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2話

「ついに……この日が来た……」

待ちに待った超国民的ゲーム、

「ダイヤル天国の発売日が!!」

ガチャっ「お兄ぃ!朝からうるさい!ナナ寝てたのに!」

おっと、あまりの興奮に大きな声が出てしまっていたか。

「ごめんごめんナナちゃんちょっと興奮しちゃってさ」なでなで。

こうやって頭をなでるとこの世界で初めてできた可愛い妹ちゃんは大半の事は許してくれるんだ。

「~~っ…… もうっ、男の人なんだからお兄ぃもっと警戒心もってよ!女の人に無暗に接触したら…その、襲われちゃうんだからね! 私だって、我慢がきかなくなっちゃうっていうか……」

なでなで「俺の可愛い妹になら、俺は何されても平気だよっ むしろウェルカム!ってな」

「っ~~ ばかお兄ぃ! 私がどんな気持ちで!っ もう知らないっ」パタンッ

おうふ……。妹ちゃんのご機嫌斜めか、うーんこの世界に来てもいまいち女性の気持ちがわかんないんだよなぁ。

さてと、そろそろゲーム屋が開く時間か今日は土曜日だし学校もない、ダイヤル天国を取りに行ってからは一日ダイヤル天国と行きますか。


「よしダイヤル天国無事にゲット! てか安心したら何か喉が渇いてきたな…… そういえば朝ごはんまだだったか…… 丁度帰る道にマックあるしバーガーでも食べて行こうかな」

…… 、いやでもやっぱ我慢できない! 早くゲームがやりたい! おらすぐ家に帰るだ!!

ダッシュ!&猛ダッシュ!

…… 。


えーとプレイヤー名は前世と同じDAIKINGでっと、選曲は大会を見据えてフリーランダムっと、よし始まるぞ!

【GAMESTART】

♪ー♪ーー♪ーーー

来た来たぁぁーーーーー!これだよこれ!

♪ーーー♪ーーーーー

ダイヤル回してふっふっーーーーー♪ーーーー

最高ーーー!ダイヤル天国最高ーーーーーー! 今の俺最高にか輝いてる!ーーーーッ




チュンチュン「…… もう朝か…… さすがにやり過ぎたか……」

顔洗ってこよう。

うぇっ、洗面台の鏡に映ってる俺めっちゃクマが出来てる、

恐ろしく眠いし徹夜だもんなぁ、そりゃそうなるか。

「しかしこれからこの世界で爆発的にヒットしていくだろう超大作を初日からバリバリプレイしてる先行組になれたかと思うと……」

何か胸に来るものがあるな……。

さて、もういっちょダイヤル天国と行きますかぁー!


……。




そして……三年の月日が流れた。




いよいよ高校も卒業か……、早いもんだな、

「あっお兄ぃ!こんなところにいた!お兄ぃのクラスの皆一緒に写真撮りたいって探してたよ!」

「お、おう! でも少しだけ待ってなナナちゃん、このさ……大きな桜の木も見納めだと思うと、なんだか感慨深い思いになってなぁ」

「そっか…… 私にとってはまだ二年もあるけどお兄ぃにとっては、これで学生生活も最後だもんね…… 」

「ああ…… 」

「でもお兄ぃ本当にプロなんて目指すの?」

「それはもちろん!俺の夢だからな!いくらナナちゃんが止めても俺は絶対あきらめないぜっ」

「……はぁ、お兄ぃには大学に進んだりする選択肢だってあるのに……、それにあと三年待ってもらえたら私が養ってあげるのに…… プロゲーマーの世界は過酷だって聞くし何より女の世界だよ?男のプロゲーマーなんて聞いた事ないし……、それにプロチームに入ったら訓練寮に住んで周りが女だらけの中で生活するかもしれないよ? 襲われるかもしれないんだよ?」

「大丈夫さ! こう見えてお兄いは強いんだ! 襲われたって平気だ!フフッ」

「っ~~ お兄ぃはわかってない! 女の本気を知らない! 女はね! 気を扱えるの! 動態視力も身体能力も何もかも男性より優れているんだからね!」

「?? 気? ナナちゃんまじで急にどうしたの? そんな漫画みたいな話があるわけ……」

「あるよ! 本当は男を怖がらせちゃうから言っちゃいけない事になってるけど…… 私だってお兄ぃに怖がられたくないから言ってなかったけど…… 女はね、気が使えるの!! ひ弱な男では絶対に勝てないの! 」

「うーん、そんなにナナちゃんは俺にプロゲーマーになって欲しくないのかぁ、そんな嘘までついてなぁ」

「嘘じゃないよ! 本当に男は女に力では勝てないの! いい? お兄ぃじゃ襲われたら逃げることもできないんだからね!」

「プフッ、むきになっちゃって可愛いなぁ~ そんなに言うんだったら試してみる? お兄ぃの事襲ってみて? その代わりどうなっても知らないよ? お兄ぃの手がすべってナナちゃんのスカートめくったり、色々なところ触っちゃうかもしれないからねー?」

「…… もう我慢できないっ お兄ぃのビッチ発言にもっ お兄ぃの無防備な姿にもっ!!」

ガバッ「うぉっ! えっ!? うぇっ何この馬鹿力っ ナナちゃんの体からなんでこんな力が出てるの!?? えっ、あっ、ちょっ、待ってそこはだめだって! あっあっ、ちょ、やめっ、ナナちゃん、すとっ、すとっぷ!ストップだってぇー! あうっ、あっあっ、まじでやばいって!こんなところでズボンごしに握らないで! あっあっぁぁぁあああああ~~ 」

「お兄ぃには女は狼だって事徹底的に教え込まないとなんだから! 下半身にもお兄ぃの可愛いボッチ二つにも徹底的に!! 」

「うぇぇっなんで乳首から気持ちいい感じが走るんだ、俺は男なのにうぇえっあっまじどうなってるの~~お風呂入るときに敏感だとは思ってたけどっこの世界の男ってそういう事だったの~~っ」

「ほらほらっやっぱり勝てないでしょ! お兄ぃ!……っ今ならプロゲーマー諦めるって言うならこのまま解放してあげるんだからねっ」クリクリッ

「あっあっあぁぁあ~っっ、くっ、嫌だ!俺はプロゲーマーになる! 絶対なるんだぁああああ!」

「このわからずや!人の気も知らないでッ お兄ぃなんて……!グスッ お兄ちゃんなんて……っ グスッ馬鹿っ」

「ナナちゃん泣いてるのっ…… あっ、待ってナナちゃんっ」ドスンっ

「いってぇーっ」

ナナちゃんの拘束から急に解放されて俺は地面に尻もちをつく。

いつつ~~、あっナナちゃん行っちゃった……。

人生ままならないもんだなぁ……はぁ……。

てか気とかな…… 。

ずるいよなぁ…… そんな素振り今までなかったもんよ…… そりゃ体育で女子は運動神経いいなぁとは思ってたけどさ、今の妹ちゃんほどやばくなかったよ……やっぱ普段の女性は力をセーブしてたって事かぁ……。


でもなぁ、ナナちゃんには悪いけどこればっかりは諦める事は出来ないよなぁ……。

俺の夢だし、何よりナナちゃんは覚えてないかも知れないけどさ……

小さなナナちゃんに俺は約束しちまったんだ、お兄ちゃんは世界一の

プロゲーマーに成るってさ――





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