よく守秘義務が発生する。
子供は、恋心で少女になる。
しかし、依頼を受けた次の日が出発なんて、普通なら考えられないわね。
そこら辺りはやっぱり貴族様って事かな?
まあ、私には異空間収納の「倉庫(通称)」が有るから大丈夫だけどね。
そんな事を考えていると、集合場所に到着したわ。
「お待たせしました。」
「此方としましても予定の時間より早く来てくださるのは助かります。」
「貴女は?」
「申し遅れました。私は今回の責任者で、エナリスです。よろしくお願いします。」
「初めまして。リーダーのCランク冒険者のサラよ。」
「アークだ。」
「リンですわ。」
「セレスよ。」
エナリスさんから、注意事項や予定を聞いて、今回の護衛対象の令嬢アルエルン=バルア=ヤーナルダ様を待つ事に。
ちょっと(1時間)待っていると護衛対象が到着したみたいで、エナリスさん達も忙しそうだわ。
そして、後は出発だけになってから、「ご挨拶」に。
「初めまして。ヤーナルダ侯爵が長女アルエルン=バルア=ヤーナルダです。」
「初めまして。リーダーのCランク冒険者のサラです。」
「アークだ。」
「リンですわ。」
「セレスよ。」
お互いの自己紹介も終わり、私は令嬢と専属侍女と一緒に馬車の中で、アーク達は馬車の御者席や馬車の後ろに設置されている席で有事に備えて待機となるわ。
アデラは自走で、移動開始ね。
「はあ、親父には困ったもんだわ。」
そう!
注意事項には、依頼主に損害を与えてはならないと言う考えから、よく「守秘義務」が発生する。
今回の場合はエレン(そう呼べと命令された。)はかなり高額な餌のいらない「猫」を飼っている事を秘密にしないといけない。
「……そうですね。」
「サラもそう思うよな。全く、娘の演技も見抜けないなんて、良く侯爵なんてやっていられるよな。」
「……ははは。」
「サラ。魔法主体になった本当の理由は、私が直接殺りたいからで、親父を誘導するなんて、ゴブリン1匹を殺すよりも簡単だったわ。」
「……はあ。」
「確かに誕生日での我が儘は初めてだけどよ、それ以外の日にも我が儘を言っているんだがな。帰ったら、侯爵家の帳簿を確認した方が良いか? 何処かで騙されて借金を作っているかもしれねぇからな。」
侯爵令嬢らしからぬ言葉使いに辟易しながら、最初の目的地であるワイバーンが居る場所に到着した。
私が馬車から出る、別の侍女が鞄を持って入る。
10分後に馬車から出て来たエレンは、どう見ても近接戦闘が得意な冒険者の格好だった。
「さあ、おっ始めようぜ!」
アークもリンもセレスもアデラも、ドン引きだわね。
一緒に注意事項を聞いていたとはいえ、ここまで酷いとは思ってないだろうから。
エレンの開始の声を聞いた先行組は、弱い攻撃魔法を放ち、上手くエレンの方へ誘導する。
……先行組、最後までお疲れ様です。
護衛の私達が何もしないのはアレだから、先行組に倣って弱い攻撃魔法をワイバーンに向かって放つ。
因みに、ワイバーンは私達に向かってはいるけど、私達に近付けば近付く程、セレスから1番遠い位置を維持しているわ。
本能的に気付いているのでしょうね。
セレスの正体を……。
セレスの正体は、私の従魔で種族進化しているけど、元は、竜族の頂点の「覇天竜」なのよね。
「やっぱり結構むずかしいな。」
ワイバーンは空で、エレンは地上だから、苦戦中。
「どうしますか?」
「サラならどうするんだ?」
「近接戦闘優先なら、ワイバーンの翼を壊して、飛べない様にします。」
「ソレ採用な。ワイバーンを地上に落としてくれ。」
「はい。分かりました。皆、右腕ね。」
「おう!」
「分かりましたわ。」
「分かったわ。」
リンとセレスの魔法でワイバーンの気を逸らして、私の雷系魔法で麻痺させて、アークの拳の一撃でワイバーンの右腕を折る!
「ギョアアアーーー!」
ワイバーンは上手く飛べなくなり、落下して追加で落下ダメージも受けたわ。
「ギョアアア……」
「上出来過ぎだぜ。……おらぁ!」
「ギャアアア!」
「おらぁ! おらおらぁ!」
しかし、ワイバーンもそれなりの有名なモンスターで、反撃を狙っていた。
「ガァ!」
「危ない!」
「え!?」
ワイバーンはエレンの僅かな隙を突き、尻尾攻撃を仕掛けたが、それをアークが守った。
「大丈夫か?」
「……は、はい。」
ん?
「後、もう少しだ。頑張れ!」
「は、はい!」
んん!
「そうだ、その調子だ!」
「はい! アーク様!」
んんん!?
アーク「様」!?
「そこで止めだ!」
「はい! アーク様!」
「ギッ、ギャアアア……」
「良くやった!」
「やりましたわ、アーク様!」
確定。アーク、ギルティ!
そして、笑顔でアークに抱き付くポーズで駆け寄るエレンだけど、途中で重大な何かを思い出したかの様に、ピタッと止まり、腕や胸元を自身の鼻に近付ける。
……ああ。なるほど。
となると、次の行動は……
「エナリス。湯浴みの準備をしなさい!」
「……は、はい。直ちに。」
やっぱり。
1時間後、これから夜会ですかという感じにビシッと決めた侯爵令嬢エレンがアークに話し掛ける。
「見て頂けましたか?」
「あ、ああ。」
「嬉しいですわ。アーク様、こんな野蛮な事をする私はお嫌いですか?」
「いいや。」
「……そうですの!」
次の狩り場に行くが、馬車に入る人物に変更が出た。
OUT私、INアーク。
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