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転生?チートからの世界征服  作者: ash
少年期
2/21

1 新しい人生


よろしくお願いします。



残念ながら

彼はそこまで優秀な人材とは

周囲からは評価されてはいなかった。


それは

一般社会において

ある一定以上の優秀な人材のみ許された

カテゴリーに属していたことが起因する。

むしろ、そこに在籍できることこそ

優秀・・なことであるのだが

彼はそこに居るが為に評価されない。

容姿もほどほどによく、

身体能力も一般以上、

仕事も華はないがそつのない。

それが彼だ。


そんな彼も幼少の頃からなぜか刀に魅了され、

剣術の道場にも通い、

同世代では圧倒的な強さも発揮した。

もちろん、そつのない彼は

他のスポーツも才能豊かにこなしていた。



彼はそんな自分に満足はしていないながらも

多少の優越感も持っていたし、

何度も現実に心を折られてきたものの

より地位を上げるための向上心も持っていた。


社会人としての彼は特徴とする部分がないが

弱点もなく、まぁまぁのレベルで

そつなくこなす的な存在であった。


だからこそ、

彼は突出した能力に憧れていたし、

嫉妬もしていた。


本来彼は

洞察力や順応性に突出した能力を持っていたのだが

それはまだ開花してはいなかったし、

開花したところで、

きっと現状では認められることも

なかった。




=============


4本の缶ビールと弁当を購入して

彼は家路に着いていた。


 「フフッおれ…お疲れさま。

  今日は金曜。明日は休み。

  飲む…そして昼過ぎまで寝る。

  優雅だ。。今この時こそ至福。」


彼の楽しみはこれだけだ。

家に帰ってTVを見ながら飲んで寝る。

休みの前の日が深酒ができる。

それは彼が望んでいる休日前の楽しみだ。



  


夜の22時だというのに

空はやや赤みがあって

不思議な感覚となり、彼は夜空を見上げた。


東京という街に住む彼にとって

星空が見えなくとも不思議もなく

平和に国に暮らす彼にとって

夜空の赤みがかっても深刻ではない。

ちょっと離れたところで起きた大地震より

今朝電車が遅れた理由である

人身事故の方が、よほど大きな問題だった。


ただ、大きな爆音が響いた直後

立っていることさえもできない突風に

飲み込まれることで、彼の人生は変わる。


 「んだよ!この風」


そして光を感じた直後

彼を宙に浮かせるほどの風は

それだけでは終わらなかった。


 「わぁあああああああぁんん!」


弁当の袋を手放し

アスファルトに手をついた彼は

一気に吹っ飛ばされ、電柱にしがみついた。


赤みがかった空はさらに赤くなり、

黒煙を帯びてなにかが近くに来ることを感じさせた。


 「まじか?なんなんだよ」



破壊の音と確信できる爆音は

次第に近くなり、彼は、恐怖心に襲われた。


 「これマジなのか?

  戦争?核?ってか逃げないと…」


戦争やテロ、ましてや空襲など

ありえない国に生まれた彼ではあるが

遠い他国では起きているも理解していて

自国でも起きてもおかしくはない可能性を

感じながらも自分の状況からの逃避を考える。





こういった状況で冷静さを失わず

考えられることも彼の美徳なのだが

この時は、それを生かすどころの話ではない。


大きな爆音が先ほどよりも

近い場所で響き光った?と思った瞬間に

彼の人生は終わった。




==============



目が覚めた。


天井を見上げる。





それはお約束の本来の彼の部屋の天井とはまるで違う

一面に広がる青空だった。



俺はなんかの夢を見ているのか。


 「しらないてんじょうだ…」


天井ではないのだが

とりあえず、お約束を言ってみる。

ぼぉーっとして天に手をかざした。


そこで初めて自分が小さくなってるの気がついた。


 「なんだこれ・・」


両手を目線まで持ち上げて

じっくり見てみる。


 「子供の手だ…」


一瞬呆けた彼は何かに気づいたように

自分の体を弄った。


 「んん?いや…ぁぁ、まさか

  まるで子供のように体が小さくなっている。」


一気に彼は上体を起こすと

自分の体も視界に入る。


 「服装もまるで違う。

  ってかなんだ?この格好…

  んんん。体は小学生のぐらいか?

  動揺してるとか言うより、

  意味不明すぎるな…

  ここがどこだかもさっぱりだ。

  

  あれか?ラノベ的な転生とか転移とか?

  じゃあ、俺は死んだのか?

  神様は?

  白い部屋に行ってないぞ?

  チートは?

  選べる設定じゃないのか?」


意味不明なことまで考え始める。



そうしていると


 「たけまるぅさま~たけまるぅさま~」


誰かが叫んで近づいてくる。





声の主は小学生のようだ。

私はすぐさま、彼に駆け寄っていた。


    《人だ!!!子供だけど。

     まぁ俺も今は子供か…

     いやいや。落着け…

     ここはどこだか聞かなくては?

     んん?

     むしろ、私はなに者か聞かなくては?

     第一、ここは日本か?

     言葉が解るから日本かな?

     こいつ、たけまると言っていた。

     俺のことか?

     俺はたけまる君なのか?

     こういうのって

     赤ちゃんからじゃないのか?

     まさか日本沈没からの漂流?

     ってか今、何時だ?》


一人称の思いにふけっていた彼のそばに

子供はやっとたどり着いて、

はぁはぁと息遣いが荒い。


    《こいつ、

     だいぶ走ってきたのか?

     汗だくじゃん。

     顔面は、

     子供の癖にむさ苦しい少年だな。

     って少女なら萌えるのか?》


いろいろ聞きたいことがあるだろうに

失礼な第一印象が

彼の頭の中を支配する。


そうしていると少年から衝撃の一言を食らった。


 「たけまる様。なんで一人でこんなところに。」


   《はぁ?今なんて言った??

    ってか先ほどから言っている

    「たけまる様」とは俺のこと?

    それはいい。

    「様?」俺は偉い人なのか?》



俺が自分のことを「たけまる」と認識した刹那、

ズキンっと頭が痛んだ。

なんだ?痛いのレベルじゃないぞ。


そして、彼にもたれ掛かる様に、俺は意識をなくした。



ここまで読んでくださってありがとうございます



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