落ちこぼれサラ
初の女主人公。
とりあえず、1時間毎に1話の合計5話投稿します。
「やーいやーい。落ちこぼれ召喚士のサラが、また召喚に失敗したぞー。」
「くっ。」
私の名はサラディアナ=レイアースで通称サラ。
この召喚士の里の生まれ育った。
この里では、誰もが11歳になると「召喚の儀式」を行う。
この「召喚の儀式」を成功する事で、晴れて里の一員として認められる。
また、この「召喚の儀式」は、失敗しても13歳までなら、何度でも挑戦する事が出来る。
まあ、何度でもと言っても、月に1度だけどね。
私は最初の「召喚の儀式」をするまでは、両親や里の皆から期待されていたのだけど、失敗に終わった。
最初の内は、里の皆も励まして応援もしてくれたし、慰めてもくれたわ。
でも、流石に失敗が1年以上も続けば変わる。
何時しか、私の呼び名は「落ちこぼれサラ」になった。
特に態度が変わったのが、里長だった。
私の召喚士としての潜在能力は、ずば抜けていて、里の創始者の「大召喚師ローレライ」に迫るとまで謂われていた。
その分、落胆も大きくて態度が酷くなった。
最初は実の孫の様に接していたのに、途中からは肉親の敵の様に接してくる。
私の両親は、そんな私でも暖かく迎え入れてくれる。
「愛している。」、「何時でもサラの味方。」
と、言ってくれる。
だから、私は少しでもと思い、召喚だけで無く、様々なモノに手を出したわ。
「格闘術」や「魔法全般」に「薬学」、そして「刀剣術」を学んだ。
不思議な焦燥感に襲われる時も有るけど、これ等が召喚に繋がればと……
しかし、それでも駄目だったわ。
幾ら、召喚以外なら、里の頂点に立っても、肝心の召喚が駄目では意味が無かった。
私は、召喚するに当たって私自身の「器」が小さいのかもしれないと思って、両親の制止も聞かず、里の外に出てモンスターの討伐を始めたわ。
でも、召喚士になっていない者が里の外に出てモンスターの討伐をするのは自殺行為だけど、私は正に死に物狂いで討伐を続けた。
そして、私は私が出来る全てを尽くして、「最後」の「召喚の儀式」に臨む。
「サラ。どんな結果であっても私達の娘で有る事には代わり無いわ。」
「サラ。行っておいで。」
「はい。見てて、お父さん。お母さん。」
「サラディアナ=レイアース。召喚の儀式の『祭壇』へ。」
「……はい。」
「どうせ、失敗に終わるさ。」
「そうそう。落ちこぼれサラが成功する訳が無い。」
「時間の無駄だよなー。」
「失敗するんだから、早く終わらせろー。」
「黙れ! 例え、どれ程の落ちこぼれだろうと、『召喚の儀式』は神聖なモノだ。」
「……」
「さあ、サラディアナ=レイアース。始めなさい。」
「召喚士サラディアナ=レイアースが天地の間にて請い願う。再生の痛みを受け入れ、悲嘆の殻を破り『輝魂樹』より覚醒せよ。差し伸べられた手を繋ぐ勇気を胸に。出でよ、我が同胞よ!!」
(これが最後なの。お願い成功して!)
本来なら、私を中心に魔法陣が直径5mくらいなのが、今、祭壇を越えて、直径20mくらいに拡大している。
更に、召喚される従魔の属性で、魔法陣から溢れる光の色が決まるのだけど、今、溢れる光が「金」と「黒」の2色。
どちらか片方だけでも前例が無いのに2色なんて!?
「金」と「黒」の2色が激しく輝いた後、私の前に1人の少年が立っていた。
外見は、私より頭1つ分高くて、瞳の色が「金」で、髪の色が「緋」。服装は基調色が黒で、所々で「青」と「金」。
顔は野生系よりかな。
まあ、外見は合格。
……やだ、私は何を考えているのよ。
それよりも、私はやっと召喚の儀式を成功したのよ!
