王都への道中記。
旅にはよく有る事。
さて、王都「アスティリア」を目指すのだけど、旅の過程をアークの2人旅も悪くないけど、ここはやはり、旅の醍醐味の乗り合い馬車でしょう。
まあ、どんな人が一緒に乗るか賭けみたいな所が有るけど、乗る人達との情報は馬鹿に出来ないって、流れの冒険者も言ってたしね。
「じゃあ、アーク。馬車乗り場に行くわよ。」
「ああ、分かった!」
「お嬢ちゃん達、馬車乗り場は初めてか?」
「ええ。行き先や料金はどうなっているの?」
「お嬢ちゃん達の目的地は?」
「王都アスティリアよ。」
「なら、『都市フォルティシア』行きになるな。」
「料金はいくらなの?」
「途中に村を2ヶ所寄るが、宿屋とか食料は客持ちで、2泊3日で、銀貨30枚だから2人で銀貨60枚だが、冒険者として緊急時に働くなら40枚で良いぜ。」
「分かったわ。誰に払えばいいの?」
「オレに払ってくれれば良い。ん? 大銀貨4枚か。 ……確かに大銀貨4枚だ。もうすぐ出発だ。」
「アーク、行こう!」
「ああ。」
私達は「都市フォルティシア」行きの馬車に乗り、同乗者達に軽く挨拶をして、出発を待った。
少し待って、さあ出発という時に、
「待ってくれ~!」
「乗る気が有るのなら、もっと早く来てくださいよ。」
「すまん。」
「では、『都市フォルティシア』行きの馬車、出発します。」
暫く馬車での時間に慣れて来た頃に、出発直前に乗り込んだ男が話し掛けて来た。
「初めまして。オレはザック。よろしくな。」
「初めまして。私はサラ。よろしくね。」
「初めまして。俺はアークだ。よろしく。」
「君達は兄弟かい?」
「貴方に話す必要が有るの?」
「そうだが……」
ザックは私達に話し掛けるのは諦めて、周りに話し掛けているが、出発直前に乗り込んだ為に、皆さんの心証は余り良くないようだわ。
道中は、周りにある程度の距離感を取りつつ、情報を仕入れる事に成功しながら、都市フォルティシアまで、30分という所で、探知に引っ掛かった盗賊という人族のゴミ兼私達の臨時収入ちゃん。
「盗賊が出たぞー!」
良し、行こう。
「私達は冒険者よ。皆さん、銀貨1枚で、盗賊の討伐までを引き受けるわ。」
「あんた達2人で大丈夫かい?」
「大丈夫よ。既に2つ討伐した経験が有るわ。」
「……なら、お願いするよ。」
「任せて。」
私は皆さんから、合計で銀貨8枚手に入れた。
「おい! 馬車から、ガキ2人が出て来たぜ。」
「御者さん。追加で銀貨5枚で盗賊の討伐まで引き受けるけど、どう?」
「大丈夫か?」
「盗賊の討伐は経験者よ。」
「なら、信じるぞ。」
「おい! オレ達を無視するんじゃあねぇ!」
「銀貨5枚ね。」
「ほれ、銀貨5枚だ。」
「では、交渉成立ね。」
「ふざけているのか?」
「という訳で、交渉が成立したので、貴方達を潰すわ。爆発破弾!」
「ぎゃあああぁぁぁ!!」
「御者さん! 今の内よ!!」
「お嬢ちゃん達、死ぬなよ。」
私の魔法で出来た隙を突いて、馬車は盗賊の横を通り過ぎ、都市フォルティシアに向かって発車した。
「サラさん。アーク君。僕も手伝うよ。」
「何を言っているのよ?」
「君達2人だけに、危険な目に会わせる訳にはいかないと思ってね。」
「私達からは報酬とかは出さないし、恩を感じないわ。」
「構わないよ。」
「邪魔になるから、参加しないでよ!」
私は理解不能な男を無視して、まだ無事な盗賊に、
「落穴!」
見事に私の土系魔法で、まだ無事な盗賊を全員、首だけ残して落ちた穴に嵌まる。
アークは、最初の魔法で気絶した盗賊を捕縛して、私は他の盗賊より少し装備品が良い奴に近付く。
「いやはや、見事な手前だね。」
「どうも。それより、アジトの場所は何処?」
「誰が、ガキ2人に教えるかよ!」
「別に言わなくてもいいわよ。まだ、沢山の使える『口』は有るから。」
「……」
「此処で無駄に意地を張って死ぬのと、アジトの場所を吐いて、少しでも生存に賭ける。どっちが良いか判るわよね?」
「……分かった。アジトの位置は……だ。」
「さて、貴方達のこの後の処遇だけど、とても残念なお知らせがあるわ。」
「何だ?」
「私達だけなら、貴方達は鉱山の強制労働という生きる道が有ったけど、勝手に残ったこの男のせいで、止めを差す必要が出たわ。」
「おい! どういう事だっ!?」
「私達には、この男が私達の味方なのか、貴方達の味方なのか判らないのよ。
その結果、貴方達の首級を私達が持っておく必要が有るからよ。生き残る可能性が有ったけど、恨むなら、この男を恨んでね。」
「ちょっと待ってくれないか。僕は、君達を助ける為に残ったんだよ。だから、盗賊の味方をする訳が無いじゃないか!」
「口ではどうとでも言えるわ。それに、私達は貴方に助けや協力の申し出を出して無いし、頼んでいないわよ。」
「そんな、僕は君達の為に……」
「私達は、貴方に助けは求めていないわ。出来ていない『恩』を私達に押し付けないで!」
因みにアークは、私と男が話している間に、盗賊の首級と、装備品や所持金を回収している。
「サラ、終わったよ。」
「分かったわ、アーク。行くわよ。」
「何処に行くんだい?」
「盗賊のアジトですが?」
「なら、僕も……」
「来ないで。迷惑よ。信用出来ないわ。足手まといよ。」
「……」
「行くわよ、アーク。」
「おう!」
名前は確か……、まあ、いいわ。思い出す必要は無いわ。
私達は男を無視して、盗賊が吐いたアジトに向かっている。
どうやら、男は付いて来て無いようね。
アジトに到着した私達は、手際良く盗賊を私の魔法で無効化して、アークが首級と、装備品や所持金を回収していく。
私の魔法で、アジトに居た盗賊を全て処理した後は、盗賊が貯めたお宝を回収するのみという時に迷惑な男がアジトに到着した。
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