番外編 比沙子の徒然日記
では番外編一つ目、比沙子姉さんです。
形式は日記バージョン。
〇年〇月〇日
今日はあたらしいパパと弟に会いました。
ママとけっこんするんだそうです。
あたらしいパパはとってもやさしそう。よかった。
弟はとってもかわいい。こんなかわいい男の子、学校にもテレビの中にもいない。
はずかしがってるのか、あまりお話ししてくれなかったけど、いっぱいいっぱいかわいがってあげるんだ。
〇年〇月〇日
あたらしくできた弟、ゆんちゃんは、私のことひーちゃんってよんでくれる。
すっごくかわいい!
どこに行くのも手をつないでいくの。
ひーちゃんって見上げてくる顔、ものすごくかわいい!
こんな弟ができて、わたしとってもしあわせ。
〇年〇月〇日
今日ははじめてクッキー作ったの。
ゆんちゃんに食べさせたら、食べられなくはないねって言った。
それでも食べてるから、かわいくなーいって思ったけど、あとで自分で食べたら、はいた。
砂糖と塩をまちがってた上に、生焼けだった。
ゆんちゃん、おなか大丈夫かなって思ってたら、こわした。
無理して食べてくれたみたい。
かわいくないって思って、ごめんね。
変なもの食べさせて、ごめんね。
やっぱりゆんちゃんは、誰よりもかわいい弟だよ。
〇年〇月〇日
小学校を卒業して、中学校へあがった。
そしたらゆんちゃんが、私のことひーちゃんって言わずに姉さんって呼ぶようになった。
どうしてって何度聞いても、恥ずかしいからって答える。
恥ずかしいかなあ?
私はこれまで通り、ゆんちゃんって呼ぶつもり。
だって恥ずかしくなんかないもんね。
〇年〇月〇日
今日初めてラブレターというものをもらった。
どうしようかゆんちゃんへ相談したら、ゆんちゃんちょっと怒ってるみたいだった。
どうするつもりか聞かれたので、まだまだお付き合いなんか無理だから断るって言ったら、少しほっとしたようだった。気のせいかなあ?
〇年〇月〇日
ゆんちゃんも中学生になった。
あの可愛い男の子は誰って話題になった。
ふふ、ゆんちゃんは私の弟なのだ。
ちょっと優越感。
だけど、ゆんちゃんが女の子に囲まれてたところを見た時、ちょっと胸がチクッとした。
何でだろう?
〇年〇月〇日
今日ゆんちゃんを学校で見かけた時、一緒にいた男の子に私のことでからかわれていた。
ゆんちゃんは、姉なんだから当たり前だって返してた。
姉、かあ。
そうだよね、私、お姉ちゃんだもんね。
最近の私、ちょっとおかしかったかも。
何だかゆんちゃんにドキドキしたりとか、うん、駄目だよね。
私はゆんちゃんのお姉ちゃん。
うん、大丈夫。
ゆんちゃんは、私の可愛い弟だ!
〇年〇月〇日
最近ゆんちゃんが口うるさい。
しっかりしろだとか、身のまわり気をつけろとか、自覚しろとか。
私はお姉ちゃんなんだから、そんなに心配しなくても大丈夫なのに。
私って、そんなに頼りないかなあ。
うん、もっとしっかりしないと。
私はゆんちゃんのお姉ちゃんなんだから。
〇年〇月〇日
高校へ進学しました。
結構家から近い学校です。
ゆんちゃんが遠い所は行き帰り危ないって言って。
何がそんなに危ないのかなあ。
今でもよくわかんないけど、まあ、三年間通うとなると、やっぱり近いところのが楽だもんね。
〇年〇月〇日
ゆんちゃんが同じ高校へ入学しました。
おめでとー、ゆんちゃん。
同じ学校へ通えて、お姉ちゃん嬉しいです。
ゆんちゃんは、高校でも綺麗な男の子がいるって有名だよ。
あ、でも思春期の男の子に綺麗はないか。
私も内心そう思うけど、ゆんちゃんには内緒、内緒……。
〇年〇月〇日
ゆんちゃん、結構性格厳しいからお友達出来るか心配だったけど、仲の良い子出来たみたい。
良かった。
翼ちゃんって言うんだって。
女の子なのに、男の子みたいにカッコイイ子。
身長もゆんちゃんと同じくらいある。羨ましいなあ。私ももう少し欲しかった。
翼ちゃん、ゆんちゃんとあわせて学校では、王子様って言われてる。
王子様……。
翼ちゃんには似合うけど、ゆんちゃんはちょっとイメージ違うかな?
〇年〇月〇日
そういえば私、高校で何もしてないよ、とはたと気がついた。
何か思い出になることがしたい、と文化祭実行委員へ立候補してみた。
部活してる子だと、時間的に厳しいらしいし、立候補は喜ばれた。
うん、良かった良かった。
〇年〇月〇日
文化祭実行委員長になったのは、隣りのクラスの男の子。
今日初めて話したけど、すっごいいい人。
初めて会話するなんて思えないくらい、落ち着くし安心する。
それに、なんかちょっと、ドキドキも。
あれ、この感じ、なんか身に覚えがあるかも。
私、どうしたんだろう?
〇年〇月〇日
文化祭実行委員長に、告白された。
びっくりしたけど、嬉しかった。
今までは告白されても、お付き合いなんて実感わかなくてすべてお断りしてたけど……。
うん、彼となら、きっと大丈夫。
ゆんちゃんにも、早速報告した。
驚いた様子だったけど、祝福してくれた。
良かった。
その後用があるって出かけちゃって、遅くなったから心配したけど、翼ちゃんと一緒にいるって聞いて安心した。
お泊りするって言ったけど、よく考えたら女の子の家に、いいのかなあ。
でもまあ、ご両親いるだろうし、大丈夫かな、うん。
〇年〇月〇日
最近、ゆんちゃんと翼ちゃんの様子があやしい。
もしかして、もしかするのかな。
お付き合い、するのかな。
そしたら、すっごいお似合いだよね。
翼ちゃんが、妹かあ。
うん、それはすっごく嬉しい。
翼ちゃん、とってもいい子だもの。
ダブルデートとか、いずれはダブル挙式とかって。
あは、気が早いか、私。
でも、いずれそうなるといいなー。
みんなが幸せであれば、本当に嬉しい。
だってゆんちゃんは、私のかわいい大事な弟、なんだもの。
この日記の中身は、比沙子姉さん墓場の中まで持っていくがいいですよ。
ゆんちゃん、淡いフラグ自分で潰してたと知ったら、泣くこと間違いなしです。




