１４話 最弱の魔物と弱点とメロリアの思い
メロリア曰くスライムは核というものを体内に宿しており、そこが弱点らしい。
先ほどからその核の位置（目でわかる赤い色の場所）狙い続けては攻撃を俺は繰り返すがそこまで届かず、メロリアに助けてもらいを何度も繰り返している。その繰り返しで俺はイライラしていた。
「ふざけんな！俺が負けるはずねぇーんだ！喧嘩だって一度たりとも負けだことねぇ！！負けるはずねぇーんだ。」
「ハルヤさんーもうそろそろお開きにしませんか？分かりましたでしょう？これでも最弱の魔物といわれているんですよ。ズボンの裾が溶かされてボロボロじゃないですかー。」
「うるせぇ！弱点まで教えてもらって勝てねーとか俺じゃねー！！」
「ハルヤさん普通魔物と戦闘するのに武器を持たずにして勝てる人はいませんよぉー。そろそろ暗くなる前に・・・」
メロリアはもう帰りたそうに俺のことを見るが俺はまだ負けてはいない。自分が負けてねーと思ったら負けてねーんだ。
「暗くなると強い魔物が出てきますし、危険なんですって・・・」
というメロリアを無視しスライムが新たにでてきたので俺のケリをかます。そして飲み込まれるの繰り返しだ。スライム自体鈍いので当たることは当たるが飲み込まれる。くそこれは使いたくなかったんだけどな。
「メロリア見てろよ。これが俺の本気だ」
「はぁ・・・」
俺はミサンガをこぶしに取り付け、飲み込まれた足をそのままスライムをS極俺の拳もN極に変換。
ミサンガが光りだす。
「オラァ！食らいやがれ！！磁力の拳を」
俺は全力でスライムを殴りつけると核以外すべて吹き飛ばす。
相変わらずすごい威力だが、その反動で腕が痺れる。
グシャと音を立てスライムは光となって消えていった。俺はどや顔でメロリアに告げる。
「おら！見たか！弱点とか関係ねーんだよ！！」
メロリアはその光景をみて呆気に取られている。
「もう無茶苦茶ですね・・・力技じゃないですか・・・魔道具最初から使ってくださいよ」
「これ使うと拳がやられるんだよ！あと自分の実力じゃねーみたいじゃねえか」
「卑怯が得意とか言われてたって言ってたじゃないですかぁハルヤさんの十八番でしょう？」
まあそれを言われてしまうと俺もちょっとなんもいえなくなるからやめてくれ。
「ハルヤさんの世界の方は魔力適性がないと憎悪の心が膨らむんでしたっけ？魔道具の使用で。」
「そうだ。」
「でもハルヤさんはある程度適性があるから使っても問題ないというわけですね。まあもともと悪の心で染まってそうですもんね。」
「うるせぃ。俺は正義の鉄拳をかましただけだ。あんまりごちゃごちゃいうと俺とお前の身体を同じ極に着けてセクハラするぞコラ」
「ほんとセクハラ変態ハルヤさんですね。もう慣れましたけど。顔はいいのに残念な人です。」
なぜか頬を赤く染めているメロリアを一瞥し、俺は痺れが取れてきた腕のブラブラと動かし、大丈夫なのを確認し。電磁力と重力の魔道具（黒のミサンガ）を取り外しポケットに入れた。相変わらず反動が凄いぜ。これを何とか調整できればなぁと俺は思ったところで。
「ハルヤさん帰りましょう。流石に今日はお開きです。満足しましたでしょう？」
「ああ、まあ多少はストレス解消になったかな。今日は帰るか。」
と当たり前のように俺たちはメロリアハウスてか同棲じゃね。と内心ドキドキしている俺。（彼女いたことなし。）は家につき。入れるようになった風呂の中にメロリアより先に入らせてもらう。
その間にズボンの裾を直してくれるらしい。
何となく風呂の中で照れ臭くなった俺は顔を風呂に沈め、拳を握りしめた。
「俺が絶対あいつを外に連れ出してやる。そのついでに魔道具を流している犯人を突き止めるで今後の目標はいいかなぁ。てかツキは元気なんかな。」
目的が何となく違くなっているような気がするが、まあいいだろう。というかメロリアと生活してから前の俺がどんどん消えて行ってるような、柔らかくなったような。そんな気もしてきて。自分の頬を叩いた。
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そんなほんわかとした日常を繰り返しているわけにもいかずとうとうある日俺はメロリアに提案をした。
「なぁメロリアをそろそろこの森をでないか？」
「・・・」
「おい、聞いているのかメロリア」
メロリアは黙ったまま俺のほうに顔を向ける。
そして数分後俺にこう言った。
「・・・私たちでこの森で暮らしていくのはダメでしょうか？いえごめんなさい。ハルヤさんには目的があるんですよね。わかっていますけど。私、こんな生活も最近悪くないなと思っているんです。一緒に生活をして、たまに森の中に入って、ご飯を一緒に食べて、ハルヤさんの性格もだんだんわかってきましたし、ちょっとお馬鹿さんでえっちでたまに粋がりますけど。二人でここでずっと暮らしませんか・・・」
