3人はお祖父ちゃんとお祖母ちゃん。
孫は正義っ!
「これが『今』出せる最高級品だ!」
レナードが奥から出した武器は刀で、私が今使っている小太刀より少し刀身が長くて、何より握る部分の端が何かを填める為の輪っかが有る。
「これはな、魔法剣だ。此処に輪っかが有るだろう?」
「有るわ。」
「この輪っかに属性が付与されている魔石を填めると、攻撃が当たった時にその属性の追加攻撃が加わる。」
「それは凄いわ。」
「だから、雷属性の魔石を填めれば、追加攻撃で麻痺の効果を与える事が出来る。但し、ある一定以上の強いモンスターには効き難い。それでも使うのなら、最低でも魔石の品質を上位にする必要がある。」
「分かったわ。頑張って属性付きの魔石を集めるわ。」
「ああ。頑張れ。で、これが属性付きの魔石だ。」
「コレが属性付きの魔石!?」
「普通の魔石は『黒』だが、属性付きの魔石はその属性の色が付く。火属性なら『赤』、風属性なら『緑』、土属性なら『黄』、水属性なら『青』というようにな。」
「この魔石の色は緑色だから、風属性の魔石ね。」
「そうだ。属性攻撃をしてくるモンスターの魔石が属性付きになる場合が多い。後、薄い色より濃い色の方が追加の効果が高いからな。」
「分かったわ。」
「気紛れで作っていたんだが、良かったぜ。まあ、『今』だせるのはこの程度だな。」
「ちょっと良いかな。3人に聞きたいのだけど?」
「何だ?」
「3人共、先程から『今』を強調しているけど、どういう意味なの?」
「そんなの決まっている。本来なら、今、店の中に有るヤツじゃあ無く、最低でも、国内最高級品を出したいからだ!」
「そうよ。」
「そうだ。」
「しかし、店を持った時に決めた事が有って、それがオレ達は新人達の助けになろうと決めた事で、店にはそういった装備品しか置いてないんだ。」
「そうなのよ。だから、サラに最低でも、国内最高級品を贈りたいのに贈れなくて悔しいのよ。」
「だから、サラ! わたし達も素材を集めるが、サラ自身も素材を手に入れたら、わたし達に持って来て欲しい。」
「分かったわ。」
「そして、出来れば、今後のサラの装備品はわたし達に任せて欲しい。」
「ええ。そうするわ。」
「サラ、他にも欲しい物が有れば、何でも言いなさい。
用意するからな。」
「レナード。それじゃあ、『娘』というよりも『孫』だよ。」
「そうよ。甘やかす『孫』では無く、導く『娘』でしょうが!」
「そうだが、儂が言わなければ、クリスかファネスが言っていたんじゃないのか?」
「うっ!」
「くっ!」
「ほれみい!」
「あはは。ありがとう。クリス。ファネス。レナード。」
サラは、里を出た時以来の暖かい空気を感じているとクリスが聞いてきた。
「サラ。」
「何?」
「サラは今、何処に住んでいるの? 宿屋、冒険者ギルドの宿舎? それとも、誰かの家に泊まっているの?」
「実は……」
「まさか、王都の外に出てのテント暮らし!?」
「有り得んと思うが、弱味握られて何処ぞの馬の骨の家に、同棲しとらんじゃろうな?」
「大丈夫よ。王都の中のちゃんとした家よ。」
「なら、何処だい?」
「場所は……よ。」
「その場所は貴族街だ! まさか、貴族に買われてないよね?」
「大丈夫よ。私達自身の家だから。」
「ちょっとお待ち。新米冒険者兼召喚士がどうやって大陸一の国の王都に自宅を持っているんだい。しかも、貴族街に!」
「サラ~?」×3
「サラ、正直に吐いた方が良いみたいだな。」
「アーク……。」
「サラ、どういう事?」
「この国の第3王女と宰相の娘が盗賊に襲われている所を助けたら、褒美という事で貰った。てへ。」
「……!?」×3
「そう言えば最近、第3王女が今一、時期も理由も分からない外遊をするという話を聞いた事が有るのぅ。」
「詳しくは話せないけど、その時に盗賊に襲われている所を助けたの。」
「なるほどね。」
「そしたら、そのまま王宮に連れられて、褒美の話が出たんだけど、特に欲しい物が無かったから断っていたら、なら、この王都に家、つまり拠点を持ったらどうかって勧められたのよ。」
「大陸一の王都に拠点を持てば色々便利だからな。」
「アークにも勧められて、家を持つ事にしたのよ。
ただ、助けたのが、王女と宰相の娘だから、一般人の民家という訳にもいかず、貴族街の屋敷に為ったのよ。」
「屋敷となると、維持とかはどうするんだい?」
「全部、王家持ち。執事から庭師からメイドまで。」
「その人達は信用出来るの?」
「実は、王女様や王妃様が家に来る可能性が有るから、採用基準が過去最難関になったらしいよ。」
「……まあ、そうじゃろうな。」
「だから、大丈夫だよ。」
「分かった。なら、儂等もサラの屋敷を見ておかないとな。」
「そうね。ワタシ達のサラの屋敷を見ておかないとね。」
「そうと決まれば行くよ。」
「聞いていたな。儂等はちと行ってくるぞ。他の2軒にも伝えといてくれ。」
「分かりました。行ってらっしゃい、レナード店長。」
という訳で、保護者同然となった3人は私達の屋敷を確認する為に移動を始めた。
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