炎系の魔鳥って、2種類居るんだけど?
どんな魔鳥なのか?
早速、依頼書の場所を目指して進む私達は、行き掛けの駄賃とばかりに、薬草を採取して、モンスターを狩っていった。
到着した私達が見たモノは、2種類の炎系魔鳥が争う姿だったのだけども、片方からは、とんでもない魔力を感じていた。
もう片方はごく普通の魔力を感じている。
多分、普通の魔力の方は、「フレイムバード」で、戦闘力はそれなりに有るがまあ、どうにでもなる。
問題は、フレイムバードは一旦、痛みで暴れだすと、無差別にあちこちに炎の球を撒き散らすから、戦闘力だけなら、「Cランク」だけど、この撒き散らしで、「Bランク」になっている。
「……これ、前者だと、絶対にBランクに収まらないわ。それに報酬も最低でも、『0』が2つ足りないわね。」
「そうだな。どうする?」
「暫くは様子を見てみるわ。」
「分かった。」
2種類の魔鳥は争いを続けていたが、次第に何故か魔力が大きい方が劣勢になっていく。
「何故か、強い筈の方が負けそうね。」
「そうだな。」
また暫く経つと、とうとう強い筈の方が負けて倒れた。
「アーク! 強い筈の方を助けるわよ!」
「おう!」
私達は一気に駆け出し、私は水属性魔法「水球弾」を雑魚の炎系魔鳥に打ち出す。
「ギィエエエエエエエーーー!」
水属性魔法で弱った所をアークが首を切る。
「ギィ……」
私は、炎系魔鳥フレイムバードを「倉庫」に回収して、悩んだ。
どうしよう、この「強い筈の方」の正体が知らない炎系魔鳥は。
この魔鳥が動かないのをいい事にじっくり見ていたのだけど、アークが何か欲しいとお願いされたので、オークのタレ付き串焼きを渡した。私も一緒に食べた。
……何か視線を感じるわ。
既にアークは食べ終えている。
やっぱり私に視線を感じるけど、何処か……ら……!?
私は、視線の主を見つけた!
視線の主は、目の前の魔鳥だった。
試しに、予備に取って置いた串焼き(豪華版)を魔鳥の前にちらつかすと、魔鳥の視線は串焼き(豪華版)に釘付けだ。
左右に動かすと、それに合わせて、視線が、頭が動き、完全に照準が固定されている。
「あげるわ。どうぞ。」
と言って魔鳥の前に置いて離れると、最初は警戒していたけれど、次第に空腹に耐えられなくなったのか、食べ始めた。
食べ終わると、じっと私を魔鳥が見ている。
……これはもしかして、仲間に成りたがっている?
「貴方は私達の仲間に成りたいの?」
「キィエエエーーー!」
「私達の仲間に成りたいなら、私の前に嘴を出して。」
私の前にすっと、嘴を出した。
「私は召喚士よ。良いの?」
「キィエエエーーー!」
「なら、私の従魔になって。」
私は親指を軽く切って、私の血で眉間に「印」を書く。
「私の名は召喚士サラディアナ=レイアース。我が血に因って契約が為された。古き誓約に従い魂に誓う。
我が従魔となれ!」
「キィエエエーーー!」
私の従魔の契約に因ってお互いに光り出し、その光が繋がると目を開けられない程の眩しい光が溢れ、収まると、私との従魔契約が完了した。
「これで、貴方は私の従魔よ。所で、貴方は『雄』?
それとも『雌』? どっちかな? 『雄』?」
従魔になった魔鳥は首を横に振る。
「じゃあ、『雌』?」
「キィエエエーーー!」
「分かったわ。『雌』ね。なら名前は……」
魔鳥は真剣に私を見つめている。
「貴方の名前は『リン』よ。」
「キィエエエーーー!」
魔鳥が叫んだと思ったら、光り出して収まったら、私の目の前には、私より頭1つ分背が低い美少女が居た。
外見は、可愛らしい顔に瞳の色は『碧玉』で、髪の色は銀色で髪は肩に当たる程度で毛先が跳ねている。
服装は動きは阻害しないけど、お嬢様っぽい服だわ。
体型は少女というより、……幼女。
……駄目よ、サラ! 目線を下げたら駄目よ!
「初めまして。貴女が私のマスターね。よろしくお願いしますわ。」
「よろしく。私の事はサラって呼んで。」
「分かりましたわ。サラ様。」
「サラで良いよ。」
「いいえ。サラ様。」
「変えてくれないの?」
「はい。サラ様。」
「……分かったわ。じゃあ、表向きはアークも冒険者として振る舞っているし、基本的にはアークが従魔で私が召喚士である事は伏せているの。
だから、私達の設定は、私は故郷ではそこそこ裕福な家で、アークは家の守護役の家の生まれで、リンは執事の家の生まれで私達は幼馴染みという事にするから、聞かれた場合はそう答えて。」
「分かった。」
「分かりましたわ。」
「後、この指輪にリンの血を一滴垂らしてくれる。」
「はい。」
リンに私の2つ目の召喚士の指輪に血を一滴垂らして貰って、指輪の繋がりを作った。
これで、指輪を介してアークと同じように出来るわ。
やっぱり、私は大召喚師ローレライ様の再来かしら。
2人目の従魔と契約をしたのになんとも無いわ。
「さて、必要なお話しも済んだんだけれど、リンはどうして、あの雑魚に負けたの? まあ、何となく分かっているけどね。」
「はい。お察しの通りで空腹で倒れる寸前でした。そんな時に、あの雑魚を見つけて補食しようとしたのですが……」
「逆に美味しく食べられそうになったと。」
「……はい。」
「リンは種族は何?」
「私の種族は『不死鳥』でございます。」
「え!? なんでこんな所に居るのよ!?」
「……実は、家出をしまして……」
「まさか、『お父様の分からず屋! 私はお父様のお人形じゃあないわ! 私はお父様が居なくても立派になってみせるわ!』とか言って、家出したの?」
「……サラ様。見て聞いていたのですか?」
「え!? 当たったの?」
「全文正解ですわ。」
「……あちゃあ。まあ、私の従魔になった事だし、とりあえずは、無理矢理に家に連れ帰される事は無いわ。」
「はい。」
「だから、リンのお父様が文句言えない程に立派に成長するわよ。」
「はい。サラ様!」
「よろしく、リン。俺の名前はアークだ。」
「こちらこそ。私の名前はリンですわ。」
「話が纏まった事だし、帰りましょう。」
「おう。」
「はいですわ。」
こうして、私は新しい従魔を仲間が出来て、王都に帰るのでした。
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