黒幕の本拠地へ。
此処から、最終章です。
「準備が整いました。」
「分かりました。」
文官の人が出番を伝えられた私達は、扉の前に待機して、扉が開き大袈裟に名を挙げられる。
私達は所定の位置まで進み、片膝を着く。
「面を上げよ。お主達に褒美を与える。」
「有り難き幸せ。」
「宰相。」
「はっ! バジリスクの討伐。及び、バジリスクの毒により危機に瀕した村を救った功績に、白金貨20枚を褒美とする。」
文官が持って来た袋を私は恭しく受け取る。
「これにて終了とする。」
貴族の前でする、国王陛下の株を上げる茶番劇は終わり、移動して「当事者の生の声を聞く。」という王族とのお喋りが始まる。
「冒険者ギルドでは、正体不明扱いだから、村には手掛かりは無いと判断したから、最初から周りの調査をしたわ。」
「ふむふむ。」
「そしたら、沼地にはバジリスクが居たという訳よ。バジリスクを倒して、皆と協力して沼地を湖に戻して、村人達には私が作成した解毒のポーションで村人達に解毒していったわ。」
「ほ~。」
因みに、アデラはセリアが、スノーは侍女のマイヤが、アリスは王妃がもふもふしながら占拠している。
キャイ~ン! メ~!! ピキョッ!!!
私からの手紙が届くまでは、国王は今度こそ、私を貴族にするんだぁ~と息巻いていたみたいだけど、私の手紙を読んだ後は目に見えて意気消沈していたらしい。
……そんな事は知らないわよ。
あれから、半年が過ぎ、私は知り得る全ての大召喚師ローレライ様の資料を回収して、研究して自分のモノにして成長していった。
アデラも氷神狼として立派に成長し、スノーも強くなり、鑑定で見た文字化けも判明した。
「成長すると大型捕食者を越える敏捷性と膂力を持ち、更に成長すると殺気を辺りに充満させ、殺気に呑まれた者は見えているのに見えない様になり、距離が10cm以上を離れていれば、致命傷になる爆発を伴う頭突きをする。」という内容だったわ。
アリスも強く成長して、見事に首狩り兎になったわ。
……私としては、偵察とか、撹乱等の方面で成長して欲しかったんだけど、何故か「首狩り」に存在意義を見出だしている始末。
……何処で教育を間違えたのかしら?
まあ、しょうがないから、アリスの個性を尊重するわ。
後、未だに消息不明のエリオ達の脱獄を利用して、王族から権力を借りて里の里長の大召喚師ローレライ様の資料を回収して、私の研究は完成したわ。
これで、謂わば「座学」は終了。
残りは生涯を賭けての研究と実戦有るのみよ。
それと、ディエゴ宰相が私を調べる過程で、母方の家系を辿ると伝説の大魔法使いと繋がるみたいね。
私の魔法が若干規格外なのはそれが原因かしら。
屋敷でのんびりしていると、宰相からの手紙が届き、内容を確認すると私達は王宮に向かった。
私達は王宮に到着して、何時もの応接室でディエゴ宰相と話し合う。
「手紙に書かれた事は本当ですか?」
「ええ。サラさんの報告から、西方の国『ソイルグラン』を調査と内偵をしていましたが、何か大きな事をする動きが有った様です。」
それと、内偵等の調査の結果、西方の国ソイルグランは国を上げて召喚士を育成していると報告から知ったわ。
「……そうですか。」
「行かれますか?」
「召喚士として無視も出来ないからね。」
「分かりました。無事に帰られた時は、かなり豪勢な料理を用意しておきます。」
「ありがとう。」
その日は私達はセリアとマイヤと同じ部屋でのんびり過ごしたわ。
翌日
屋敷にはスノーを、王宮にはアリスを護衛として置いて、私達は西方の国ソイルグランを目指した。
普通の馬車なら1ヶ月以上は掛かる距離をアデラは2週間で走破したわ。
私達が到着したソイルグランは建国1千年記念の大祭典で今日が最終日だとか。
私達は内偵と連絡を取る為に、指定の屋敷に向かった。
指定された屋敷に到着した私達は、指定された合言葉で中に入り、調査報告を聞いた。
「大変な事が分かりました。」
「どんな内容ですか?」
「どうやら、この国は一部の者達が裏で王家を支配しています。そして、今日を持って大秘術が完成して、黒幕達ですら恐怖を抱く強大な『力』が手に入るみたいです。」
「……そんな!」
「サラ殿! お願いします。我らと協力して奴らの野望を打ち砕く為に手を貸してください!」
「元よりそのつもりよ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、時間は無いわ。早速、行くわよ。」
「我らはそれ程の戦闘力を持っておりませんので、撹乱等をしますから、サラ殿達は王城に入り、黒幕の野望の阻止をお願いします。」
「分かったわ。」
「今日は大祭典の為に、平民もある程度は王城の中まで入れます。急いでください。入城出来る時間が迫っています!」
「それじゃあ、私達は行くわ!」
私達は王城に向かうと、途中から妙な感覚に襲われた。
別に何か不調や痛みが有る訳ではなかった。
でも、直ぐに異変が分かった。
私達は周りが見えているのに、周りは私達を認識出来ず触れる事も出来なかったわ。
全く大層な魔法ね。
そう思った時に、出会いたく無かった懐かしい再会があった。
「……やっぱり来たか。」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




