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王都への道中記。~其の3

ドミノなトラブルとイベント。

「貴女は誰?」

「わたしは、「ルイス=ハンドリア」と言います。

 それで、この町の治療院で働いている治療士なのですが、手伝って頂けますでしょうか?」

「私は治療院で働ける程の回復魔法は使えないわよ。」

「いえ、治療院で働いて欲しい訳では無く。町の外に出て、必要な薬草を採取したいので、その間の護衛をお願いしたいのです。」

「う~ん。冒険者ギルドを通さずよね?」

「申し訳ありませんが、ギルドを通すと、中間取られて、マトモな報酬が出せなくなります。」

「なら、幾ら出せるの?」

「成功報酬で、銀貨5枚です。」

「薬草採取に絡む報酬としては高いけど、護衛報酬としては安いのよね。」

「そうなんです。」

「なら、治療院に『貸し1つ』ね。」

「どういう意味でしょうか?」

「私達か、私達が連れて来た『1人』に無料で治療するってのはどう?」

「……分かりました。お願いします。」

「では、早速行きましょう。」

「サラ、そんな安請け合いして良いのか?」

「別に構わないわ。」

「サラが気にしないなら構わないけどな。」

「ありがとう、アーク。」



 ルイスと一緒に森に入り、私達はルイスを護衛しながら、私もルイスが狙っている薬草以外を採取する。

 ……いやあー。此処って治療院の穴場かしら。

 良い薬草が青々と繁っているわ。

 ルイスも安い護衛報酬に負い目が有るのか、私の薬草採取を黙認している。

 まあ、この森が治療院の土地とかでは無いからと思うけど、本当に沢山有るわ。

 根こそぎ、採取しない様にしないとね。



「必要な量が採取出来ました。撤収しましょう。」

「分かったわ。」


 私が返事をした瞬間に、私の探知に反応した。


「ルイスさん! 待って!! モンスターが接近しているわ。私の側に。」

「分かりました。」


「来た!!」


「ガアアアアアア!」


「アレは、Cランクの『レッドラムベアー』です!? サラさん、逃げましょう!」

「大丈夫よ。アーク!」

「任せておけ!」

「サラさん、たった1人で何とかなる相手では無いわ!」

「大丈夫よ。ほら。」

「え!?」


 ルイスが騒いでいる間に、「レッドラムベアー」殺人熊と呼ばれるモンスターは、アークの一振りで、首が胴体から離れている。

 私達は周りを警戒しながら、レッドラムベアーの血抜きと、地に溜まった血の処理を済ませて「倉庫」に回収した。


「さあ、ルイス。帰るわよ。」

「わたしがお願いしてアレですけど、アークさんって強いですね。」

「まあ、アークは魔装竜と一対一で勝てるから。」

「またまたぁ。わたしを落ち着かせようとして、嘘を付かなくても良いのに。」

「いや、本当よ。」

「無理しなくてのもいいんですよ。」

「いや、だからね……」

「でも、大分落ち着きました。サラさん、ありがとう。」

「……だから、……まあ、いっか。」

「フフ。帰りましょう。」



 町に帰ったルイスさんと私達は、冒険者ギルドに向かっている。

 何故かというと、ルイスさんがレッドラムベアーの買い取り価格が気になるらしい。

 そういう訳で、冒険者ギルドに向かい、到着した私達とルイスさんは、買い取りの窓口に着いた。


「あら、サラ様にアーク様。それにルイスさん……でしたよね?」

「はい。わたしはルイスです。貴女の名前は?」

「申し遅れました。私の名前は、『グラッセ』です。それで、此所は買い取りの窓口だから、モンスターを出すのでしょうけど、大丈夫? 此所に出して?」

「グラッセさん。大丈夫よ。」

「分かりました。では、モンスターを出してください。」



 私は、レッドラムベアーを1体、買い取りのカウンターに置いた。

 すると、グラッセさんが驚愕の顔と反応だった。


「サラさん、受付嬢さんの反応はどういう事なの? ねえ? ねえ?」

「私にも解らないわ。」

「そんな、……」

「……グラッセさん?」

「そんな、サラ様が、モンスター討伐で、『たった1体』しか、出さないなんて~!!」

「グラッセさん。」


 私は、ちょっぴりイラっときた。


「はっ!? ごめんなさい。他のギルドから報告書が来ていたので……」

「早く査定して、換金をして。」

「失礼しました。直ぐに行います。」

「サラさん。普段はどんなモンスター討伐をしているのですか?」

「あははははは……。」


 私は、ルイスさんのジト目に耐えながらグラッセさんを待っていた。


「お待たせしました。此方がレッドラムベアーの討伐と素材の買い取り報酬です。合計で銀貨20枚になります。主に毛皮と内臓、特に肝臓が高額になります。」

「サラ様、アーク様、ギルドカードを。……はい。終了しました。ギルドカードをお返しします。それと、銀貨20枚です。」

「はい。確かに。」

「幾ら、レッドラムベアーとはいえ、たった1体で銀貨20枚になるなんて……」

「まあ、討伐と素材の合計だしね。」

「サラさん。それでもですよ。では、わたしの方も護衛報酬を支払いますね。銀貨5枚ですが納めください。」

「確かに、銀貨5枚の護衛報酬を頂きました。」

「サラさん、アークさん。今回はありがとうございました。」



 私達は、ルイスさんと別れた後、念の為、乗り合い馬車の所に行き、王都アスティリア行きの日を聞いた。

 出発日は聞いていた日と同じだったから、安心して宿屋に帰り、夕食を食べて、風呂に入って、就寝した。


 明日はどうしようかな?




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