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3 僕の友人は王子様

この回ではじめてキャラの名前出しました。

「いやいや今日も微笑ましいくらいのシスコンっぷりだったね」


 にやにやと言いながら僕にそう言ったのは、高校に入ってからの僕の友人。


 名前は相坂あいさかつばさ


 僕の名前が青野あおの悠斗ゆうと


 うちの学校は男女区別を極力しないという方針で、違いは更衣室とトイレくらいだと思う。


 体育や技術家庭科など男女の差がつきやすいものも、単位制度で選択できるシステムだ。


 まあ、男子よりスポーツが出来る女子もいれば、女子より家事が得意な男子もいるから、それはいいことだと思う。


 当然出席名簿も男女混合で、いわゆる「あいうえお順」となっている。


 その順で、翼は僕の前に位置している。


 席順もその順で、特に席替えを希望する生徒もいなかった為、入学時のままである。


 たまたま席が近かった、そんな安易な理由がきっかけで僕と翼は友人となった。


 その翼は今、僕の前の席で僕の方を振り返りながらにやにやと笑っている。


 翼はいい奴なんだが、どこか物事をこねくり回して面白がるような悪癖があるのが難点だ。


 また、こいつはこの学校で「王子様」という異名を持っている。


 イケメン面、爽やかな笑顔、スマートな言動。


 女子がいつもキャーキャーと騒いでいる。


 男子はそれに非常に微妙な表情をみせる。


 僕も、根本的に王子様はないんじゃないかって、思ってる。


 が、当の本人は楽しんでいる様子こそあれ、特に気にしているふうもないから別にいいんだろうけど。


 それより今は……。


「シスコン言うな。人聞きの悪い」


「えー、シスコン以外の何があるっていうのさ。今日も車道側歩かせちゃ危ないって庇ってたし、体操服入った荷物もっててあげたし、比沙子ひさこ先輩に熱い視線を送る野郎どもに威嚇の睨みを放ってたし」


 ちなみに今翼が口にした比沙子というのが、僕の姉の名前である。


「女子を危険から遠ざけ、重い荷物を持たせず、危険人物から守るのは当然のことだろ」


「へええー、車道側歩くだけで危険、体操服ごときが重い、同じ学校の男子生徒が危険人物、ねえ……。まあ、他の女子にもそうなら君の言い分も納得するけどさ、それ比沙子さんにだけじゃん。逆に、他の女子には冷たいくらいじゃないか、君」


「当たり前だ」


 姉に優しくするのは、それが姉だからだ。


 どうして赤の他人にまでそんな気を遣わなければならないかわからない。


「うーん、すがすがしいほどの、シスコンっぷり」


「だからそれやめろ」


「本当に君、比沙子さん好きだよねえ」


「…………」


 そんなの、当然だ。


 しかし何でこいつにはばれたんだ。


 内緒にしてるつもりなのに。


「比沙子さん以外にはばっればれだよ。わっかりやすいもん、君の態度」


「……!?」


「……まあ、他のみんなは普通のシスコンだって思ってるだろうけどね、きっと」


 そう言いながら翼は僕を意味ありげな様子で見ていたが、それに僕は気がつかなかった。



 僕が、姉を好きなことが周囲にもろわかりだというその点に気をとられていたから。


たぶんこの話ホント長くない。

十話以内で終わるかと思うので、どうぞよろしくお願いします。

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