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Letters  作者: 橘月鈴呉
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ひきだしに届いた手紙 一通目

ラヴィアに似た花の絵が描かれた、薄藍色のレターセットに書かれた手紙。

宝石箱の向こうの貴方へ


 初めまして。お手紙有り難うございました。

 ちゃんと届いていますよ。というか、いきなり思わぬ処からの手紙に、とても驚きました!

 魔法? 魔法なんですか? それに別世界からの手紙っ!?

 もう驚く処だらけで、混乱状態です。でも、すごくわくわくしながら、このお手紙を書いています。

 平行世界、パラレルワールドというものの存在を夢想する考え方は昔から、ボクたちの世界にもありますが、貴方の世界と同じく、夢物語という認識です。だから、本当にこのお手紙は驚きました。

 さっきから、同じことばかり書いてしまっていますね、すみません。でも本当に驚いたんです。

 貴方のお手紙から察すると、貴方の世界には魔法があるんですか? それにもビックリっ!

 ボクの世界に魔法はありません。魔法も、平行世界と同じくファンタジーの、物語の中だけの空想の産物です。でもボクは、そういうファンタジーがとても好きなので、貴方の世界の魔法にとても興味があります。色々教えてくれたら、嬉しいです。


 貴方が手紙を送ったのはひきだし……机なんですね。貴方の手紙が届いたのは宝石箱でした。

 これは元々お祖母ちゃんの物で、ボクも形見としてもらいました。お祖母ちゃんも魔法の宝石箱だと言っていました。どんな魔法なのかは教えてくれなかったけど、時々中を確認すると、何時か不思議なことが起こるかもしれないと言っていました。その言葉を丸々信じたわけではないけれど、でも魔法とか好きなので、時々確認してたんです。そうしたら、無かったはずの可愛い便箋が出て来てビックリっ! 中を読んでもっとビックリっ!!

 これから、末永く文通出来たら嬉しいです。


 ボクのことも知りたいということだったので、恥ずかしいですが、ボクのことも少し。

 ボクはもうすぐ貴方と同じ十四才になる女の子。中学二年生です。

 学校の制度も違うんですね。これも気になります。ボクの国では、六才から六年間の小学校、十三才から三年間の中学校。この九年が義務教育で、その後に三年の高校、四年の大学と続きます。

 成績は、得意な社会や国語、理科は良いんだけど、苦手なのはちょっと恥ずかしい感じです。運動もそんなに好きじゃない、かな。

 本を読むの、ボクも好き。特に好きなのは、さっきも書いた通りファンタジー。だから、貴方の世界の魔法に、とっても興味があります!

 だから、もっと貴方のこと、貴方の世界のこと、教えてください。


 お返事、待ってます。


宝石箱のこちらから

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