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【完結】鬼ごっこ/執着系クズ(年下)×平凡(年上)  作者: ハタセ
鬼ごっこ/執着系クズ(年下)×平凡(年上)
5/6

#5

「…ッはぁ…手だけ…今は手だけでいいから由羅の一部を俺に貸して」

「…」


 欲情して眉間に皺が寄っている木田を見つめ返す。

 俺の手は木田によってそのスラックスの中へと吸い込まれていった。


「クッ…あっ…ハァハァ…ゆら、ゆら、ゆら」


 自分以外の性器に触れたのは初めてで死ぬほど気持ち悪い。

 手のひらに感じる熱い鼓動と強度。

 どんどんヌルヌルになっていく手を振り払いたくて仕方ない。


 俺の手の上から木田が自分の手を重ねてオナっている。

 こんなバカみたいな光景一生拝むこともないだろう。


「ふっ…ん…ゆら…俺のっ名前…呼んで?」


 一定のリズムで俺の手が上下する。

 気持ちよさそうに木田は俺の顔を覗き込んできた。


「嵐…気持ちいい?」

「うん…すっげーきもちー…女とヤるよりっ…ぁ…ゆらっの手の方が…きもちーっ…」

「もう出る?」

「やだ…まだっゆらの手…感じてたい」

「でも授業始まっちゃうぞ」


 なげーなと思って声をかけてもなかなかコイツはイこうとしてくれない。

 おっ勃てた性器はビクビクしてるくせにイク寸前で動きを緩めてやり過ごしている。

 俺の手がふやけそうなんですけど。


「ハッハッ…ゆら…好き…好きだ…気持ちいいよ由羅」


 俺の顔をジッと見ながらオナる男が滑稽で仕方ない。

 俺と疑似セックスをしてるのが容易に分かってマジで気持ち悪い。


 もう無理だ。こんなの付き合ってられねーよと思い俺は漸く自らの意志でその性器を握り返した。


「ゆらッ」


 木田が自分で動かしていたスピードよりも早く強くそれを扱く。


「ッ…出る…嫌だ…まだっイキたくね…!ゆら!やめ…出るっから嫌だ嫌だ嫌だッ!!」


 この時間が終わるのが嫌だと首を振る木田を後目に俺は無言でその先端に爪を立てた。

 瞬間木田は酷く感じた顔をしたかと思ったらすぐに俺にキスをしてきた。

 咥内にぬるっとした感触が入り込んでくる。さっきとは比べ物にならないくらいの濃い口づけだった。


「んっ…ふっ」


 くちゅりと音を立てて貪るようなキスをしてきてから数秒後に木田は喉の奥に声を詰めて「くっ…」と一声鳴いた。

 気付いた時には俺の手には木田の精液がぶっ掛けられていた。


「ハッハッ…はぁ…ゆらぁ…」


 イった後の木田はそれはもう壮絶な色気を放っていた。

 俺ですらそれに当てられそうになるほどだ。

 容姿はチャラいけどこの学校の中でもずば抜けて整っているし

 木田を知らない女なんてこの学校にはいないくらいの知名度でもある。

 一回でも抱かれてみたい、お金出してでも抱かれてみたいなどと耳にしたのは星の数ほどだ。

 そんな奴が今目の前で俺の手によってイかされて

 汗を流して恍惚とした表情で俺を見降ろしているのだ。なんて笑い話なのだろうか。

 コイツの精液を欲しい女なんていくらでもいるのに、それをこんな事で無駄死にさせている。

 何億と言う優秀な遺伝子がこんなバカげたことにより死んでいく。

 お前本当に頭狂ってるなと嘲笑ってやりたい気持ちだった。


「俺…もう戻るな?」


 取りあえず保健室に会ったティッシュで手を拭いて水道で洗ってから木田にそう声をかけた。

 木田はまだ夢うつつの中にいるのか俺を暫くぼうっと眺めていたが俺が扉の前まで来るとすぐに自身の身だしなみを整えて俺の腕を掴んできた。


「待って。由羅…もう一回キスさせて」

「…やだ」

「じゃあ、一日一回だけ。俺とキスしてよ。由羅が俺の恋人だって自覚させて」


 イジメに比べたらそんなものお安い御用だと言いたいけど、

 俺にとってはイジメと同じくらいに嫌な事でもあったが、建前上恋人同士になってしまったわけだし

 これを断ってまた木田の機嫌を損ねるのもめんどくさくなりそうだったので俺は渋々それを承諾した。


 どうせあと少しの辛抱

 今が10月の後半、受験シーズンはもうあと少しだ。

 12月になれば俺はコイツと会う機会も激減するだろう。


「…分かった。その変わり、会わない日はやらないからな」

「うん…それでいいよ」


 その後で抱きしめられて大好きだと伝えられてから俺はやっと解放された。


「…っう…やべぇ…吐きそ」


 木田の香水なのか体臭なのか分からない臭いが自分の制服についてしまった。

 すぐに制服を脱いで洗い落としてしまいたかったがまだ授業が残っている。


「くそっ」


 近くにあった便所に駆け込んで俺は盛大に吐いた。

 制服の臭いもだけど、それより何より木田の唾液が自分の体内に入ってしまった事が死ぬほど気持ち悪い。

 世界で一番嫌いな奴の唾液と臭いとそして精液の感触。

 まるで俺自身がアイツに犯されたような錯覚さえしてくる。


「うえっ…げほっ…」


 胃の中が空っぽになったんじゃないかと思うくらいに吐いて口を濯ぐ

 鏡の前で見た自分の姿はいつもより青白くまるで死体のような顔をしていた。


「ハハ…」


「ハハハ…」


 こんな日常がずっと続いたら、俺は死んでしまうかもしれない。

 そう思ったらなんだか笑えてきた。

 まるで現実味がない現実。

 折角イジメが終わったのにこれから先の未来も同じように暗雲でしかない。

 すぐ終わる

 すぐ終わる

 こんな事、ずっと続くわけがない。

 木田が途中で飽きてしまえばいい。

 早く俺が卒業してしまえばいい。


 逃げ道はあるのだ。


 なのになんだこのどうしようもない絶望感は?

 木田と過ごすのもあと数か月

 たったそれだけなのに、一生アイツに囚われてしまうのではないかと言う恐怖感。

 それがどうしても拭いきれない。


「…大丈夫…大丈夫だ…」


 自分を落ち着かせるためにそう唱える。

 全ては上手くいく。

 現にこうやって木田を騙せたじゃないか。

 従順なフリをして最後にアイツの前からキレイさっぱりに姿を消すのだ。

 アイツがそれでどう思おうが知ったことじゃない。

 傷つくかもしれない

 怒るかもしれない

 悲しむかも知れない

 玩具が消えたとすぐに忘れるかもしれない

 でも、そんな事、どうでもいいんだ

 俺には木田の考えなんて関係ない

 俺は俺だけの事を考える

 木田から離れる

 それだけが俺が為すべき事なのだ。



「お前の手になんか落ちない」



 それだけが唯一の現実として。


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