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空にて追憶

お手にとってくださりまことにありがとうございます。投稿時間は基本的に夜ぐらいになると思います。ときどき思い出したかのように朝の6時とかに出すかもしれませんが、基本夜です。エタらないように頑張ります。はい。ブックマーク感想レビューはエタ防止に多大な貢献をするのでください(強欲)

アドバイスをいただき大幅に修正をすることに致しました。すでに読んでくださった方には謝罪をさせていただきます。申し訳ございませんでした。

 仁は空を飛んでいた。澄み切った青空だった。雲一つない。けどだから人が空を飛べるなんてことは決してなくて、だからきっと自分はもう人ではない。少なくとも普通の人は、空に打ち上げられた核ミサイルにしがみついたりなんてことはできない。


 衛星軌道にまで向かおうとするジェット噴射の轟音。音速に振り落とされないように全身で張り付いていた。


 黒煙と炎が衝撃を走らせる。風圧の爆弾が顔を歪ませ、髪を凍り付かせていく。空が近くなっていた。凍えるような寒さと焼けるような熱さが口を凍らせ鼻の奥を焦がす。めちゃくちゃ痛かった。


「凄いね君。でもこのまま僕はアメリカに落ちるよ? まぁ、僕を発射した生物以外は皆死ぬけどね」


 核ミサイルが口もないのに語りかけた。普通、物は喋らない。どれもこれも尋常ではない。


「皆、死ぬ? させるわけねえだろ。まだ俺は愛の告白だってしてないんだぞ」


 ――――そうだ! 全部お前らのせいだ! 思えばデートに誘われたときからだ! 結局何もできちゃあいない! 分かるか? 俺は人類とかはどうでもいいんだよ! なんかもっと青春っぽいことしてえから仕方なくミサイルにハグしてるんだ!


 冷静に、淡々と仁は答えたが、頭のなかで響く声は怒りだの自嘲だの愛情だの、感情の渦を巻いていた。


 嗚呼、なんで新宿でデートをするために核ミサイルにハグをしなきゃあならないのだ。


「……いや、本当なんでなんだ」


 ここ数日がいかに狂っていたかを思い返しながら、仁は素朴な疑問に至っていた。

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