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王国へ。

やっとお手紙が完成です。

 私達は今、領主館の以前通された応接室で、領主オルエランを待っている。

 暫く出された紅茶とお菓子を頂きながら、待っていると扉が開いた。


「やあ、待たせてすまない。お陰で、我が伯爵家として恥ずかしく無い出来に仕上がった。」

「それは良かったと思います。」

「これが王国の宰相に渡して欲しい『手紙』だ。」

「では、この『手紙』は私達が王国の宰相に渡します。」

「その『手紙』とは別に話があるのだけど良いかな?」

「何でしょうか?」

「君達はその若さでCランク冒険者で、この前も我が領地の危機を救ってくれたとか。

 冒険者ギルドのギルドマスターから優秀だと聞いたよ。是非、王国への仕事が終了したら、此所に帰って来て我が領地に根を下ろして欲しいんだ。」

「有難い申し出ですが、お断りします。」

「それは何故だい?」

「王国には既に『家』を持っているので。」

「……分かったよ。無理強いするつもりは無いよ。それとは別で、この都市を預かる領主として渡す物が有る。」

「それは何でしょうか?」

「都市を危機から救ってくれた報酬が有るんだ。

 ……おっと。もう冒険者ギルドから貰っているから要らないなんて言わないでくれよ。この報酬を渡さないと領主として、また、伯爵家として立場が危なくなるから。」

「……分かりました。」

「受け入れてくれて良かったよ。はい、大金貨3枚。」

「……ありがとうございます。」

「あれ、金貨30枚の方が良かったかな?」

「いえ。そんな事はありません。それでは短い間でしたが、これで失礼します。」

「君達さえ、良ければいつでも来るといいよ。」

「ありがとうございます。」



 こうして、内心逃げ出したい気持ちを隠しながら領主館を出た後、都市プレジールを後にして私達は、王国を目指すのであった。



「到着ー。盗賊も悲鳴や助けを呼ぶ声に遭遇する事なく、着いたわ。」

「そうだな。本当に何も無かったな。」

「何も無く、快適な帰路でしたわ。」

「後は王宮に手紙を届けるだけだわ。」



 私達は王都内の辻馬車に乗って王城前に到着する。

 私達は以前使用した出入口に向かい、門番に国王に貰ったコインを見せる。


「来られたらお通しする様にと連絡が来ております。

 今、案内を呼びに行っておりますので、少しお待ちください。」

「分かったわ。」 


 少し待っているとメイドさんが来て、「お待たせしました。ご案内させて頂きます。」と言われたから、付いて行く。

 そして、以前通された応接室で紅茶とお菓子を頂きながら待っている。

 やはり、(いち)都市よりも、王国の王宮の方が美味しいわね。

 お菓子も食べ終わり、紅茶で喉を潤していると、いつものメンバーの国王、王妃、セリア、マイヤ、宰相が入って来た。


「良くぞ帰られた。」

「無事で良かったわ。」

「サラ、お帰りなさい。」

「それでサラ様、手紙は?」

「はい。」


 私は「倉庫」から「手紙」を宰相に渡す。


「確かに、プレジール伯爵の封蝋です。」

「宰相よ。早く中身を。」

「分かっております。」


 宰相は手紙を読み始めたのだけれど、最初はしかめっ面だったけど、次第に肩を震わせていた。


「まったく、貴女に任せれば何か動くかもと、僅かばかり期待していましたが、期待以上で読んでいる途中に噴き出さない様に(こら)えるのに大変でしたよ。」

「どういう事じゃ、宰相よ?」

「我々の悩みの種が1つ完全に無くなりました。」

「つまり、元凶が無くなったと?」

「そうです。」

「宰相さん。私達は頑張りましたので、道中の費用と追加料金が発生しましたから、それも合わせてお願いします。」

「分かりました。」


 そういうと宰相は懐からじゃらじゃら鳴る袋を出すと、それを私の前に置いた。


「金貨10枚入っています。確かめてください。」

「流石に金貨10枚は多いと思いますが……」

「いえ。気持ち的には少ないと思っているのですが、以前の王女殿下を救って頂いた時の様に、他との折り合いでこれが精一杯なんです。」

「大丈夫です。もっと出せなどと言うつもりはありませんから。」

「サラ達よ、感謝するぞ。直ぐに席を立つのは無作法だが、失礼する。」

「私も失礼するわね。セリア、後は任せましたよ。」

「はい。お母様。」

「それでは私も失礼します。」

「宰相さんもご苦労様です。」


 応接室に残ったのは、私達とセリアとマイヤだけになった。


「……という訳で大変だったわ。」

「でも、『手紙』を届けるだけで、物語の1つか2つ出来そうな濃い内容よね。」

「そうなのよね。」

「そうだ。サラ、冒険物語に興味ない?

 王宮の蔵書量は我が王家の密かな自慢なのよ。」

「そんなに有るのね。」

「だから、精神的に参っている時は、冒険物語を読んで、スッキリしてはどうかしら?」

「それも良いわね。セリア、お願い出来るかしら?」

「勿論よ。」


 こうして、私達とセリアとマイヤは王宮の図書室に到着した。


 私は気分転換の為に来た事から、セリアのオススメの冒険物語を読む事にした。

 ひと通り、読み終わった後、何故か気になる冒険物語が1つ有った。

 タイトルは「水竜の悲恋物語」という物語だった。



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