安らかに。
── ぎいいいいいいいん ──
煩い。
煩わしい。
頭を抱える。
指を突っ込む。
鳴り止まない。
うっとおしい。
壁に拳をぶつける。
血が滲む。
痛みは感じない。
爪をかじる。
絶叫する。
泣く。
喚く。
じたんだを踏む。
まだ鳴り止まぬ。
頭をぶつける。
ところ構わず。
膨れ上がる。
たん瘤。
でも、辞めない。
煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、煩い、煩い…………
心を錆びた音。
血にまみれても、鳴りを潜めない。
だが命は惜しい。
なかったかのようにして布団に潜り込んだ。
── ぎいいいいいいいん ──
耳があるからいけないのだな。
傍らにあった錐を手にする。
── ぶちん ──
突破した。
鼓膜を突き破り、流れるへどろ。
そこまでして。
なのに騒音は止まないのだ。
もう、狂うしか ── ない。
遥か階下に投げ出し、表情は歪む。
冷たい床に寝そべりつつ。
なおも襲いかかる音。
雪は無情にも覆い被さる。
問答無用に ──
些細なことかもしれないが。
常に煩いのだ。
── ぎいいいいいいいん ──
耳鳴りは地獄でも
私を苦しめ続けていた ── 。
わりと実話です。
いつも耳鳴りが絶えません。
(^_^;)