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社交界はもう出たくないわ。(中編)

後編は日曜日の9時に投稿予定です。

「冒険者でありながら、国の有事の際に尽力を尽くしてくれた。感謝の意を込めて、我が王族の友人として紹介した。皆、良くしてやって欲しい。」

「ご紹介に預かりました、サラディアナ=レイアースです。そして、私のパートナーのアーク。冒険者パーティーの仲間のリンとセレスです。」


 既に根回しが済んでいるのか、特に目立つ反応は無かったわね。

 さあ、頑張るのよ。

 私だって、伊達に王族の婚約者だったんだから。

 ……千年も前だけど。


 とりあえず、頑張って公爵と侯爵に伯爵までは覚えれたけど、子爵家以下は無理~。


 挨拶が終わり、ダンスの時間までの空き時間に3人程、私達に近付いて来た。


「少し踏み込んだ事を聞きたいのだが良いか?」

「は、はい。答えられる事でしたら。」

「貴女の御両親はレオンハールとレイチェルか?」

「はい、そうです。」

「やはりか!」

「レオンハールは元気か?」

「何も便りが無いがレイチェルは元気か?」

「……」

「どうしたのだ?」

「両親は流行り病で……」

「……そうか。辛い想いをさせて済まなかった。」

「いえ……」

「レオンハールとレイチェルの娘なら我らにとっても娘だ。」

「困った事があれば、何時でも来なさい。」

「勿論、何も無くても来て良いのだからな。」

「はい、ありがとうございます。」


 3人は、私に笑顔を向けて別れた。

 レオナード侯爵、ガザルーハ伯爵、マーサヤマ伯爵。

 この3人はきちんと覚えておこう、と。


 そして、ダンスの時間が来たわ。

 最初は、国王と王妃、次に皇太子と皇太子妃、次は王族、公爵となるわ。

 侯爵以下は、一纏め。

 そして、いよいよ私達の番!

 さあ、と中央が開き、私達の踊るスペースが出来たわ。

 基本は、現代の流行を取り入れた踊りをしながらも、要所要所では、千年前の踊りを組み込む。

 どう!

 最先端の流行と千年前という古典も取り入れた踊りは!


 曲に合わせ最後の決めで締めると拍手が鳴り響いた。

 良し!

 成功だわ!


「上手くいったな、サラ。」

「ええ。それにアーク、格好良かったわよ。」

「それを言うなら、サラだって綺麗だ。あの頃、想い描いた夢が1つ叶った。」

「あら。その夢は私もよ。」


 こうして、儀礼的な時間は終わり、自由時間に入った。

 因みに、リンとセレスは私達用のテーブルで「華」になっていたわ。


 そして、やって来るダンスの申し込み。

 最初は考えていたのよね。

 アークが婚約者だと発表する事を。

 だけど、貴族じゃない私達だと、権力者には通じないから止めたわ。

 とりあえずは、宝飾品でアークとはそういう関係だと見せているけど、何処まで通用するか。


 さて、何人かと踊った方が無難だから、誰を選ぼうかしら?

 ……あら。

 先程の3人も来てくれているわ。

 ありがとうございます。


 こうして、私は3人のおじ様と踊ったわ。

 そして、アークはそのおじ様の夫人と踊っている。

 私達の為に後ろ楯になってくださったおじ様達とその夫人達に感謝しながら踊り、最後は、もう1度、アークと夢の一時(ひととき)を過ごしてダンスの時間は終わった。

 この後は、歓談会。

 それと、リンとセレスは踊っていないわ。

 どうやったかというと、ダンス時の伝統を利用したのよ。

 何でも、怪我を隠して出席した令嬢を無理矢理にダンスに誘い、怪我が原因で転けて顔に傷を負い、これが切っ掛けで最終的には内乱までになったらしいわ。

 それ以降、何らかの理由で踊れない者は、胸に片足の無い鳥のブローチを付ける事になったという訳よ。

 だから、リンとセレスの胸には片足の無い鳥のブローチが付いているわ。


 さて、歓談会だけど、今、王族の第2王子のデリア殿下とお喋りをしているが、話しの殆どが婚約者の惚気だったりする。

 惚気(のろけ)るだけ惚気た後、デリア殿下は立ち去って、少し経つと此方に向かって来ている人達がいる。

 確か、3人以上の貴族令嬢の集団が近付いて来たら注意しろって、流れの冒険者が言っていたわね。

 なんか、それらしい貴族令嬢の集団が近付いて来てますけど?


 何があるか分からないけど、座りっぱなしは良くないから立ち上がって対応する。


「貴女が、サラディアナ=レイアースね?」

「はい。私がサラディアナ=レイアースです。」


 やっぱり傲慢令嬢かしら?

 私に話し掛けた令嬢の髪が金髪で螺旋状だし。

 こういうのを金髪ドリルっていうのよね。

 でも、何故、流れの冒険者は知っていたのだろう?

 ちょっと考え事をしていたけど、向こうも話し掛けずに私を見ていたみたいね。


衣装(・・)は素晴らしいみたいだけど、中身が平民では、ねぇ。」

「そうですわ。」

「リリカーナ様、平民には高度な話術等、理解出来る頭は持っていないので、ハッキリと教えて差し上げるのが誇り高い貴族としての慈悲かと思いますわ。」

「そうよね。貴女!」

「はい。」

「どんな手段を用いて陛下や王族の方々に取り入ったのか分かりませんが、第2王子デリア殿下に媚びを売るのは止めなさい。私は愛妾など認めませんわ!」

「……はぁ!?」


 つまり、この貴族令嬢は、第2王子デリア殿下の婚約者だと。

 そして、第2王子デリア殿下に対して私が色目を向けていた、と思った訳?

 冗談じゃないわ。

 私が聞いた内容は、婚約者の外見も可愛いが、それ以上に、中々結果が付いて来ないが、それでも頑張っている所が魅力だ、とか言われて、私の身体の糖分を口から吐き出したばかりなのよ!



暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。

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