俺は固まったそんなこと言われたことはない始めてだ。メロリアは顔を真っ赤にして俺にそう告げる。
確かに俺もこんな生活でも悪くないのかなと思うときがある。ただ日本にいるツキを含めたみんなもいるし、いつまでも個々にとどまって居るわけにはいけない。ユルとの約束もあるしな。
でもこいつといると俺の心がどんどん穏やかになっていくのを感じているのは確かだ。
俺はメロリアのことは嫌いじゃない。なんなら好きなほうだ。それが恋愛としてなのかは俺にはわからない。何度も何度も葛藤して結果を下した。でもこいつは俺にありえないほどの提案をしてきた。
だからこそ外に出してあげたい。いろいろな世界を見してあげたい。いつか俺の友達を紹介したい。そんな思いと同時に湧き上がってくる。このままでもいいんじゃねーかという二つの考えが浮かび上がる。
ユルとの約束もあるが、この世界でたった一人の人と出会って、生活を繰り返しているうちに迷いがどんどん生まれ、考えたくなくなった。だからこそ今日思い切って提案をしたんだが、また迷ってしまう。どんどんどんどん迷いが増えて訳が分からない。そんなこと言われてしまったら。俺にそんなこと思ってくれている人がいるとは。
実は過去に何度か告白まがいなことはされたことはある。だがそれは俺の学内カーストとか顔や外見をみて判断した結果のことであって、性格すべてを受け入れてくれたのは初めてかもしれない。ツキもその辺はわかってくれているが、あくまでも幼馴染。そういう感情を抱いたことはない。
「お前、いやメロリアそれはどういう意味だ？」
「・・・」
メロリアは黙ったままだ。俺の次の言葉を待っているのかそれとも、自分自身何を言っているのか理解ができていないのか。
どちらもうつむいて時間がどんどんたっていく。
そんな気まずい状況の中俺は耐えられなくなり、ってか俺どうしちまったんだ。
「俺もお前と一緒に、いやメロリア・ルイーネこのままの生活も悪くないなと思い始めていたんだ。でもメロリア、お前も両親を探す目標があるんだろう。何度も葛藤したお前は俺のことどう思ってるんだ」
「私は多分ハルヤさん貴方が好きです。人として友人としてではなくこれは恋愛感情です。」
とメロリアはいうと大きい胸を強調しながら俺に徐々に近づいてくる。整った顔の頬を紅に染めながら、だんだんと、俺は硬直したようになり動けない。なんでだ、俺はこんなドキドキしてるんだ。俺様はこんなはずじゃないはずだ。役目が。
と考えているうちに二人のシルエットが重なった。
俺たちの間につーっと銀色の橋ができあがる。
あっさりとした俺のまさかの初めてのキス。それはとても俺の心を迷わせる。このまま抱きしめて押し倒してしまいそうだ。
だが俺には・・・
「クソッお前が悪いんだからな！」
といって俺はメロリアをベットに押し倒す。
どきどきと俺の心臓が高鳴るのがわかる。いいのか？本当に。このまま進んでしまっていいのか？
俺の目標は・・・
潤んだ目でメロリアは俺を見つめる。
「ハルヤさん・・・来て」
俺はまた迷うこれで本当にいいのか。
「・・・あ、あダメだメロリア正気を取り戻すんだ。なんで俺なんだ！お前今日おかしいぞ！」
「ハルヤさん・・・私に恥を欠かせないでください。それともやっぱりツキさんの方がいいんですか？」
「なんでツキが出てくるんだ！関係ないただ一時の感情でお前のことを・・・」
「・・・私じゃダメですか？」
メロリアは俺の手を取りその豊満な胸に手を導く。
こんなに柔らか・・・じゃないわ。だめだこれから俺は目的・・・目的を理由に俺は葛藤してるだけなのか？ただ俺はこの子を外にだして上げたい。こんなところに閉じ込めるような生活をさせたくない。
だが拒否したらこの子を傷つけてしまうかもしれない。そして俺様とあろうお方は童貞である。上手くできなくてこの子をもう一つの意味で傷つけてしまう。俺様は意外とチキンなのか。
俺は強くメロリアの方を強くだいて俺気持ちを告げる。たとえ傷をつけてしまっても。
「メロリア！俺はお前のこと好きだ！だからこそお前を大事にしたいそして外の世界に連れ出すきっかけになりたいんだ。だからそのときまで待ってくれないか。」
「・・・ハルヤさん。」
メロリアは俺の目をみて涙を流した。
やばいどうしよう。やっちまったのかこれおい難しい女の子難しい。
メロリアは一呼吸おいて。俺にこう告げた。
「ハルヤさん・・・では今日は一緒に寝てくれませんか？そしていつか絶対に一緒になってください。外の世界を私に。そして魔道具の犯人を突き止める。私の両親を探す。この三つを約束してくれませんか？」
「ああ、お前の気持ち大事に受け止める。約束する。」
俺はなぜかほっとした気分になってしまった。ばつが悪い。だがメロリアは笑顔うかべた。
俺はこの子を守る。そう決めた元卑怯でハッタリなヤンキーで絶対に。
