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転生?チートからの世界征服  作者: ash
少年期
5/21

4 子供事情と初魔法


多数の方に

評価、ブクマを頂まして感謝しかありません。

これからもお付き合いのほど、よろしくお願いいたします

すがすがしい気持ちの目覚めだ。

記憶の中でもこんな朝は初めての経験。

魔力の枯渇による倦怠感。

それがまるでない。

体中に魔力が溢れている感覚だ。


 《これほど違うのか。

  今まではなんだったのだろう?

  やはり自動放出の解除?

  あれが原因なんだろうな…

  んん?

  おかしい。まるで俺が

  武丸みたいじゃんか。

  いや、俺はもう武丸なんだよな

  あいつは俺であり、

  俺はすでにあいつなんだ》


すでに俺と武丸は同化している。

その記憶も別の人間ではなく、

同じ人間として捉えていて

なんか少し怖くなった。

でもまぁ思いに耽る必要もないだろ。

すでに同一であり心も同化したのだ。

すがすがしい朝に俺は感動したことはない。

だって当たり前だったから。

でも武丸だった心は感動した。

だから、俺も感動した。

だから今の俺は感動する。

それだけだし、そんなことこれから

たくさんあるはずだ。


とりあえず、

今までの武丸の習慣にならって

朝の行動を開始する。




本来、武丸の年齢だと私塾に通う。

しかし、そこは領主の長男。

武丸には家庭教師?が付いていたが

それもすべて

武丸が成長しないが為にクビとなり

それ以降、

武丸があまりに病弱なこともあって

新しい教師も付かなかった。


武丸は朝食を済ませると

お弁当を持って

以上に広大な屋敷内の庭の隅で

1人ぼーーーーっと過ごす。


昼過ぎになると

私塾を終えた、付き人兼友人役?の

梵天が迎えに来て


武丸の様子を見ながら

2人でかるーい鍛錬をして

自室に戻る。。

最高につまらない日常を送っていた。

まぁ、魔力も半枯渇した武丸では

それが精一杯だったのかもしれない。


あっ梵天は、倒れた俺を担いでくれた奴で

武丸にとっては幼馴染でもあり、兄弟だ。

武丸は正妻の息子。

梵天は妻ランキング8位の息子。

父の妻は現在8人で、最下位の妻である。

もともと農民の出身で

父の手癖からの子というのもあり、

ある意味、梵天は最初から

武丸に仕えることが決まっている。

それを梵天がどー思ってるかは

知らないが、武丸にとっては

唯一、心を許せる相手なのは確かだ。


まぁ梵天は異常なほど

武丸至上主義であり、二心があるとは思えないが。


武丸は…というより

蘆名家では、だれかと囲んで食事はしない。

父も母も姉もそして武丸も

個々で食事をする。

父はここから20kmほど離れた

蘆名の首都 東都で政をするため

会うことなどあまりなく

母は、離宮で暮らしているため、

まず会うことはない。

離宮とは女性のみが暮らす場所で

父以外の男子は、

踏み入れることのできない場所なのだ

もちろん、姉もそこにいる為

むこうが会いに来なければ

正月以外に会うことはない。

武丸ももう半年ほど姉には会っていない。


この世界も365日でもちろん四季がある。

今は6月の初旬だ。

まぁそんなわけで

俺は朝食を食べるために板の間に向かった。

なぜ俺が板の間に向かうかというと

内緒の朝飯を食べるためだ。


この屋敷。

要は平屋の30LDK的な感じだ。

20畳程度の部屋が襖で連なってる

昔、修学旅行でいった、

どっかの将軍の別荘のようだ。

どっからどこまでが庭?も広い!

