次が無いという保証は無い!
主人公にとってのイベントは道を歩くのと同じかも?
とりあえず、通り掛かりの人達に聞いてオススメを教えて貰い、1番評価の高い店にした。
ちょっと高かったけど美味しかったわ。
さて、散策もするのだけど、先ずは冒険者ギルドを目指すべきよね。
先程と同じように周りの人達から聞いて、たどり着いた冒険者ギルドは予想以上に立派だった。
入ってみると、一瞬、私達を見た後、何も無かったかの様になっていた。
私達は受付嬢さんの所に向かって順番が来たから、質問してみる。
「初めまして。最近、王都が拠点になった者だけど、オススメの服屋と、武器と防具屋はないかしら?」
「そうですね……」
「選択する基準は私にして欲しいのよ。彼の事は考えなくても良いわ。」
「何故ですか?」
「はい。」
私は受付嬢さんに私のギルドカードを渡して、受付嬢さんが確認すると、一瞬、驚いたが、直ぐに顔を戻してギルドカードを返してきた。
「承知致しました。服屋でしたら、ギルドを出て左に進みまして1つ目の十字路を左に曲がります。6つ目の店がオススメの服屋です。
そして、店主が少々個性的ですが腕は確かです。」
「分かったわ。他の武器屋や防具屋のオススメは何処かしら?」
「その服屋の両隣がそうです。」
「あら、手間が省けるわね。」
「元々は5人パーティーの冒険者だったのです。
引退する時に店を構える事になったのですが、ちょうど3件続きで空いていたので、其処に決めたそうですよ。」
「そうなのね。ありがとう。早速、行ってみるわ。」
受付嬢さんから話を聞いて向かうべく、出入口に移動しようと数歩進むと声を掛けられた。
それは、次の厄介事だった
「おい! 待ちな。」
「何の用だ?」
「此処はガキが来る様な場所じゃあないんだよ! 装備品と金と女を置いて消えな!」
「受付嬢さん。此処での冒険者同士の諍いが発生した場合は、どう対処するのかしら?」
「はい。基本的には、死ななければ問題有りません。」
「分かったわ。アーク。素手ならイケるわ。」
「分かった。」
「お前ら、オレ様を舐めているようだな。死ね!」
この言い掛かりを付けて来た、馬鹿は腰の剣を抜いた。
はい。軽罰から重罰に変更~と。
馬鹿な冒険者は振りかぶったまま、「グフゥ!」と言って沈んだわ。
多分、アークが肘撃を鳩尾に入れて沈めたのでしょうね。
当のアークは、沈めた馬鹿から、金品と装備品を全て回収して私に渡して来た。
アークは情け容赦が無かったが、そのお陰か周りの馬鹿冒険者は静かになり助かっている。
「ひでぇ。ちょっと声を掛けただけなのに、根刮ぎ剥いでやがる。」
「あら。この馬鹿は盗賊と同じ言葉を吐き、武器を抜いたわ。殺さなかっただけでも感謝して欲しいくらいだわ。」
「……」
「文句は無いようね。受付嬢さん、この盗賊紛いの馬鹿の処理をお願いしますね。」
「承知いたしました。処理はお任せください。」
受付嬢さんに銀貨1枚渡してギルドを後にすると、私達はその服屋を目指した。
言われた通りに行くとそれらしい服屋と両隣に武器屋と防具屋を発見した。
とりあえず、服屋に入ってみると、置いてある服はどれも新品では無いが、どれも1度は洗ってあるのか、嫌な匂いはしなかったし、品揃えは悪くない。
確かに、店主の目と気配りは悪くないようね。
私は店員は居ないのかなと周りを見渡すと、奥から鎧を脱いだ屈強な騎士団長の様な男性が私達に近付いて来た。
「ようこそ。全ての女性の為の服屋『クリスティーヌ』へ。ワタシは店主のクリスよ。お嬢ちゃんはどんな服をご要望かしら?」
厳つい体格とは裏腹に、可愛い系の少女が着る様な服を来ている店主クリスが聞いてくる。
「ひっ!」
「あら、怖がらないで。ワタシは全ての女性の味方よ。」
と、言われても凄く眼光が鋭いのですがー!
落ち着け、私! 流れの冒険者だって言ってたじゃない。見かけに騙されるなって。
だから、大丈夫な筈よ。
私は深呼吸して落ち着かせた後、店主クリスに話し掛けた。
「驚いてごめんなさい。私達は冒険者で私の服等を買いに来たの。」
「分かったわ。それで彼の分は良いのかしら? 一応は男性向けの服等も有るけど。」
「彼の分は必……、大丈夫よ。」
「分かったわ。それでどんな服が希望かしら?」
「冒険者としての服が数着と、室内で使う部屋着が一着お願いするわ。」
「任せて頂戴。良いのを見繕いであげるから。って待って! その指輪は召喚士用の指輪よね?」
「はい。そうですが……」
クリスはじっと私を見ていた。
「貴女、まさか、レイチェルの娘のサラディアナ?」
「はい。確かにレイチェルは私の母ですが、ご存知なんですか?」
「ええ。勿論よ。なんたって、以前は冒険者としてのパーティーメンバーですもの。レイチェルや認めたくないけどレイチェルが選んだ旦那のレオンハールは元気? あの時の赤ちゃんがもうこんなに大きくなって。あれから、13年経つのね。」
「お父さんとお母さんは……、流行り病で……」
「……ごめんなさい。辛い事を思い出させて。」
「いえ、大丈夫です。」
「なら、せめて、お詫びとお祝いを兼ねて選んだ服はワタシの奢りよ。それと、里を出ているという事は正式に召喚士になれたのよね? どんな従魔なのかしら?」
「従魔は……」
「ごめんなさい。召喚士に従魔の事を聞くのは礼儀に反するわね。」
「いえ、そういう訳では無いのですが……」
「サラ、大丈夫だ。」
「……アーク。分かったわ。クリスさん。私の従魔は彼アークよ。」
「え!? なるほどね。それなら確かに服は必要無いわね。余りにも自然体で、気付かなかったわ。
そうね。あの2人の娘ならどんな従魔なのだろうと思っていたけど、確かに人型なら納得出来るわ。」
「ええ。だからもう過去に悲しむ訳にはいかないわ。
だから、こうやって冒険者をしているのよ。」
「偉いわ、サラディアナ。」
「クリスさん。サラって呼んで。」
「偉いわ、サラ。ワタシの事もクリスって呼んで。なら、ワタシも腕によりを掛けて選ばして貰うわね。」
「お願いします。」
こうして、奮起したクリスが選んで持って来た服はとんでもない物ばかりだった。
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