の服よ。こっちにも同じ全状態異常耐性(微)を付与して、魔装竜の鱗を特殊加工して糸にして服に縫い込む事で物理攻撃も魔法攻撃にも高い防御力を誇るわ。しかも、鱗を糸状にする事で軽量化にも成功したのよ。
更に、フォレストタイガーの亜種の皮膚を使う事で服その物の柔軟性と打撃の耐性を上げたわ。
そして、冒険用だから機能性を重視しながらも、デザインにも手を抜いていないわ。」
「凄いわ。クリス、ありがとう。」
「次はわたしの番ね。」
「どんな装備品が出来たの?」
「わたしも2つ用意した。普段使う防具は、手甲と具足と上衣だね。共通しているのが下地にサイクロプスの皮膚を使い物理防御力を上げ、ゴブリンジェネラルの魔石を粉砕して塗り込む事で魔法防御力を上げた。外皮に魔装竜の鱗をそのまま使う事で防御力を上げて、上衣にはオークジェネラルの魔石を使う事で威力の低い、投石や飛矢に耐性を持たせたから不意打ちや死角からの遠距離攻撃にも安心だよ。
次の2つ目だけど、その場を動かずにいる時の上半身を包む型だ。これには、下地をサイクロプスを、中地にはフォレストタイガーを、外皮は魔装竜を使い、打撃・斬撃・刺突・魔法への耐性と防御力を高める様にしたよ。後、サイクロプスとフォレストタイガーを使って外套も作ったから使いな。」
「ありがとう。大切に使うわ、ファネス。」
「次は儂の番じゃな。」
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