山まで存在する始末だ

もちろん出入り口には警備もいるようだが、

出入り口以外からでも

平気ではいれるようにしか思えない。

まぁ完全に異常な敷地の別荘と言える。

いや、自宅なのか。


話がそれたけども

つまりこの屋敷。。

基本的に俺しか蘆名の人がいないのだ。

女性は基本的に離宮にいて

父も離宮に帰って離宮から出仕する。


梵天などの外兄弟も

敷地内にはいるが、街に程近いところの

屋敷に住んでいて

基本的にこの屋敷(本亭)に

入るは許されない。

この屋敷はいわば父上の住まいなのだ。

第一夫人の男子の子。

つまり、俺以外は住まうことも

当然、入室することも禁止である。

まぁ梵天は武丸を送るために

毎日来てはいるが

屋敷に入るには

父の指示がなくては許されない。

とはいえ、

父上はここには帰ってこないのだから

優遇されているのか、

隔離されているのか、

結果でいえばわからないが、

少なくともここは蘆名の本亭で

俺以外に住まう者はいない。



実はここで板の間が出てくる。

板の間は本亭に隣接されていて

基本的には使用人たちが

ご飯を食べるところだ。

蘆名の直系が誰もいないからこそ

この板の間が武丸にとって

唯一の場所だったのだ。


俺が板の間に入ると

「おはようございます」と声がかかる。

そこには梵天と5人の兄弟が

座っていた。


そう、ここは武丸をはじめとする

蘆名術方王堂水の息子たちの

朝の溜り場なのだ。


実は蘆名の男兄弟は、

すごく仲のいい兄弟なのだ。


父がはっきりと正妻を決めている

というのも一因なのだが

「蘆名は女性は皆、離宮で過ごす」

というのが父による絶対である言葉があり

残されたのは子供だけだ。

しかもなぜかほぼ近しい年齢である為

子供男子は結束した。


正妻の息子である武丸がいて

それに対して忠義を尽くすという教育を

生まれながらにしている以上

皆、武丸をたてるのは当たり前なのだが

この集団の男たちは

なぜか全員、武丸至上主義だった。


それはもちろん、

武丸の醸し出すのいわばカリスマなのだが

実際において

漆黒の瞳と最強の魔力量…ダダ漏れだった。

書物による知識…ヒマだっただけ。

そして、あどけなさはあるが甘いマスク。

そして確約された跡取りという立場。


まぁいろんな意味でいえば

武丸はカリスマとしても申し分なかった。


そんな訳で、朝だけは皆で集まって

共に食事をするというのが

この息子たちのスタンダードになっていた。


 「ご体調はいかがですか?」


梵天は武丸が座るなり質問してくる。

その顔には不安がいっぱいで

本気で武丸を心配しているのが伺える。

他のやつらも同じような表情をしていることから

俺はなぜかみんなかわいく思えた。


まぁそれはそうだろう。

精神年齢からすれば、

現在の俺は27歳。。彼らより17歳以上年上だ。

 

 「大丈夫だよ」


俺は短く答えて席に座った。


そうすると、全員が食事を取り始める

が……

今日は違った。


全員が俺を凝視している。


 「どうした?」


と俺が言うと、なんかもじもじしている。

意を決したか、梵天が話す。


 「武丸様 今日はいつもと違うように感じます」


なぜか、全員がその言葉に頷く。


 「そうか。

  いや、今日は気分がいいんだ」


俺は、答えた。

そうすると、全員が安堵の表情を浮かべて

食事を取り始めた。


しかし。。。。。。。。

なんだこの朝食は???

朝は元気の源だろ。

確実に量が足らない。

結果、4膳はおかわりをした。




とりとめない話が終わって

朝の食事の解散となった。

俺は俺でこれから自分の為に

動かなければならない。

少し足早にその場を離れようとした。

なぜか、全員が怪訝そうな目で俺を見ていた。


朝の儀式?が終わって

俺は、敷地内でも人目に付かない場所に移動した。

もちろん、この全快した魔力を放出するためだ。

魔法…それはドラマだ。夢だ。ロマンだ。

俺だってそう思う。


武丸は相当魔法の勉強をしていたらしく

本なんかいらないぐらい知識は満載だ。

とりあえず、父のように火の魔法から。

定番の火の玉を打ってみる。







でない。。


この世界は魔法に詠唱は要らない。

イメージで作り出す。

そのイメージは鍛錬と経験から生み出すものだ。

しかし…

どんなに火に玉をイメージしてもなんも出ない。

手のひらに魔力を溜めても四散するだけ。


 「うんんんんん-んん」


まぁそりゃそうだ。

武丸だって、常に多少は魔力が残っていた。

出来たのなら、一発ぐらいは打てただろう。

ではなんで俺は…武丸はできないのか?

魔力はある。放出も一応できる。

コントロールだって現状なら可能だ。

なにが足りない。


あまりに魔法が放出できなくて

飽きてしまった俺は、寝そべりながら考えた。


父が昔、何度も武丸に見せてくれた

魔法を使う時を思い返した。


なにが違うのだろう…


まぁ目の色が違うぐらいだ。。

んん???

そうか!!目の色が違うのか。。

ってそれってどうしようもないか。。


つまり無属性の俺は違う魔法を探さないといけない。

もしかしたら、放出方法も違うのかも。

ちょっと嫌気がさしてきた。

そうなると、努力しても無駄ということになる。

昨日と同じ青空を寝そべりながら眺めて

俺は意気消沈した。


まず、無属性で魔法が使える人間を探すか・・


文献に出るほど希少な存在の無属性。

しかも魔法を行使している人間を

どうやって探すのか?途方にくれる。


赤みを帯びた瞳で魔法を放つ父を

思い浮かべて、改めてかっこいいなって

思ってしまっていた。



寝そべりながら青空に

両手をかかげてみた。。子供の小さい手だ。


父のようになるには、

いくら魔力量があっても長い鍛錬が必要なのかも。

完全に諦めモードの俺は

父のように赤い瞳をイメージした。

どうせなら、何らかの色の瞳で生まれてくればと…

そして、大きな火の玉をイメージして

青空に掲げた手首を軽くひねった。

そうすると、今までになかった

魔力が抜ける感じがした。


不思議だろ?

俺の目の前には青空じゃなくて

まるで新しい太陽のような

火の玉が、天に向かって昇っていた。



ここまで読んでくださってありがとうございます



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