「君が俺の主人か。契約を行う。俺に『名』を授けてくれ。」
「……」
「おい。主人。返事をしろ!」
「はっ!?」
「目が覚めたか。契約を行う。俺に『名』を授けてくれ。」
「あ、名前ね。」
「そうだ。」
「貴方の名前は『アーク』よ。」
「契約は為された。これより俺の名は『アーク』。主人よ、君の名は?」
「私の名は『サラディアナ=レイアース』よ。『サラ』と呼んでね。これからよろしくね。」
「ああ。よろしく。」
「……、ウソだろ?」
「落ちこぼれサラが成功した!?」
「……、良く見ろよ!」
「あ、ハズレの人型だ!」
「あれ程、派手な召喚で人型? やっぱり落ちこぼれサラは落ちこぼれだった!」
「黙れ! これにてサラディアナ=レイアースの『召喚の儀式』は終了した。」
「良かったな。」
「良かったわね。」
「お父さん。お母さん。やっと成功したわ。」
「「おめでとう、サラ。」」
「帰って、お祝いしなくちゃね。」
「うん。」
私は家族と私の従魔になったアークと一緒に実家に向かった。
でも、不意に里長を見ると険しい顔で私達を睨んでいた。
その日の夕食は今まで1番豪華な内容だった。
私はいつ以来か分からない程に余裕が無かった食事を久しぶりに心から楽しんだ。
アークも、楽しんでくれたわ。
因みに、普通は召喚士の従魔は召喚士が喚ぶまで異空間に居るものだけど、出しっぱなしでも問題無い。
まあ、出しっぱなしだと、食事代等の経費が発生するけど、私はアークと居たいから構わない。
「はい、サラ。」
「これは何?」
「これは、お父さんとお母さんの、サラが召喚の儀式が成功したからご褒美の贈り物だよ。」
「開けて良い?」
「良いわよ。」
開けると、中から召喚士用の「召喚の指輪」が2個だった。
この「召喚の指輪」は、召喚士が従魔を召喚する時に使う物で、別に無くても召喚する事は出来るが、有れば、召喚士の負担が激減するから召喚士は装備している。
2体目以降は才能が有る者でも難しい。
召喚に契約、そして、維持も。
2体以上の従魔は召喚士に重い負担を強いられる。
指輪の軽減を持ってしても。
だから、複数の従魔を従えられる召喚士は、偉大であり、英雄扱いされる。
里が出来て以来、複数の従魔を従えた召喚士は、大召喚師ローレライを除いて里の歴史上千年で10人しか居ない。
因みに、2体目以降の従魔は自由だ。
「輝魂樹」からの召喚は、1体目を契約出来た時点で、場所も自由になる。
そして、従魔が何らかの原因で破壊や死亡した場合は、新たに従魔と契約する事が出来る。
また、在野の野良のモンスターや精霊、そして、神霊を従魔にする方法は様々だが、契約する事で従魔にする事が出来る。
後、「輝魂樹」とは何かという疑問は私も持ったから調べてみたけれど、結局は大召喚師ローレライ様が残した手記の内容しか解らず、「輝魂樹」とは、この世界で曾て「勇者」や「英雄」や「賢者」と称えられた者から、何かを成し遂げた者や、成し遂げられなかった者が眠る場所で、少しずつ変質していき「獣」と為る場所。
人の時の「想い」が強すぎると「獣」に変質してなお「人」としての意識や記憶が残る従魔がいるらしい。
「召喚の指輪が2つ?」
「サラは絶対に偉大な召喚士に成ると信じているわ。
だから、里の創始者と同じ様に3体の従魔を使役するだろうから、2つだよ。」
「え、でも凄い高いのに……、って、良く見たら最高級の指輪じゃない!」
「いいんだ。」
「『いいんだ。』じゃないわよ! 既に私は1つ持っているのよ!」
「サラが大事だからだよ。」
「サラが大切だからよ。」
「……お父さん。お母さん。ありがとう。」
「良かったな、サラ。」
「ありがとう。アーク。」
私は2つの指輪に血を一滴垂らして、所有者登録をした。
これで、私は召喚の指輪を3つ。
「朱」、「蒼」、「翠」色の1つの指輪に1つずつの「宝珠」が付いている。
こうして、私は両親と喜び、楽しい時間を過ごしたのです。
……『最期』の。
翌日
「おはよう。お父さん。お母さん。」
「……お父さん?お母さん?」
「……!?」
「お父さん!? お母さん!?」
「どうした、サラ?」
「何時もなら起きている筈のお父さんとお母さんが居ないの。」
「部屋にも居ないのか?」
「まだ行ってないわ。」
「行ってみよう、サラ。」
「分かったわ。」
「開けるよ?」
「……お父さん!お母さん!」
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