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時にはお家で。

サラは出来る子。

「本当なの?」

「貴方達に嘘を言う理由は無いわ。」

「そうよね。」

「でも、何故、人族の外見なのじゃ?」

「え!? 知らないの?」

「うむ。数も少ない上に参考資料もないからの。」

「まあ、私もリンを従魔にして初めて知ったんだけどね。どうやら、ある一定以上のモンスターは知性を得て、更に上に進化するけど、人族に化けれる様になるんだって。でも、生まれたてから、ある程度は成長しないと人族に化けれる、つまり、スキル『人化』は使えないんだって。だから、大抵はそういうモンスターを見かけるのは、子育ての最中が多いらしいわよ。」

「そういえば、発見時は、子連れが多いと、何処かで聞いたのじゃ。」

「だから、リンもこの外見なのよ。」

「分かったわ。」

「それと、サラ。」

「何?」

「ワタシ達の店に来たのは、そのリンを見せびらかすだけでは無いでしょう?」

「まあね。実はそこそこの素材を2種類手に入れたから、預けに来たの。」

「どちらも偶然だけどもね。」

「どれ、儂等に見せてみい。」

「はい。先ずはフォレストタイガーの『亜種』よ。」

「……!?」

「どうしたの、3人共?」

「先ずは、フォレストタイガーを討伐した事に驚いて、それ以上に、討伐したにも関わらず、その綺麗な素材に驚いていたのよ。」

「ファネス、凄いでしょう。私の自慢の従魔は!」

「そうだね。しかも、『亜種』を。」

「どうかな?」

「そうね。充分に今の服の代わりが出来る素材だよ。」

「しかも、今の男女兼用から、ワタシが女の子向けに仕立て上げてあげるわ。」

「わあ。クリス、最高ー。」

「盛り上がっている所だが、もう1つの素材とは何じゃ?」

「丸ごと持って来たから、かなり大きいわよ。」

「良いから出してみい。」

「はい。サイクロプスよ。」


 私は「倉庫」から、サイクロプスを出した。


「サ、サイクロプスじゃと!?」

「しかも、これも討伐時のキズが殆ど無いよ。」

「どうやって倒したのよ?」

「リンの魔法で、肘、膝、喉、目玉を撃ち抜いて貰って、怯んだ隙にアークが後ろから、首をズバッと!」

「何て言う早技と荒業(あらわざ)よ。」

「アークとリンがヤったという事は、サラの指示。正直、あの2人の娘とは思えん戦略じゃ。」

「何処で覚えたのよ?」

(……お父さんとお母さんが里長に毒殺されたから、昔の綺麗なままではいられなかったとは言えないわよね。)

「里に居た時に流れの冒険者が来て、その時に色々と教わったの。」

「……そうか。(サラは嘘をついているけど、今は追及を止めときましょう。)」

「それで、このサイクロプスはどうするんだい?」 

「サイクロプスは美味しいの?」

「はっきり言って不味い。」

「サイクロプスの皮とか使える?」

「……将来的には使える可能性が有る。」

「なら、一番良い所を取って、後は冒険者ギルドで換金するわ。」

「大丈夫なのか? 無駄に目立ってしまうわよ?」

「まあ、大丈夫だと思うわよ。これが初めてでは無いしね。」

「……何を討伐したの?」

「まだFとかEの時に『ネックレスラビット』とか、魔装竜の『亜種』を狩った事が有るよ。今、身に付けている防具がそうだし、その時の余りがこれね。」


 わたしはあの時、受け取った魔装竜の余りの素材を全て出した。

 3人は開いた口が塞がらない様ね。


「あ、序でにゴブリンやオークの、ジェネラルやキングの魔石も出して置くわね。」


 私は「倉庫」の魔石も全て出した。


「これで、使えそうなヤツは全て出したわ。」

「……、サラはやはり、あの2人の娘だよ。」

「そうじゃな。」

「そうね。」

「どういう事かな?」

「あの2人もよく、そうやって不意打ちの様に『コレをやっておきました。』とか、『アレ、やっておいたわよ。』とか言って、良く肝を冷したもんじゃ。」

「……そうだね。」

「……そうだったわね。」

「……」

「まあ、とりあえず、サイクロプスの必要な部分は取って、残りを回収して、冒険者ギルドに換金しようぜ。」

「そうね、アーク。」

「取り分け、お願いします。」

「分かったわ。」

「分かったよ。」

「分かったのじゃ。」


 3人が話し合って必要な部分を取って、残りは「倉庫」に回収した。


「とりあえず、今日は帰るわ。今から行くと必要以上に目立ちそうだから。」

「そうした方が良いわね。」

「サラは、この後はどうするんだい?」

「帰りに、ポーションを作るのに必要な器具を買って、明日はポーション作りにするわ。」

「サラは、ポーションまで作れるのか?」

「……出来る方が良いと思ってね。」

「分かったのじゃ。儂等の知り合いの奴を紹介しよう。」


 そう言ってレナードは自分の店に戻った。

 待っている間にクリスやファネスと話していると、レナードが帰って来て、1枚の紹介状を貰う。


「これは?」

「知り合いの奴が薬草やポーションに、それに必要な器具を売っている。これを持って行けば、多少は融通してくれる筈じゃ。」

「分かったわ。ありがとう、レナード。」

「じゃあ、私達は行くわ。私が出した素材で何か考えてみてね。」

「考えておくわ。」

「考えておくよ。」

「考えておこう。」

「じゃあ、またね。」


 私達はクリス達の店を出た後、紹介状と一緒に渡してくれた地図を頼りに店を探す。


「……有ったわ。この店ね。……すみません。」

「は~い。いらっしゃい~。」

「此処は『アルケミスト』で合っていますか?」

「合っていますよ~。」

「紹介状を貰って来たのですが……」

「では、その紹介状を見せて頂けますか~?」

「はい。」

「あら~。あのレナードからの紹介なのね~。

 珍しいわね~。」

「貴女とレナードとは、どういう関係なのかしら~?」

「昔、私の両親がお世話になったので。」

「なるほどね~。さて、何をお求めかな~?」

「ポーション作成に必要な器具を一式ください。」

「何処まで出来る?」


 急に空気も口調も変わった。


「地元でひと通り学んだので、『初級』は出来ます。」

「なら、大丈夫ね。では、持って来ますね~。」


 また空気も口調も戻った。

 多分、過去に何か有ったんでしょうね。


「お待たせしました~。レナードの紹介だから、半額の大銀貨1枚ね~。」

「半額だから良いけど、結構高いわね。」

「これは、『中級』まで使えるからよ~。」

「分かったわ。はい、大銀貨1枚。」

「まいど~。また何か有れば来てね~。」

「その時はお願いします。」


 私達は店を後にして、屋敷に帰った。





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