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褒美とお願い。~其の2

お願いとは?

「その内容だが、サラ殿達が討伐した盗賊のアジトから『金の髪飾り』を探して欲しいのだ。」

「金の髪飾り?」

「そうじゃ。かなり凝った細工をしており、玉になっている所がずれる様になっていて、開くと紋章が刻まれておる。」

「そ、そう……」

「うむ。実は、娘が王都を出たのも、その金の髪飾りを見つけ出す為だったのだ。だから、幾ら王女の護衛とはいえ、人数が多かったのはそれが理由だ。」

「サラ。」

「うん。分かっているわ。」

「どうしたのだ?」

「何故、その金の髪飾りを?」

「私からの贈り物だったの……」


 セリアは大分辛そうに、痛みを我慢するかの様な表情をしながら話した。


「あの金の髪飾りは、私の元専属メイドだった『メイテ』の結婚祝いに贈った物なの。」


 堪えきれなくなったセリアは、嗚咽を堪えるかの様に、セリアは顔を両手で隠した。


「此処からは私が説明します。今から10日前にメイテが結婚相手の近衛騎士エルナンドと共に、故郷に帰ってエルナンドの家業を継ぐ筈でした。その帰郷の時に、セリアが結婚祝いに贈ったのが『金の髪飾り』なのです。」

「そうだったのね。」

「幾ら大切に思っていたとしても、王女専属メイドと近衛騎士であっても、辞めた以上は『平民』です。王族として動く事が出来ず、無理を通して出来たのが、名目上が『王女の外遊』でした。そして、(わざ)と情報を流して、臨んだ結果、あの状況でした。」

「セリア。」

「何、サラ?」

「私も確認する必要が有ったから聞いたのよ。だから、心を落ち着けて冷静になって見て欲しいんだけど、その『金の髪飾り』って、コレの事かしら?」


 私は「倉庫」から、大銀貨8枚で購入した「金の髪飾り」をセリアとマイヤに見せた。

 セリアとマイヤが金の髪飾りを確認すると、


「ウソ! 何故、サラが『金の髪飾り』を持っているの!?」

「実は、立ち寄った村で売ってたのよ。余りの見事な細工だったから。」

「……そんな事が!」

「はい。この『金の髪飾り』をセリアに返すね。」

「……!? そんな訳にはいかないわ。どんな思いや理由が有っても、一旦市場に流れた以上は、この『金の髪飾り』はサラの物よ。それを代価も無しに貰えないわ。」

「なら、この『金の髪飾り』をその元専属メイドの『メイテ』の実家に送って欲しいの。話を聞いた以上はもう持つ気無いから、その費用が代価って事で良いわ。」

「……サラ。 ありがとう。」

「サラ。私からもお礼を言わせてください。ありがとうございます。」

「良いのよ。はい! 涙な話は終わり。」


 態と話の方向を変えて談笑していると、宰相のディエゴさんが書類の束を持って帰って来た。


「お待たせしました。気持ち的には『伯爵級』以上を用意したかったのですが……」

「そんな管理が出来ない上に私達2人が暮らすには色々な意味で規模が大き過ぎよ。」

「……と、返って来るのが分かっていましたので、仕方無く、仕方無く、『男爵級』と、若干規模が小さい『子爵級』を用意しました。そして、判断する材料は多いに越した事は無いと思い、20程、用意しました。」

「同じ事を2回言った!?」

「さて、御二人に選んで頂きましょうか。」


 用意された屋敷の書類は20枚有って、中には規模は小さいくて子爵級だけど使っていたのが3代前の公爵だとか、子爵級の書類だけど注意書きの所に、「近日断罪予定」とか書いている物や、曰く付き故に値段は男爵級だが、規模は侯爵級だとか、「何故、持って来た!」と思うモノが混じっていた。

 私とアークは、自分達が暮らす家という事で、真剣に書類の内容を吟味しながら、途中、分からない所は宰相さんに聞き、やっと3つまでに絞った。

 当然、『訳有り』は除外したわ!

 あんなの、色んな意味で怖いわよ!

 候補3つになった所で、実際に見てみようとなった。



 豪華な馬車で、カッポカッポと移動して候補3つの屋敷を順に見る事になったが、案内人が宰相、王妃、セリア、マイヤである。

 セリアとマイヤは分かるわ。

 いずれは遊びに来る屋敷だし、何時かは使う避難場所だ。

 脱出ルート等の下見を兼ねているのだろう。

 しかし、王妃! 何故、貴女が同行するの!?

 考えられる可能性は、セリアと動機が同じだという結論しか出ないっ!

 まあ、成るようにしか成らんわね……

 因みに宰相さんは、自分の仕事を次期宰相候補筆頭に押し付けて来たらしい。

 清々しいまでの職権乱用。



 そんな精神的疲労に耐えながら住む屋敷を選んだ。

 選んだ屋敷は、規模こそ3つの中で最も小さいが、庭が広く、台所、お風呂、トイレが最新式で、お風呂が特に大きかった。

 印象は、貴族の屋敷と言うよりも、「家」を屋敷級まで立派にしましたという感じだわ。

 住む屋敷が決まり、書類に必要事項を記入すると、またカッポカッポと豪華な馬車で移動して王城に戻るが、態々(わざわざ)、私達の為に王城の玄関から徒歩で行く事になった。

 理由は、城で働く人達に私達の顔を覚えて貰う為だとか。

 ちょっぴり過剰な気配りね。

 そんなに王女を溺愛しているのかしらね?

 まあ、王族とはいえ、他所様の家庭だ。口を挟まない方が無難よね。



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